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東京で出会った忘れたくない人達 学生時代編

遊ぶように稼ぐ人with柿の種

大学生なのか社会人なのかわからない年齢不詳のお兄さんがいた。
飲みに行く機会があったので聞いてみると20代後半だと判明しおったまげ。その人は童顔で若く見えるなどではなく、生き生きしすぎてとても若く見えていた。
普段は何をしているのかと聞くと、ワイヤーを使ってモノを作り販売しているらしい(おぼろげな記憶)。そんな働き方があるのかと興奮した私は一気にそのお兄さんのファンになり、観察し始めた。
お兄さんの特徴は顔面等級、コミュニケーション能力、タスク管理能力がとても高いことだった。そして時折、他人をおもちゃにする。
1年ほど経つと大きい仕事が決まったらしく辞めていった。
辞める直前に飲みに行ったとき、お兄さんは恋人さんと別れてすぐだったらしく、こちらが黙り込んでしまうほどの作り笑いを浮かべていた。それを話すまではいつものお兄さんだったのに。恋人が去り、大きい仕事を手にするなんてとても人生らしいなあと思いながらサワーを飲んだ。
生き方について考えるとき、いつもあのお兄さんを思い出す。
遊ぶように働き、自分のことは多く語らない人生。かっこいい。
いつも柿の種を食べていた。私も柿の種を食べたらあんな風になれるかな。

フルタイム+バイトおば様

フルタイム後、2~3時間バイトをするおば様がいた。そんなおば様を通じて知ったのは動き続けることが当たり前の人がいるということ。
休日はゆっくりするという私の中の当たり前が当たり前ではない人。
そしてそれは見た目と比例するわけではないということ。
見た目も口調もおっとり系、でも業務中は体育会系。なんだそのスイッチかっこいい~~と思いながら見ていたらファンになっていた。
今は何をして時間をつぶしているんだろう。

顔がオシャレなお姉さん

ベリーショート金髪お姉さんがいた。
見た目からして結構好きなのに話すともっと好きにさせられた。
服が好きらしく、見かけるたびに系統の異なる格好をしていた。顔がオシャレなので何を着ても様になっていた。
3~4人の女子会をしたときは年上との接し方を学び、2人で遊んだときは他者との関わり方を学んだ。とにかく学ぶことが多いお姉さんだった。
そんなお姉さんにも悩みっぽいことはあり、聞いてみると一般的な感覚と自分の感覚がズレていてやりにくい、というような話だった。
確かにエピソードを聞けば聞くほどなんで?と思うがそれはお姉さんも同じで異なる意見を言い合い、聞きあうのはとても面白かった。
一番盛り上がったのは恋愛に関する価値観の違いと他者との交流の仕方だった。私とお姉さんとの会話として自分の中に刻んでおきたいので誰にも話さないつもりでいる。お姉さんの連絡先は必ず死守する。

将来魔女候補お姉さん

将来、魔女候補に選ばれそうな年齢不詳お姉さんがいた。
大きめパーツがついた爪、腰まである派手色ゆる巻きロング、何を考えているのかわからない表情、一目でファンになった。
働きたくないという理由で内定を蹴ったという私のような凡人には理解できないことをしているお姉さんだった。
どうにか距離を縮められないかと考えていた時、お姉さんと仲の良い気さくなお兄さんと知り合った。これはチャンスだと思いお姉さん含めた数名での飲み会をセッティングしてもらえたものの、お姉さんが隣に座ったことで緊張してしまい人見知りを大大大発揮してしまった。
私が辞める頃にはだいぶ話せるようになり、お姉さんの面倒見の良いところに甘えてよく人間関係の不満を相談していた。
お世話になったお礼にお姉さんの好物らしいマヨネーズをそっと鞄に入れておくと、いつも丸々一本持ち歩いてるわけなかろうと言われ驚いた私に驚いていた。

ピアスが似合うテキパキお姉さん

なんでここで働いているんだろうと思うくらい家が遠いお姉さんがいた。
優しくてかわいくて働き者で大人なお姉さんは背中で語るタイプで、お姉さんの動きを見て仕事との向き合い方を学んだ。私が最後の出勤日にお礼としてちょっといいポテチをプレゼントしたらいつも使っていたボールペンをくれた。今も机の引き出しにしまってある。
しばらくしてお姉さんも退職し喫茶店を開いたらしい。遊びに行くと変わらない姿のお姉さんがいて、相変わらずピアスが似合っていた。

感覚

忘れられないだろうと思っていた人はいつの間にか思い出になって引き出しの中にいて、忘れたくない人はずっと机の上に出しっぱなしな感覚。
片づけられない、片づけたくない存在はいますか?




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