のこりの　あぶらは　わるもの　　　Nokorino Aburawa Warumono

のこりの　あぶらは　わるもの　　　Nokorino Aburawa Warumono
 
　夏が終わりそうもない９月が始まった。現在の時刻は夜が明けて朝の徘徊者が健康アピールを始め出した五時二十八分、テレビではアニメのアンパンマンが終わった瞬間だった、そして五時三十分、テレビは次のウルトラマンが始まり出した、カッコいいオープニング曲に視線も奪われる。
　日曜日の朝は夜明け前から起きているのに時間が足りないと思うのは、日曜日だけ別の時間のスピードじゃなかろうか、六十進法じゃなくて、五十進法ぐらいかな、時間が無い、勿体ない、退屈に使いたくない、暇は嫌だけど無理に暇を無くすのは大嫌いだから、ちゃんと考える、ちゃんと考え無いと言葉なんてどうでもよくなる、だけど言葉は消耗品だ、簡単に使えて簡単に出せる食材だから、食べて貰いたいけど、鮮度も重要で生産者も重要で、その簡単に使える言葉だからこそ料理しなきゃいけない。夏が終わるとは何だろうか、あの不快な暑さは太陽が料理に使った油の仕業か、この使い過ぎた油はまだ処理しきれない９月。