マガジンのカバー画像

2022年新作テレビドラマ放浪記

314
2022年の新作テレビドラマの感想です
運営しているクリエイター

#吉沢亮

「PICU 小児集中治療室 (第11話)」医療現場の厳しさとやりがいの狭間に見える未来

先週、何故に最後に地震が起こるんだ?と思ったが、理由は、それによって今の北海道の救急医療の限界みたいなものを見せるためだったのだろう。ある意味、最終回において、ドラマのテーマがしっかり見えたと言う感じもした。 ラストシーン、心臓移植を受ける予定の男の子が、補助心臓も体に入って外を歩けるようになって、吉沢亮と語るシーン。これをハッピーエンドとは言わないだろうが、未来が見えるようなシーンでホッとした。そして、安田顕がこの病院に残れるようになったのも、観ていて嬉しかった。 しか

「PICU 小児集中治療室 (第10話)」奇跡が起こせる時にまた災いが・・・。

函館の病院に戻った心臓移植が必要な少年に奇跡が起ころうとしていて、そこでドクタージェット登場。もはや、これで少年の命が救えそうだというところで、地震が起こるとは・・・。日本は、そういう国である。こういうドラマを書ける方は、人の命があることが、本当に奇跡であることをわかっているのだろうと私は思う。医療ドラマは、その観点を強く打ち出しているものが私は好きである。 今回は、先週の吉沢亮の退職願の件から始まった。人生で何回かは、誰でもパラレルにメンタルをやられることがある。それは、

「PICU 小児集中治療室 (第9話)」親の死と患者を助けられない力のなさと・・・。

何度も書いたが、このドラマは子供の患者を助けられなかったことから始まっている。そして、ドクタージェットがあれば、その死の数を減らせる可能性があるという話だった。だからこそ、PICUは空港の近くに作られたわけだ。という前提なら、多くの子供達が助かって未来に向けて歩む話かと私は思っていた。 しかし、回を重ねて残りが少ない中で、吉沢亮の母親が死に、ずーっと回復に向けて動いていた心臓の悪い子供も、ほぼ助からない状況になってしまう。つまり、このドラマは子供たちの未来に希望を持たせるも

「PICU 小児集中治療室 (第8話)」子供の患者との接し方、希望の火の灯し方

このドラマも、もう8回目。主人公、吉沢亮演じる志子田先生は、最初からしたら、随分と頼もしくなった。上司である、安田顕や木村文乃が彼を認めてるのがわかる演技で、ドラマもラストに向けて拍車がかかる。 ずーっと容態が戻らないというか、感染症が治らないで心臓治療に入れない子供の話を引っ張っているのが見ていてなかなかきつい。今回のファーストシーンも彼を思ってる函館の彼女から始まったりする。PICUは彼を助けることができるのか?最初の回から、子供が助からない話で始まったドラマだ、最後に

「PICU 小児集中治療室 (第7話)」家族の病気に対する向き合い方みたいな・・・。

ここに来て、吉沢亮がしっかり成長し、周囲の信頼も得られるようになっている描き方が、なかなか見事である気がする。一気にそうなるというよりも、患者と向き合ううちにそうなっていくという描き方が見ていて心地よい。そして、吉沢亮自体が、こういう役にピッタリだったりするのであろう。 そして、高杉真宙の医師としての帰還。仲良しの3人が一緒の場所で働くという構図は、ある意味ドラマ的だが、なかなか微笑ましく羨ましい。そして、高杉が再出発の中で、木村文乃が声をかけるシーンが印象的だった。そう、

「PICU 小児集中治療室 (第6話)」子供のメンタルに寄り添える医師は素晴らしい

小児科という分類があるのは、子供の未成熟な身体の特異さと、言語で通じ合えない部分があるからだろう。ある意味、小児科は、子供たちを救い未来に羽ばたかせるためにある科と言ってもいいのだろう。このドラマを観ていてその存在の大切さみたいなものは感じる。 今回の子供は、小学6年生。小児科にかかるには、最も高学年の年齢なのだろう。その彼が心臓移植を迫られ、いろんな事を考えて、「早く死にたい」となっているところから話は始まるが、ある意味、彼は大人の発想をできるからこういう手術に対する拒否

「PICU 小児集中治療室 (第5話)」子供たちへの想いと、お金と医者のメンタルと・・・。

今回、初めてドクタージェットが使用されて患者が送られてくる。しかし、その運ばれてきた患者自身よりは、そのジェットを使って、今いる患者を安全に札幌から網走に運ぶというミッションが実行できなかった問題が大きく取りざされるわけだ。旅客機とは違い、1人の人間のためのチャーター機なわけで、緊急搬送以外ではお金はかけられないというところなのだろう。こういう問題は、北海道自体がジェットを持つことになっても続く気はする。命と金が天秤にかけられなくなる日は来ないのだろうか? 子供の患者たちは

「PICU 小児集中治療室 (第4話)」母親と子供の関係という、切り離せないものに考えさせられる

小児科を扱うときに、母親という存在がとても重要なことは、このドラマの最初から描かれていたことだとは思う。だが、ここに来て、主人公の吉沢亮はそれがどういうものかを考えてしまう。母親の大竹しのぶに自分が生まれた時のことなどを聞いたりする。そう、私もそうだが、男にはそういうことを考える時間があまりない。 今回は、名前もまだない子供がPICUに運ばれてくる。母親に合わせようと吉沢は一生懸命、そして母親本人に会えたものの、彼女自身を追い込んだことで訴えるとまで言われてしまう。この辺り

「PICU 小児集中治療室 (第3話)小児科としての手術決断の難しさみたいな・・・

電話口の親友、高杉真宙の話の感じが気になって網走まで足を伸ばす吉沢亮。そこで今回の事故が起こる。最初から札幌に子供を運ぶところがスリリング。日本は、空港を作りすぎだという意見もあるが、こういうことの為には有効であることがよくわかる。だが、そのために経費をかけるのか?という話である。どちらにしても全てを助けることを目標にしても、今の医者の力には限界があるし、他の問題との共存も難しいところ。まあ、今回の事故は交通事故だ。こういう事故が、自動車の自動運転で減るのだろうかということを

「PICU 小児集中治療室 (第2話)失敗して、悔しがって、また立ち直る。それが頑張ると言うこと。

第2話も、色々と自分を重ねていろんなことを感じた視聴者は多いのではないか?何をやってもうまくいかない、受け入れられないと言う主人公の気持ちは、医者に限らず多くの人が通ってきた道だ。私も似たような覚えがある。だが、人間、毎日毎日、一歩一歩前に向かって生きていれば、いつの間にか、自分が考えてもみなかった境地にいることがある。その過程を振り返らせてくれるようなドラマだ。 子供に対して、やってはいけないと思われることを正義と思ってやってしまった、主人公、吉沢亮。その心をどう言うふう

「PICU 小児集中治療室」救命医療のドラマの初回を二人の子供の悲劇から始めるという大胆さが期待を持たせるが…。

主題歌が中島みゆきだと、ドラマがすごく大きく見えてくる。北海道が舞台ということもあって、彼女の歌が選ばれたということもあろうが、その大きな大地の子どもたちの命を救おうという話だ。それなりの大きな考えがあってのドラマなのだろう。そして、ほとんど何もできない医者である吉沢亮がそこにいる事、PICUを北海道に作ることになったのは、彼が学生の時に北海道知事に送った手紙が発端だったというドラマはなかなか面白い。そして、これが初回のラストで明かされるのだが、もう、吉沢がここから逃げ出すわ