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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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#小芝風花

「彼女はキレイだった(第10話)」心地よい、エピローグ的な最終回

先週のラストが、クライマックスだったのだろう。本多力が副社長に就任し、MOSTが追っていた作家の正体が赤楚衛二だったということで、その記事を記載した最新号は、見事にライバル誌のシェアを上回った。そして、全てがうまくいって、4人の主人公は、それぞれの旅立ちをする事になる。ということで、最終回は、エピローグ的な展開。その中で、プロポーズが行われ、その先の展開まで見せる。すごく綺麗なラストだと思った。 まずは、MOSTの存続のキーを持っていた赤楚。この辺り、もう少し、謎めいたとこ

「彼女はキレイだった(第9話)」最後に2つのサプライズで最終回につなぐうまさ。

ラストの二つのサプライズ。話がまとまるかに見えたところで、全く違う展開が訪れるという感じなラスト前は、なかなか衝撃的でうまい。こういうのが韓流的な仕込みであるのかもしれない。最後まで、視聴者を引きずる感じの面白さは、テレビドラマには大切なことだ。 それよりも、この回から中島健人が、イメージが変わってしまい、なかなかそのイメージが崩れる感じが面白かった。これ、連続テレビドラマの展開ということでは成立するが、2時間程度の映画だと、「なんだ!」と怒りたくなる感じである。そう、結果

「彼女はキレイだった(第8話)」色々な心が離れて、また戻ってくるというのがテーマ?

ラスト、スッキリと「愛の告白」。ということでドラマの大きな問題は解決したところで、中島が倒れるという流れ。まあ、この後が4人それぞれの精算みたいな感じなのか。そして、雑誌がなんとか続くのかどうかというところに、皆の心がつながるのかどうかというところだろう。 中島と小芝がうまく寄り添ったところで、佐久間由依と赤楚衛二は、それぞれに気まずくなる。そして、雑誌廃刊のことがバレ、編集部もほぼストライキ状態。中島も小芝もそれなりの暗闇に入るという流れ。 ドラマとしては、まずは女同士

「彼女はキレイだった(第7話)」全てが謎解きされて、不幸が撒き散らかされる瞬間

1時間かけて、小芝風花は逃げ回り、中島健人は真実に向かって追いかけるという展開。ドラマ的には単純な内容をそれなりに濃く描いていくのは韓流ドラマのうまさでもある。そういう意味で特に日本的にアレンジする必要もない部分でもある。そして、よく描かれる恋の残酷さみたいなものが傍に重く残るようにされているところがミソなのだろう。 そういう意味で、上の写真の到達点に伴って、二人の優しい犠牲者が出るわけだ。その二人が小芝の掛け替えのない友人というところがこの話の肝なのだ。多分、自分が幸せに

「彼女はキレイだった(第6話)」記憶の書き換えはできないという話

先週のラスト、イメチェンを図った小芝風花。今回はそのきっかけと変身を佐久間由依に手伝ってもらうところから始まる。そう、ここで小芝と佐久間の友人としての近さをまずは示すわけだ。 これが、最後の佐久間と中島が近づいていくところを小芝が見てしまうところにシンクロしているのが今回の脚本。佐久間は、小芝の思い出のパズルのを持ち出し、自分が幼馴染の愛だと証明して中島を引き止めようとする。そう、友情の破綻がここで起こるわけだが、その時にはもう中島の心は小芝に引っ張られているという流れ。こ

「彼女はキレイだった(第5話)」ラストの変身シーンのインパクトがドラマを増幅する

髪型とメイクを変えることで女は人生が変わるということを画で見せてしまう。ある意味、こういうの日本のドラマや映画が苦手な部分なのだが、ここでは、変身後のキラキラ感の見せ方がなかなか秀逸。まあ、小芝風花の演技力によるところも大きいのだが、このシーンがあって、彼女がこの役に適役だったと主張する感じがとても良かった。 今回は、前回の流れで中島の思いのフォーカスが確実に小芝に向かっていた。それであるが故に、佐久間と会うシーンはない。逆に佐久間が心を押さえられずに悩むところに、全てを知

「彼女はキレイだった(第4話)」中島健人の演技の微妙な振幅がこのドラマの鍵?

先に、中島健人の演技が木村拓哉にはできない演技だと書いた。今回のように、一回、邪険にした女の子に謙虚になっていくような演技はそれこそ木村には無理だろう。ある意味、木村は皆の注目の中で、自分の演技スタイルを作ってしまったために、私的には木村拓哉という人の演技はあまり興味をそそらない(下手だといっているわけではない)。そんなことを考えながら見てると、今回の中島健人はなかなか難しい演技をこなしている。 つまり、だんだん馬鹿にしていた小芝風花が気になっていく。そして、最初からだが、

「彼女はキレイだった(第3話)」キャラを交錯させるうまさは、韓流脚本の醍醐味?

前回の最後の小芝の酔っ払っての告白は、一緒にいた赤楚衛二の機転により、中島には伝わっていなかったようで、こういう風に、視聴者が思うことを少しずらしていく様は、脚本的にはすごくうまい。多分、こういう部分はネタとしている韓流ドラマのままなのだと思う。 赤楚が佐久間由依と知り合って、佐久間が赤楚を婚約者にしようとするというのも、ドラマ展開としてはスリリングな話なのだが、これも最後にはうまくいかないシナリオ。色々と近い距離にいる4人が、上手い具合にすれ違う感じはお見事。こういうのは

「彼女はキレイだった(第2話)」感情を苛立たせることでドラマができるということ

今回も、ドラマを前に進める一言のセリフで終わる。次を見たくなる仕掛けなのだが、結構うまい。先週の佐久間由依が日本にいることがバレる話は、とんぼ帰りしたという理由を中島が簡単に信じて事を得る。今回は、少し立場が違うからどうなることやらであるが、事実を小芝がしゃべったことで事は動くということなのだろう。 しかし、中島健人のいやらしい演技はなかなかのものだ。こういう芝居、木村拓哉もよくやるが、それよりも奥底の気持ちがない感じな分、こちらの方がストレートにいやらしい。まあ、ジャニー

「彼女はキレイだった」小芝風花のキャラが最高のテンションになれば面白くなる

小芝風花、民放のゴールデンのドラマの主役は初めてだろう。今年に入って、最近のキャラとは違いおとなしい役の「ココミ」で、その芝居の器用さが光ったが、やはり昨今の小芝のキャラはこのドラマのようなはっちゃけたものだろう。出版社が舞台という点では「妖怪シェアハウス」もそうでしたね。あっちでも、可愛くないキャラにみんなが恋する状況が出てきたわけで、似たような流れではあるのでしょう。まあ、元気のない世の中で、彼女のうるさいくらいの芝居はなかなか良いと思います。 とはいえ、この設定はかな

「モコミ」橋部敦子さんを向田邦子賞に導いたドラマとして、家族を考えるドラマとしてもっと語られるべきだと思う。

「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」の最終回をやっと視聴。観る前に、脚本の橋部敦子さんがこのドラマで向田邦子賞を受賞されたニュースが流れてきた。 橋部さん、今クールは翻訳ドラマでもある「知ってるワイフ」も担当。こちらも、最初は鬼嫁話でちょっと私は観ていて辛かったが、最後のまとめ方は、夫婦の在り方の提言のようになかなか綺麗なラストだった。こちらも、認知症の母がいたり、結果的には家族の在り方、そして一人一人の人間の生き方の提言だったのだと思う。 話を「モコミ」に戻す。最初はス

「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」"気"を感じる必要性を描くの?

世の中は、「風の時代」に入ったと、語る人が、結構多い現在である。そのバックボーンとしてはコロナ禍がある。日常は、私たちに操作できるもので無くなってしまった。そう、この状況を占い師たちは、的確には当てられなかったはず。そんな中、やはり、日常の生活の中で、花や動物に話しかけられたという人も結構な数いる。信じていいのか、どうなのか?色々な人がいるので気をつけて! このドラマの主人公、モコミは、機械部品の不良品の選別作業をしている。彼女は部品と語るように、傷があるものなどを選別して