見出し画像

ランナーなら知っておきたいランニング方法まとめ!

ただ走るだけでは漫然とした練習となってしまう

これを読んでいる方はマラソンで完走したい方、sub4狙いたい方、sub3狙いたい方、人それぞれ目標があると思います。

しかし練習時間をしっかりとれて、満足に練習したい人ってそんなにいないんじゃないでしょうか。仕事が忙しい人、家事をしないといけない人、子育てをしている人。時間は限られた中で練習をしないといけない方ばかりなのではないでしょうか。その時間の中で効果的な練習をしたい市民ランナーに向けてトレーニングの方法と目的や効果をまとめました!


LSD(Long Slow Distance)

方法

LSDとはロング・スロー・ディスタンスという名の通り、長い時間ゆっくりとしたペースで走るトレーニングです。一般的にはジョグのペースで7分/km程度だと言われていますが、息が切れないでおしゃべりしながらでも走れるペースであればよいと思います(いわゆるEasyペース)。

時間はsub3くらいであれば4時間、sub4くらいであれば3時間、ビギナーの方では2時間を目標にすると良いと言われています。

ただゆっくり走るのではなく、自分のフォームを意識して修正するように心がけると良いと思います。長い時間走るので、ただ走るだけでは疲れた時に自然と体が前傾姿勢になって首が前に出て行ったりしがちなので注意したいところです。

目的・効果

・長く走ることで筋肉に毛細血管が作られます。それによって筋肉に取り込まれる酸素の量が増えることでエネルギー効率の良い筋肉を作ります。

・心臓の筋肉にも足の筋肉と同様に毛細血管が作られることが分かっていて、それによって心臓の筋肉を強くすることが来ます。その結果、心臓から1回の血液の拍出量が増えるので、同じ速さで走っていても心拍数が下がっていく効果があります。心臓の心拍数が下がるということは心臓への負担が減るということでもあります。

その他

LSDはビギナーからエリートランナーまで幅広くの方が行っているトレーニングです。連日強度の高い練習は積んでいくのは市民ランナーでは難しいので、LSDとまではいかなくてもゆっくりとしたジョグを挟んで体力の回復を待つ、という使い方をすることもありだと思います。

LSDのメリットと言えば、ビギナーでも怪我のリスクが少なく取り組みやすいことも挙げられます。しかしLSDのデメリットとしては時間がかかることやスピードアップは期待できないことでしょう。

長く走ることを目的にしている方やダイエット目的という方はLSDやジョグでだけでも良いですが、マラソンのタイムを上げたい方は以下に挙げるスピードトレーニングも併用すると良いでしょう。

インターバルトレーニング

方法

インターバルトレーニングは早いペースのランニングとレスト(ジョギングまたは歩く)を挟みながら繰り返すトレーニングです。

距離によってショートインターバル、ミドルインターバル、ロングインターバルなどと分けられます。

心拍数の目安は最大心拍数の80%以上または85%以上が必要だという見解が多いです。

最大心拍数=220-(年齢)で考えると、30歳での最大心拍数の80%は152bpm。これが最低ラインですが、できるだけ追い込んでいくことが望ましいでしょう。

セット数に関しては実のところ指導者やランナーの経験に頼るところが大きく、はっきりとした根拠が見つからないのが現状です。

3~5セットというものから、フルマラソンを目指すのであれば10㎞程度(500mのミドルインターバルであれば20セット)というものもあって差が大きいですね。

目的・効果

最大酸素摂取量(VO₂max)の向上やそれに伴う無酸素性代謝閾値(AT)の向上が見込めます。

・しっかりと追い込めば無酸素運動にもなり、筋力アップやスピードアップも見込めます。

・呼吸筋における酸素消費量を低下させることで同一の運動負荷での換気量低下をさせます(息切れがしにくくなります)。


その他

インターバルトレーニングの最大のメリットは効率的に鍛えられることだと思います。短時間で最大酸素摂取量VO₂max向上やスピードアップ、それに伴う無酸素性代謝閾値(AT)の向上も狙えます。

インターバルトレーニングの有効性はいろいろな論文からも検証されています。これに関しては多くの文献があるので別のところで紹介したいと思います。

有効なトレーニングであるものの、負荷量が強く毎日のように取り組める練習ではありません。週に1回でも効果があるとする文献もあります。またビギナーでは激しい練習に耐えられるほどの筋力が備わっていない方も多いのである程度走ることができる方が対象となるでしょう。


ペース走

方法

決めたペースで決めた距離を走ることを言います。

僕がよくやる方法としては

・マラソン本番で狙いたいペースで走って目標と自分の実力の差を知る

・マラソン本番に走るペースを体に染み込ませる

・自分のきついと思うペース(目安maxHR80%程度以上)で20分~30分程度行うことで高い運動負荷をかける


目的

目的というのは方法によって若干異なってきますが、

・マラソン本番で狙いたいペースで走る場合には、やはり自分の実力を測ることや本番前のテーパリングで調整といった目的になるでしょう。

・自分のきついと思うペースで走る場合にはスピードアップや最大酸素摂取量・無酸素性代謝閾値の向上も見込めます。

その他

ランニングというと同じペースで走るペース走のイメージがありますね。これを行っているランナーの方も多いのでしょうか。一定の距離を決めて走るので自分の実力を測るのには適していると思います。スピードを速めで走る場合にはジョグよりは負荷量が多く、練習効果も高いです。

僕の場合には自分の実力を測る目的を兼ねて7㎞全力走を行っています。30分もかからず高負荷の練習+実力の確認ができるのでモチベーション保つのにいいですよ。

しかし、スピードを挙げたければどちらかというとインターバルトレーニングで短距離を全力で反復するほうが効果が高いという報告が多い印象ですね。やはりマラソンであってもスピードが必要なのでスピードトレーニングは別で取り入れたほうがいいでしょう。


ビルドアップ走

方法

最初は軽いペース~マラソン本番で狙うペースで走り、最後でスピードを上げていくトレーニングです。長距離を走るときに使います。例えばマラソンでsub3.5を狙う方であれば、最初は5分/km程度のペースで走っておいて最後は4分30秒/km程度までペースを上げて走る、といった具合です。

イメージとしては「ペース走+最後の追い込み」といった練習です。初めてボルドアップ走を行うときには最後の1㎞のみペースを上げおき、それができるようになったら最後の2㎞ペースアップ、といった感じで徐々にペースアップする地点を手間にもっていきます。

目的

後半失速しない持久力を養うことが目的です。最後の追い込みを行うことでスピードアップや最大酸素摂取量・無酸素性代謝閾値の向上も見込めます。

その他

うまくこなせれば効果が高くマラソン本番に近い練習ができます。

それだけ負荷量も強く難しいトレーニングなので上級者向けのトレーニングだと思います。

例えば30㎞でビルドアップ走をするとして、ぎりぎりのペースで30㎞走ったら最後ビルドアップすることは難しいですし、かといって最後ビルドアップすることを考えたうえでペースにゆとりを持たせるぐらにならば30㎞手前で力尽きてもいいからある程度ペースを上げて取り組んだほうが効果的だと思います。

それならば目指したいペースで何km走れるのか?ということを試して、次は同じペースでもう少し長い距離を走れるに目標設定をするか、長い距離を走り切れるようにしたほうが目標がはっきりして取り組みやすいですね。

一流の選手は30㎞からビルドアップして45㎞ぐらい走る練習するということはよく聞きますが、ある程度持久力に自信があるランナーでないとビルドアップする前に失速してしまうので練習効果は得られにくいでしょう。

フルマラソンを走り切ることに不安がある市民ランナーであればビルドアップ走よりもペース走やLSDなどで距離を走れるようにすることやインターバルトレーニングでスピードアップを狙うほうが取り組みやすいと思います。


最後に

今回は僕なりに簡単にまとめました。しかし正直な話、練習方法は人それぞれですし、いろいろな練習プランをネットで探していても考え方も違えば方法も全く異なります。

しかし練習は距離や時間、スピードなどで負荷をかけないと能力は向上しないことは確実で、負荷の強い運動後には食事や休養といったケアが必要だというところは概ね一致している見解だと思います。

自分なりにカスタマイズして取り組んでいきましょう!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?