見出し画像

よなかに ひかる かみぶくろ  Yonaka + ni + Hikaru + Kamibukuro

よなかに ひかる かみぶくろ  Yonaka + ni + Hikaru + Kamibukuro
 
 紙袋は、知らない内にたまっていたが、使い道があるようでない。デザインがシンプルで、使えそうな紙袋も、高級な感じて、ここぞという時に使えそうな紙袋も、意外とみんな仲良く集まっては、それぞれの個性を変える事無く暮らしている。なんて素敵な世界なんだろう。こんな世界がある事に気がつかなくて、紙袋は、どんどん溜まってきて、どんどんあふれ出してきた。もうとっくに世界の人口を紙袋は超えてきているはずだ。その事に誰も気がつかなくて、またどこかで紙袋を手にして、家まで持って帰り、そして綺麗に畳んでは、綺麗に存在を忘れてしまう。誰も忘れても悲しくないし、誰も傷つかない。ただ忘れてるだけ。
紙袋達は、とても平和な日々を過ごしていた。その平和を乱す人間が、いつか出て来る事は分かっていたけど、それは、突然やってくる。紙袋達は生まれつき紙袋で生まれつき個性的で、生まれつき個性を生かす生き方をしている。それは人間の為かもしれないけど、そうとも言えない世界が紙袋にはあると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?