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【ロシア留学記】食べて笑って膨らむ🐷なんでもスメタナつけるようになったらロシア人

いまからもう10年も前の2013年、当時高校1年の冬ごろ。「留学行ってみたいな」と思ってしまい、あれよあれよと勢いに乗って留学に行くことに決定。留学先はなんだか呼ばれた気がしたのでロシアにした!ロシアについて知ってることは世界一広い国土と寒いことなど、義務教育で習ったことだけで、ロシア語の挨拶さえも知らない。この【ロシア留学記】は、海外に憧れる普通の女子高生のロシア大冒険の記録である。

ロシア留学記 前書き

わたしはめちゃめちゃおデブポテンシャルが高い。(謎自慢)

甘いものも油っこいものも味が濃いものも大好き。アメリカに行ったときも周りが食事のオイリーさに苦しむなか、わたしは「むしろこのオイリーさが美味しいんじゃない!」と朝からカリカリベーコンをたくさん食べた。朝からカレーも全然食べれるタイプ。何も気にせず食べていいなら、永遠に食べていたい!

そんなわたしのホストファミリーは、類友なのか行いがよかったのか、食事が好きなおうちだった。ママは料理を趣味にしていたし、パパも料理ができる人だったので、家で出てくるどんな料理も美味しかった🤝🏻。食材のこだわりも強くて、売店で売っている食パンさえも、「どれがいちばん美味しそうか」を精査していて、わたしと弟がおつかいに行って買ってきたパンを見て「このチョイスはまだまだだな」と言われたことも何度か。(笑)
そんな家族と過ごせたおかげで、ロシア最高峰な食材・食事を食べることができ、わたしの胃袋は完全にロシアに掌握されることとなった。

パンはこんな感じで無防備にゴロゴロ置かれているので好きなものを選べる


主食知らないレベルだったのに味覚大順応

(多くない海外経験でも)食事に困ったことはなかったので、海外に行っていちばん合う合わないがあって、帰国欲爆発のトリガーになるであろう食事の要素を全く心配していなかった。まだわたしの知らない、日本未上陸の、おしゃれ美味しい食べ物がたくさん待っているに違いない。ロシア料理ってどんなのだろう?そもそも主食ってなんなんだろう?

ロシア料理のうち、どんなものかなんとなく知っているのはピロシキだけで、ボルシチは名前しか知らないレベルだったわたしも、ロシアに10ヶ月滞在してどんどん味覚はロシアに順応していった。どんな感覚(?)よりもロシア人に一番近くなったのは味覚だと思う。日本人のソウルフードといえば、わたしはおにぎりとお味噌汁だと確信しているが、ならばロシア人のソウルフードは、ピロシキとボルシチだろう。

ピロシキでロシア家庭のトップシークレットに迫る!

ピロシキ(正確には1つならピロジョーク、複数ならばピロシキ)をひとことで説明するなら、具入りの揚げパン。ごくごくたまに日本のパン屋さんに売られているのをみて、グッと懐かしくなる。

ある平日の夕方、ホームステイ先の隣に住むおばちゃんがやってきた。いまでも謎だが、家の間の柵にはお互いの家に行き来ができるように(?)扉がついていて、何かあれば(なくても)おばちゃんは家にやってきた。 いつものように、ママとおばちゃん+ロシア語まだまだなわたしで話していると、「そいえば今度の休みにピロシキ作らない?」というはなしになった。ロシア語はあんまりわからなくても、聞いたことのある食べ物の単語は認識できたので、”ピロシキ”という言葉にわたしのアンテナはすぐ反応した。「ピロシキ?いいねえ。じゃあ今度作ろうか。この日本人のお嬢ちゃんはピロシキ食べたことあるのかねえ?」「いいえ!ピロシキ!!食べたいです!」
そしてピロシキ作戦は開始された。

金曜日、夕食を済ますとママはピロシキ用の生地を作ってこね始めた。パン同様にピロシキの生地も発酵させるらしい。次の日の朝になると、おばちゃんが気合いいっぱいにやってきた。「お?生地できてきてる?具はどうしようか」とママと2人で話し合い、具が決定された。ピロシキの大きさや具は家庭やお店ごとに異なり、ここにアイデンティティが出るようだ。大きさや具からどんな家庭のピロシキがわかっちゃうのでは…?これは各家庭のトップシークレットに違いない。 わたしと弟は具詰め係に任命され、2人で黙々とピロシキに具を詰めていった。

それをママとおばちゃんがひたすら揚げていく。全て揚げ終えた頃には、お皿の上にピロシキタワーができていた。これをおばちゃんと分け合って、ピロシキ作戦は終了した。トップシークレットかもしれないので、ここだけの秘密にお伝えすると、 ホストファミリーの家のピロシキは小ぶりで、具は玉ねぎの炒め物といちごのジャムの2種類だ。揚げたては、外はカリっと、中はふわっと、そして具は味がしっかりついていて熱々。スーパー美味しいっっ!お腹いっぱいでも、あと1個は食べれそうなハンディさと味付けのせいで、手が止まらずに10個は食べた。

学食でも売られていたし、お店でも何度か食べたけれど、お家のピロシキが一番美味しかった。次にロシアに行く時は食べ比べ歩きがしたい。

ボルシチとロシア冷蔵庫の秘密兵器

ボルシチといえばあの赤色、疑いもなくトマト味だと思いきや、実は、トマトの赤色じゃないんです😳ボルシチはビーツ(和名は火焔菜)、お肉、キャベツ、じゃがいも、ちょっとのトマトなどが入ったスープで、赤色はビーツの赤色。ロシアの食事はスープ+パン(食パン)が一般的で、なかでも一番食べたのはボルシチだった。ほどよい酸味に、野菜とお肉の美味しさが相待っている。そして、ここにスメタナをトッピングするのが本場ロシア流。なくても美味しいけど、スメタナがまろやかにしてくれて、さらに美味しい。

しれっと書いてしまったが、このスメタナをぜひぜひ紹介したい。スメタナは絶対に冷蔵庫にあるロシアの最強調味料。サワークリームと訳されるが、厳密には乳脂肪分が違い、サワークリームよりもマイルドらしい。

おうちはいつもこの子がいた。端を切って絞り出すスタイル。

前記の通りボルシチにかけたり、ペリメニ(ロシア版水餃子)にかけたり、ブリヌイ(クレープの皮のようなもの)にかけたり…とにかく何にでもかける。見た目があまりに高カロリーそうだし重そうなので、初めはかけるのを躊躇するが、かけると意外と重たくなく、確かに何にでも合うので、よくかけるようになった。ロシア順応度に比例して、スメタナの摂取量も増えていく説をここで提唱したい。

ロシア人が何にでもサワークリームを入れる5つの理由

ロシア料理はなんだかわたしに大ヒットし、ママが作ってくれる料理を毎日全力で楽しんだ。半年が経った頃、「そいえばそろそろ体重計乗ってみたら?」と言われ、留学生恒例の体重測定式をホストファミリーに見守られて行った。基本野菜たっぷりスープですし、期待にお応えできるかどうか…と思い乗ると、なんと、8kgも増えて自己ベストを更新してしまい、以降帰国まで、パンの量を気持ち減らしてみたり、散歩に行く回数を増やしてみたりしたのだが、帰国時には無事15kg近く増量した。

海外に行くとついここでしか食べられない経験をとって食べてしまう。 太って帰るのも、留学した感満点だから、いっか😉
「ルンシカは美味しそうに食べるねえ」とママが感心してくれて、はじめて自分の感情が顔に出てしまう部分をありがたく思った。

おいしそう

美味しいは世界共通!
書いていたらロシア料理食べたくなってきた。


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