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半年。全力で片思い。②


⚽️くんへの片思い①、
思っていたよりも
たくさんの人に読んでいただけて
とても嬉しいです、ありがとうございます🥹

今回は片思いの②です。

とうとう⚽️くんの家に
足を踏み入れるところから。

よし。それでは。💨



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⚽️くんの家はとても洗練されていた。

「ちょうど今日暇だったから、部屋片付けたんだ!片付けておいて良かった〜」と彼は呟いた。

これだけ聞くとヤリモクっぽい発言。笑
確かにちょっとほんとか???と思ったけど
このときの私はすんなり信じた。😌


重厚感のある、いかにも
今時の若めサラリーマンが住んでそうな
扉の向こうで、一人暮らしをするには
少し広めの良い部屋で彼は生活していた。

公園で散々話をしたときには、
完全に心を開けるような友だちは
大学にはいないようなことを言っていたが、
部屋が広いので
よく宅飲みに使われると言っていた。

宅飲みで彼の家に私より先に来た女の子たちが羨ましい、と思ってしまっていたから、このときから既に心は持っていかれていた。

確かに広いし、物が少ないし
隅々まで掃除が行き届いている印象。



普通サイズのテーブルの前に横並びに座った私たちは、ほろよいの缶チューハイを飲んだ。

彼は三口くらい飲んで、すぐに顔を真っ赤にしていた。可愛かった。笑

私はたぶんお酒に強く、顔の色も何も変わらないのでつまらなかっただろうか。シラフ同様、彼のおかげで楽しく会話を続けた。

酔い始めた彼は、
ふいに明日の話を私に投げかけた。

「明日、仕事だよね?送ってくよ」

「そう、10時からだから
7時30分頃にはここ出たいかな。
え、送ってくれるの??」

「もちろん。」

そう言って彼は
大阪に1人旅行に行ったときの
動物園の写真を公園で私に見せたとき以来
ポケットから出していなかったスマホを取り出して
慣れた手つきで近くのレンタカーを予約してくれた。

車持っている人のほうがなんとなくかっこよく見えてしまっていたけど、なるほどこうやってレンタカーを使いこなしてる人もいるのか、駐車場にも困らないし、必要なときに車使えて便利やなあ、今度から車持っていないけど必要に応じてはレンタカー借りる人も良しとしよう、、、、と訳の分からないひとり言を心の中で私は呟いていた。


彼は1缶を飲み干したが、
飲むスピードが亀さんの私は
まだ半分以上残っていた。🐢

そのことで彼にからかわれるのも、心地よかった。

それでもさすがに飲むのが遅いし
日付が変わりそうだということで
彼から缶チューハイを取り上げられた私は
彼に言われるがまま、
彼がいつも寝ているベッドに寝転んだ。

歩き疲れた。
車持ちの田舎者は普段歩かないのだ、
普段歩かないから疲れるのに、散歩が好きなのだ。


彼はパジャマに着替えていた。
彼のパジャマは面白かった。

柄が、とか色が、とかじゃなく
ピチピチでもなくダボダボでもない黒無地のTシャツに、太ももの真ん中くらいまでの長さの黒の短パン。どちらもスポーツウェアっぽい素材だった。

彼は、そのセットを数着持っていた。ふと洗濯物が掛けてあるところに目をやると、同じようなTシャツと短パンが綺麗に掛けてあった。笑った。こんな人に出逢ったことがなくて、面白かった。

そして彼はダボダボのネイビーのTシャツにヒョウ柄のスカートでそのまま寝ようとしている私に同じ格好を勧めてきた。😂

ムチムチがバレてしまう!!!!と大焦りをした私は必死に拒んだ。彼も結構負けなかったが、とことん拒んだので私の勝利。彼は諦めた。



寝るので、歯磨きをしに一緒に洗面台に向かった。

洗面台の下から、歯ブラシの束を取り出した彼。

「頻繁に歯ブラシ変えるから
まとめて買ってあるんだよね〜」

あ、また怪しいぞ、と思ったけど。
よく宅飲みに使われるって言ってたし
細やかな気遣いができる彼のことだから
言葉通りだったとしても、そうでなくても
信じた。信じたかった。ちょろい。

彼の歯磨き粉は、シルバーのNONIOだった。
私と同じ。同じだと、彼にも伝えた。

私が歯磨きをしているところを
鏡越しにじっと見てくる彼がかっこよかった。

愛おしく見てくれていたのだと信じてる。

でも、鏡越しに見つめ合うと照れ臭くて、
なにー!と言って笑って誤魔化すしかなかった。

私も愛おしかった。



歯磨きを終えた彼が先に洗面台から離れた。

洗面台のすぐ後ろがお風呂場で
扉が少し開いていたので中が見えた。

シャンプー、トリートメント共に
YOLUだった。私と同じ。
このことは、彼には伝えなかった。
彼が側にいなかったから。
言うタイミングがなかった。
次に会ったときに言おうと思って、
結局伝えられずじまい。

もし、彼にこのことを伝えていたら
私のように運命だ!と思って
会ってくれていたかな。

ちなみに、お風呂場を使わない間は
お風呂場を少しでも乾燥させるために
扉を開けておくのも同じ。

このときはただ、一緒だ!嬉しい!としか
思っていなかったけど、このふいの"お揃い"が
この日以降の私を支えてくれることになる。


歯磨きを終えた私は、
彼のいるベッドのほうに向かった。

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