【資本主義の盛衰】

 資本主義は公正な競争ではありません。
 資本主義では、資本を持つ資本家が、資本を持たない労働者から搾取しています。
 資本家は競争に勝つとますます儲かり、負けると落ちぶれる。
労働者は働いても働いても貧乏。
 1人が成功すれば、99人が落ちぶれる仕組みになっています。
 資本主義は次の諸段階を経て発展しました。

<資本の原始的蓄積>
 作物を栽培していた独立自営農民の農地の周りを、商業資本家が囲い込んで羊の牧場にし、羊毛工業の原料にしました。邪魔な農民を放火したり殺したりしました。農地を失った農民は労働者階級になったり、新大陸に移住したりしました。

<重商主義>
 国王が農民からの年貢の増収を諦め、資本家階級を富国強兵政策で育て、官僚制と常備軍で絶対王政を確立し、保護貿易や戦争で外貨を獲得しようとしました。

<自由主義>
 産業革命で農業国から工業国になり、市民階級=資本家階級=町人が市民革命(清教徒革命・名誉革命・フランス革命・1848年2月革命・1848年3月革命・アメリカ独立戦争・自由民権運動・辛亥革命・1917年2月革命など)で国家権力を獲得して、立憲王政や共和制を実現し、自由競争や自由貿易を繰り広げ、政治的には民主主義を主張しました。

<帝国主義=国家独占資本主義>
 自由競争の結果、好景気と不況・恐慌を繰り返し、弱い企業はつぶされ、その顧客を強い企業が奪って、独占が進みました。自由競争は決着がつき、金融資本が勝ち組となり、多くの企業はその下請けと化しました。国内の資源や労働者や消費者は不足し、植民地を奪い合って世界大戦を繰り返しました。
 資本主義の目的は、良い商品を世の中に広める事ではなく、儲け続ける事であり、それには使用価値が低くて交換価値が高い商品を売ります。つまりごみを baka に売るのです。現代の資本主義で生産している商品の量は、世界の労働者階級が消費する分をとっくに超えており、流行の商品や需要をわざわざ創出したり、そして何よりも世界最大の資本主義国のアメリカでは主要産業が軍事産業であり、戦争を創出しては、軍需品を消費しています。中国やロシアもまねしています。又、某国では細菌を開発してワクチンで儲けているようです。

<グローバル資本主義>
 多国籍企業が勝ち組となり、多国籍企業にとっては国境や関税が邪魔になり始めました。貧富の格差は世界規模になりました。非正規雇用や失業が増大し、労働者=消費者は貧乏で商品が買えず、独占資本は商品が売れず、資本主義の矛盾は露呈し、破綻に向かうでしょう。

カール・マルクス『経済学批判』
        『経済学・哲学草稿』
        『共産主義者宣言』
        『賃労働と資本』
        『資本論』
フリードリッヒ・エンゲルス『空想から科学へ』
ウラジミール・レーニン『帝国主義論』
ローザ・ルクセンブルク『経済学入門』
宇野弘蔵『経済原論』
岡崎次郎『経済原論』

 
 

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