消耗させるまで生きる世界

難しい事は知らないが
世の中は消耗する事で
何かを得ている
難しい事は知らないし分からない

昨日見た花火の一瞬を止めたくて
写真を撮りに撮った
沢山撮ったけど
満足する一瞬は一枚あるかないか

あったとしても100％の物ではない
この気持ちは自分だけでは無いと思っている
花火を綺麗に形にして
誰かに見せてあげたい

同じ花火を見た気持ちを
同じ様に同じ気持ちに
わーっとなりたい
一瞬の花火はその気持ちを

もて遊ぶかのように
次はこうだ次はこうだよ
次は大きいのだと
気持ちをゆらしてくれる

この気持ちの消耗が
消耗されているのに
消耗されても　なおもどんどんと
消耗を超えた気持ちが勝る

難しい事は知らないし分からない
気持ちが気持ちを消耗するのは
とてもいい消耗だと思う
だから気持ちが消耗するまでは生きる

花火は何度も打ちあがる
どんな花火が打ちあがるかは
花火師でも分からない
そんな分からない世界で

みんなが綺麗だと思う花火を作ろうと
花火師は試行錯誤する
本気の遊びが花火だ
その本気の花火は

本気の場所で試される
火をつけろ
生きるのは火が必要だ
消耗する炎かも知れない

消えそうな小さな火なら
ロウソクにそっと灯そう
その小さな火を　どう消耗するかは
それは自由だ

だれも　その火を責める事は出来ない
ただ暖かい火が世界中に打ちあがる事を願う
誰も焼かれない　火を暖かい綺麗だと
想う世界中の地球で

大きな綺麗な花火が見て見たい