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【海外ボランティア】活動報告/ケニアの医療状況について【3カ月のケニア医療インターンシップを終えて⑤】

またまたお久しぶりになってしまいました。
やっと、本題の活動報告です。
ケニアでの活動内容は、
病院実習8割+メディカルアウトリーチ2割(農村地域でヘルスチェック)

今回は、活動内容の紹介(病院実習)と、現地の医療現場で実感したケニアの医療状況についてお伝えしたいと思います。(かなりマニアックな内容も書いてしまいました笑)あくまで地方都市ナニユキの状況ですが、ご参考までに。次回は、メディカルアウトリーチについてお伝えする予定です!

ケニアの医療現場では、日本の常識では考えられないような驚くべき出来事の連続でしたが、医療スタッフの方々は皆さん親切で、教育にも仕事にも熱心な方々であったことは先にお伝えしたいです!

※病院関係なので写真が少なく、ほぼ文章になってしまいました…ごめんなさい💦
記録として細かい内容まで書いてしまいましたが、特に衝撃だったところは太字にしてあります🙇‍♀️

ケニアの医療体制

まず、ケニアの医療体制についての概要です。

保険制度

ケニアにも保険制度があり、「Public Insurance」「Private Insurance」に分けられます。
「Public Insurance」は日本の公的医療保険と同じく、国によって提供される保険制度です。誰でも月額約500円で加入することができ、医療費を全額負担してくれます。(適用範囲に制限あり、基本的な薬・治療に限る)
しかし、この「Public Insurance」にさえも加入できない、または加入しない人も多いのが現状です。

一方、「Private Insurance」は保険会社によるもので、かなり裕福な人のみ加入しており、一般的ではないそうです。高額な保険料を払えばより幅広い治療がカバーされるというのは、日本と共通だと思います。

ケニアの病院では、まず保険に入っているかどうか、を確認することが何より大事。国民皆保険制度がある日本で育った私にとっては、かなり驚きでした。保険に加入していない人は当然お金もありません。そのため、治療・検査ともに支払いできる範囲内に制限されてしまいます。実際に、保険未加入のために検査ができず、狭心症の経過観察中に心筋梗塞を発症し亡くなった患者さんもいました。

一方で、病院側も患者を見捨てる訳にはいきません。治療を受けた後に、治療費を支払うことができない方もいます。その場合、治療が終了したにも関わらず、治療費の支払いが完了するまで入院していなければなりません。どの病棟にも支払い待ち患者専用の部屋があり、その部屋では1つのベッドを3人で共有している場合もあります。
入院期間が長くなるほど、入院費用(滞在費、病院食代など)がかかりますが、病院側も経営しなければいけないため、無料で退院させるわけにはいかないのです。患者は、親族に頼ったり、教会に寄付をお願いすることでお金を集めるみたいですが、支払えない場合に最終的にどうするかは教えてもらえませんでした。

「医療」と「経営」。病院も会社と同じ、経営で成り立っていることを強く実感しました。同時に、お金のことを第一に心配することなく、医療を提供できる日本で働けることを幸せに感じました。(まだ働き始めていないので、正確には分かりませんが…)

病院の種類

病院は、「Public Hospital」「Church Hospital」「Private Hospital」の3種類。
設備の充実度と医療費の高さはもちろん相関しており、安い方から順に、「Public→Church→Private」になります。

「Public Hospital」は自治体と連携している病院ですが、自治体によって補助を受けているのではなく、病院利益の4分の1を自治体に寄付していて、自治体の財政源となっている病院。「Public Insurance」がカバーしている範囲の医療を提供しており、そのほかにも路上生活者への無料診療、エイズ・結核などの感染症専用外来などがあります。提供できる治療や設備には制限がありますが、診療科も多く、規模も大きめです。
「Church Hospital」は教会によって経営されている病院、
「Private Hospital」は個人経営の病院です。私は「Private Hospital」には行っていないので実態は分かりませんが、衛生面・サービス内容ともにハイクオリティで、外国人や富裕層を診療しているとのことでした。

ちなみに、私の病院実習は「Church Hospital(産婦人科病院)」で2週間、ナニユキ市内で一番大きな病院である「Public Hospital(総合病院)」で10週間でした。

病院職種

ケニアで「医師」というと、「medical officer」「clinical officer」の2種類があります。

「medical officer」は日本の医師と同様、6年間の大学教育を経てから働き始め、2年間の研修(日本の前期研修に相当)を終え、再度大学に行きながら自分の専門を取得します(日本の後期研修に相当)。専門を取るためには、自分で学費を払わなければならないため、専門を取らずに働いている医師も多いそうです。
一方で、「clinical officer」はサポート役の医師。大学は3~4年間で卒業することができますが、仕事内容は回診や外来のみ。手術などは行うことができません。
「medical officer」を雇うにはお金がかかるため、給料が低い「clinical officer」を雇い「medical officer」の雇用を最小限に抑えることで、人件費を削減しているそうです。ちなみに、医師や看護師などは自治体によって雇用されており、自治体から「Public Hospital」に派遣されていますが、不足分は病院が雇っているとのこと。

病院に勤務していると実感する、圧倒的な医師不足。一方で、医師も就職に苦労している。この矛盾を目の当たりし、ケニアの医療体制改善には、財政という国家規模で取り組む必要があることを実感しました。

病院の医療スタッフは主に、medical officer、clinical officer、看護師、栄養士、薬剤師。医師が不足している分、看護師の仕事の幅が広く、病棟全体を管理しているように感じました。日本では理学療法士も活躍していますが、ケニアでは病院全体に2~3人のみ。そのため、入院患者に対するリハビリはほぼありません。(一応病院を巡回しながら行っているそうですが、2か月間の実習中でリハビリを見たのは、ICU患者に対する1回のみでした)

Church Hospital(産婦人科病院)での実習

ナニユキ市内から少し外れた所にあり、病床数は約20床。お産と妊婦健診、乳児健診・予防接種などをメインに行っており、病院内には、病棟や手術室(1部屋)、分娩室、薬局、簡易的なラボ(血液検査分析等)、病院厨房、教会、スタッフ寮がありました。
(ケニアの病院には患者さんやスタッフのために、教会があります)

薬局

産婦人科病院特有の設備としては、新生児黄疸を治療するために光線治療器、エコー、胎児心拍数モニターがありました。病院食もあり、朝ごはん、ティー(ケニアでは10時くらいにミルクティー+食パン/チャパティなど、を食べるのが必須の習慣です)、お昼ご飯、夜ご飯が提供されていました。

妊婦健診では、母子手帳を参考にしながら、順調な妊婦さんは看護師による診察のみ、高血圧や流産などの既往がある場合は医師による問診、場合によって血液検査やエコーを行います。触診によって妊娠週数を決定し、トラウベ型聴診器を用いて胎児心拍を確認していました。私もやり方を教えてもらいましたが、医療の原点を学ぶことができ、楽しかったです。
10代の妊婦さんも多く、文化の違いを感じました。
(ケニアでは、政府によってファミリープラニングが推奨されていますが、まだすべての人々に浸透しているわけではありません)
また、流産の既往がある人も多くいることに少し驚きました。流産の原因は様々ありますが、多くの妊婦さんは原因検索がされておらず、5回の流産既往があるにも関わらず、初めてエコーを受ける妊婦さんもいました。

乳児健診は看護師さんが出生後2、4、6、10、14週間後に行っており、メインは体重チェック。加えて、ビタミンA投与(途上国では母乳中のビタミンAが不足しているため)や寄生虫薬投与、MRワクチンやポリオワクチンなどの予防接種を行います。予防接種のスケジュールも病院の手帳?冊子?によって管理されており、スケジュール通りに接種できていない場合には、病院から連絡しているそうです。予想よりも、母子保健がしっかりとサポートされている印象を受けました。

ワクチン管理表

以下、この病院実習の中で学んだこと、驚いたことリスト。
■病棟全般
・入院患者は、妊娠高血圧腎症、子癇が多い。
・通常分娩、誘発分娩、帝王切開をメインに実施。他には、子宮頚管無力症に対するマクドナルド手術や、乳腺炎に対する切開排膿など。
・母子ともに問題なく経過した場合、
 通常分娩:分娩後1日で退院。(日本では5日)
 帝王切開:術後3日で退院。(日本では7日)
・ベッド間にカーテンなし。プライバシー0。
・回診の開始時間がとっても適当。
・基本的にドアと窓は開けっぱなし→虫も鳥も来るもの拒まず→分娩室に鳥が飛んでる。

分娩室にやってきた鳥さん

・パソコンなし。全部紙カルテ。字が汚くて読めない…。
・看護師さんが、診察室で自分の髪の毛切ってた笑
・医師がYoutuber…フォロー強要笑

■手術(帝王切開)

手術中

清潔野に使用されるシート類、ガウンが全部布。かなりボロボロ。(日本では使い捨てのものを使用)手術後に洗濯→消毒液に浸す→自然乾燥→オートクレーブ。器具も同様。オートクレーブされているから大丈夫な気もするけど、血まみれのバケツの中で手洗いしているのを見ると、ちょっと恐ろしい…。

器具洗い場
水洗いの後は、消毒液を入れたバケツの中へ

・患者さんが入室してから、手術台が壊れていることに気づき、必死で応急処置、手術続行。
・術前の手洗い場が普通の蛇口のみ。手洗い後、どうやって水を止めているのか不明…。

手術室前の手洗い場

手術室での写真撮影OK。帝王切開中に記念写真を撮ってくれました…笑
患者さんのプライバシー…ごめんなさい。
執刀医のタイミングでいきなり手術スタート。
(日本では、サインインやタイムアウトなど、みんなで患者や手術についての情報を確認します)
・手術中は、執刀医の好きな音楽をかける。かなりアップテントのイケイケな曲をかけて、歌いながら手術していました。
・ガーゼ、器具の確認等はなく、いきなり手術終了。
・吸引が弱すぎて、床がビチョビチョになる。
・出生後、新生児の診察なし。心拍数を測っていないのに、カルテにはApgar scoreは記載されていました笑見た目大丈夫ならOK!
・出生後いきなり隣の部屋へ。ビタミンK注射、テトラサイクリン眼軟膏を投与後、3枚くらい服を重ね着。手袋、靴下、帽子も付けて完全防備したら、手術が終わるまでは、誰も見ていない状態で放置…。

■通常分娩
・分娩台がストレッチャーのようなベッドに、緑の防水シートをかけたのみ。
・同じ部屋に数台分娩台があるので、隣でお産している様子が違う妊婦さんから丸見え。

Public Hospital(総合病院)での実習

こちらはナニユキ市内で一番大きな総合病院ですが、診療科別に平屋の建物があり、建物間の通路は屋外にあります。そのため、敷地面積は大きいですが、規模感は日本の大学病院よりもかなり小さめの印象。建物入口のドアは常に開いているため、外との距離がとても近く感じます。日向ぼっこをしている患者さんもよく見かけました。

ケニアの病院では、男女の病棟が分かれているのが通常スタイル。日本のようにベッド間にカーテンがなく、ベッド間の距離も近い(約30cm)ため、プライバシーへの配慮だと思います。
診療科・病棟は、女性病棟では内科・外科・婦人科・整形外科疾患を、男性病棟では内科・外科・泌尿器科・整形外科疾患を治療していました。加えて、小児科、NICU(新生児集中治療室)、CCU(Critical Care Unit)、外来病棟、結核病棟(外来用)、HIV病棟(外来用)があり、病棟以外には、手術室(2部屋)、ラボ(検査解析)、レントゲン室(CT、MRIはすぐ隣にある私立病院で実施)、病院厨房、病院売店、栄養指導室(栄養士が駐在しており、栄養管理のアドバイスを行う)、リハビリ室、透析室がありました。

病棟では毎日回診が行われ、「clinical officer」と「medical officer」と医学生などのチームで行います。週に2回ほど「consultant」と呼ばれる専門医取得後の医師が参加し、みんなで回診を行うのですが、「consultant」が参加する時はスタッフ間に緊張した空気が流れていました。

病院食は、前述した「Church Hospital」と同様に、朝ごはん、ティー、お昼ご飯、夜ご飯で、1食は「白米+豆+野菜」が通常スタイル。ここはタンパク質として豆が付いていますが、ケニアの病院では白米と野菜のみの場合も多いみたいです。ちなみに、ケニアではティーが必須。スタッフ分もしっかりと用意してくれます。

カルテも、前述した「Church Hospital」同様にすべて紙の本。患者さん1人につき1冊カルテがあります。パソコンは導入したいけど、まだ進んでいないとのことでした。パソコンがないため、画像検査の結果はすべてフィルムでもらいます。フィルムの画像は見たことがなかったので興奮しましたが、パソコンより見にくくて大変でした笑

また、病院内は基本的にスワヒリ語。英語が使用されていると思っていたので、想定外でした。英語で医学を学ぶので専門用語は英語ですが、患者さんとの会話、スタッフ間の会話はスワヒリ語。医療スタッフは皆英語を話すことができるので、お願いすれば英語は話してくれるのですが、スワヒリ語が混ざることもしばしば。やはり、スワヒリ語の方が話しやすいみたいです。

実習では自分の好きな科を選択することができたので、自分は様々な科を1週間ずつ回りました。以下、各診療科での学びと驚いたことリストです。

小児科

・基本設備は、ベッド+酸素マスクのみ。呼吸器疾患、消化器疾患、術後などにより、部屋が分けられいてる。
・栄養失調、髄膜炎、呼吸器感染症、消化器感染症、外傷(火傷が多い)、脳性麻痺、HIV暴露が主な疾患。
➡日本の大学病院実習中には経験しなかった症例ばかりで、勉強になりました。母がHIV陽性の場合、母子感染を恐れてミルクをあげないので、栄養失調になるケースが多いみたいです。

・入院したら即ルート確保&ルートを頭や足など、色んなところに入れる&20回くらい挑戦する&注射時に手袋つけない。
➡肌が黒い&血管細いためアクセス困難。手にルートが入らない場合は、場所を問わず見えやすい血管を探します。子供は泣きわめきますが、隣の母は黙ってみている…日本だったら苦情です…。
・診断が割と適当笑
➡①熱+頭痛→髄膜炎(髄液検査なし)病院でできないのかも…
 ②熱+咳+SpO2やや低値?→重症肺炎
 ③熱+WBC値上昇→敗血症
・原因菌の同定ができないので、抗菌薬は全症例ガイドラインに通りに。ファーストラインからスタートし、無効な場合はセカンドラインへ。

NICU(新生児集中治療室)

・設備は、保育器、酸素マスク、光線治療器。集中管理室→急性期→安定期の3つの部屋と、母子共に過ごせるカンガルーケアルームがある。
・早産児管理、新生児仮死、新生児黄疸、栄養管理が主。
➡この病院で管理できるのは主に28週以降。22~28週の赤ちゃんはナイロビにある数少ない病院でしか管理することができません。実習中、24週の赤ちゃんにも出会いましたが、亡くなってしまいました。28週以降であっても救命率は高くないのが現状。多くの赤ちゃんが亡くなっていくのを目にしました。
・NICUでは栄養士が大活躍。毎日、医師と一緒に輸液とミルクの量を計算。

・早産児の保育器の中にアリがいる…。
・1つのベッドに3~4人寝ている。
・人工ミルクはコップで。
・輸液ポンプは1台のみ。あとは手動で調節。赤ちゃんの輸液量はごくわずかなので、手動で調節するのは大変そう…。
・病棟に医師がいない時がしばしば…。

女性病棟・男性病棟

・基本設備は、ベッド+酸素マスクのみ。
・1部屋に約6ベッド×約6部屋。ベッド間の距離が約30cmほどで、カーテンなし。
・一応疾患別に部屋が分かれているが、そうでないときも。
➡「感染症」という括りで結核患者とAIDS患者が一緒の部屋に…。確かに感染症だけど、一緒の部屋にしてはいけない…。
・疾患は、高血圧や糖尿病、髄膜炎、結核、腎不全、脳梗塞、DVT、喘息、婦人科疾患、整形外科疾患など。
➡日本の大学病院で多数を占める癌患者がいないことに驚きました。ケニアで癌治療ができるのはナイロビのみ。しかも、治療費が高額になるので、癌になったら治療できないケースがほとんど。まだまだ治らない病気です。
・結核がとても多いが、患者はマスクなし。医師はサージカルマスクのみ。
➡感染しないか心配でした…。
・HIV患者も多い。

・病棟で消毒液、手袋が足りない。
➡消毒液の容器は全て空、手袋の箱も空の時があり、わずかな消毒液+手袋使いまわし/着用なしで対応するしかない時がありました…💦HIV患者が多数いる病棟で、手袋を付けずに対応するのはかなり恐怖です。
・医師が少ない。大きな病棟に医師1人のことも。
ある日、回診中に死戦期呼吸を呈する患者が2人も。しかし、病棟には研修中の「clinical officer」1人と私のみ。必死に他の医師を呼ぶようにお願いしましたが、誰も来ず…。蘇生は、心臓マッサージとバックバルブマスク、アドレナリンのみで、除細動器はなし。(ICUには置いてありましたが、誰も使い方が分からないため、病院では使用されていないそうです)応援に来てくれる看護師もおらず、蘇生もまともにできないまま1人は亡くなってしまい、1人は生命徴候は見られなくなってしまったのにも関わらず、パルスオキシメーターだけ動いているという謎の事態に…。装着式の簡易的なモデルだったので、患者が生きているのか、機械が壊れているのか、誰にも分からず。結局誰にも分からないまま蘇生は終了されてしまいました。
「死さえまともに判断することができない」その事実が衝撃でした。

救急

・ベット3台。患者が多い時は長椅子やストレッチャーの上で待機/処置。

救急科の治療室

・交通事故多数(特にバイク事故)
➡安い&免許も簡単なので、バイクタクシーを含めバイク利用が多いのですが、マナーが悪い人も多く事故も多発しています。
・感染症、アルコール中毒、異所性妊娠、骨折、痙攣、自殺未遂(中毒)などの症例を経験。
・災害対策チーム結成&訓練の計画を立てていました。徐々に進歩していく医療の現場とスタッフの熱意に嬉しくなりました!
・すでに亡くなっている人が家族の車でやってくる。死亡確認したら隅の部屋に移動し、待機…というか放置…。
ケニアと日本では命の重み?命に対する執着?が違うことを常々感じていました…。(もちろんケニアでも日本でも命の尊さは一緒ですが、医療現場における救命に対する熱量・限界値が違うということです。)
・休憩室で、清掃員が手作業でガーゼパッキング
➡️オートクレーブされた後、救急科で使われます。

ガーゼパッキング中

透析室

・透析室は、2017年に政府のプロジェクトによって全county(日本の県と同等規模)に設置された。それ以前は、ケニアに5施設ほど。
➡やはり一気に進めるなら政府の介入が不可欠!
・シャント手術はあまり行わない。
・カテーテル留置場所は、鎖骨下静脈→右心房が最多。他に、外頸静脈や大腿静脈。透析後はカテーテル周囲にフィルムを張り、テープで止めて帰宅。
・血液検査は月に1回。以前は毎回行っていたが、価格高騰により頻度減少…。患者の状態が良好であればOKとのこと…。

CCU (Critical Care Unit)

・ベッド6台、最近新しく建設された病棟。

CCU病棟

・支援によって提供された人工呼吸器、電気除細動器もあり、他病棟よりもかなり設備が充実していた。
➡しかし、使い方が分からなず、袋をかぶって大切に保管されている状態。「電気除細動器って意味あるの?」と質問されて衝撃を受けました…。この実習期間中に、電気除細動器を使用すべき患者を何人見たことか…。

CCUの備品

・中毒、高浸透圧症候群、産科 緊急子宮摘出後の術後管理などの症例を経験。
・口腔ケアは、「口腔ケアしてる?」の質問後に実施。そのため、普段やっているかは不明です笑
➡歯ブラシ等の使用はなく、イソジンをつけたガーゼを口に突っ込んで拭き拭き。
・理学療法チームがリハビリ実施。(実習中初めてのリハビリ見学!)
➡昨日まで意識が朦朧としていた患者(血圧200くらい)に対し、関節をぐりぐり動かし、一気に座位から立位、足踏みまで、バイタルチェックなく進んでいくのでかなりビビッて見ていましたが、とりあえず大丈夫でした💦
学生&専門外なので口出せないけど、見ているの怖かった~

手術室

・手術室は2部屋。(大1小1)
・清潔野に使うシートやガウンはすべて布。洗濯→外干し→オートクレーブの流れ。やはりオートクレーブ頼り…。
・サインイン、タイムアウトは実施。
・術者は、手術着にビニールエプロン、長靴、ガウン、帽子、マスク装着。
・気管挿管、CVは可能。(重症例のみで使用頻度はわずか)
・槍で刺されたマサイ族が運ばれてきた…。
➡胃、肺に損傷あり。腹腔内洗浄、人工呼吸器で対応。結局亡くなってしまいました💦
・ドレナージチューブには、尿カテのチューブを利用。
・開放創を覆うフィルムの代わりに、尿カテのパックで覆い、周りにはガーゼ。
・麻酔が多少切れてても手術続行。
➡患者さんが痛がっているのに、そのまま続行されていて驚きました。
・帝王切開で生まれた新生児が、もう一方の手術室に置いてある保育器へ(その部屋では、違う患者の手術が続行中…)

自分が書いた文字数に驚いたので、そろそろこの辺で終わりにします笑
すでにご察しの通り、毎日驚きの連続&感染症が怖かったケニアでの病院実習でしたが、無事に終了し、すべてが大変貴重な経験になりました。

長ーい文章を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

次回は、メディカルアウトリーチについてお伝えします。
(多くのマサイ族の村に訪問し、道中ではラクダの散歩にも遭遇!?)

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