働く音楽家山元ほるん

指揮者ってどんな仕事?

クラシック音楽に興味を持ってくださった方に聞かれるのですが、

「指揮者って何してるの?本当に必要なの?」

その質問に答えていきたいと思います。

筆者プロフィール

山元ほるん
作曲家・ピアニスト・WEBコンサルタント
沖縄県出身
東京音大卒業後、渡伊。
2019年イタリア国立音楽院指揮専攻を首席で卒業し帰国。
帰国後は、働く音楽家の実現を目指しクラシック音楽に変革を求めてIT企業に就職。

作曲家ピアニストとしての活動をしており、コンサートイベント企画に定評がある。
文字と数字を用いた作曲法が特徴で、代表作「山之口貘の詩による7つの歌」「らっこの上着(銀河鉄道の夜より)」など文学作品から発想を得た作品のみならず、アド・リビトゥムを多用する新総合舞台芸術ダンスオペレッタを手がけている。

Twitter:https://twitter.com/horunyamamoto

答え

指揮者

「いらないのかもしれない」

実は、これに尽きます(笑)
異論は認めますが、なかなか説明のつかないミステリアスな部分が
多いのがオーケストラであり、指揮者なのです。

とあるリハーサルでの出来事

リハ風景

イタリアにいた頃、とあるプロオーケストラのリハーサルに招待され
見学に行ったことがあります。
その時の1場面。

指揮者「ここはしっかりと揃った音が欲しいからこっちを見ろ!」

クラリネット奏者「見たらわかんなくなるんだよ!!」

全員「...」

実はこれ、オーケストラあるあるなのです。

僕もヴァイオリンで13年ほどオーケストラに所属していたのですが、
「指揮を見たらわからなくなる指揮者」

「指揮を見なくてもわかる指揮者」
が存在します。

指揮者、誰も見てないんじゃないか説

そうなんです。
指揮者をいちいち見ないとタイミングを測れない奏者は
オーケストラに向いておらず、
いちいちタイミングを取らせようとする指揮者は
指揮に向いてないのです。

つまり、
見なくてもわかる指揮とは

意図をしっかりと伝えた上に成り立つもの

なのです。

指揮者の役割

そうなると気になるのが、「指揮者の役割」
オーケストラの中での指揮者の大きな役割は、

指揮者の表現したいように楽曲を仕上げるために
オーケストラに自分の意思・意図を伝え、
それを遂行してもらうために導くこと

これができれば極論コンサート本番に
指揮者はいてもいなくてもいいのです。

指揮者がいないといけない理由

オーケストラには指揮者を設けない団体も存在します。
そういうオーケストラはその団体の色が濃ゆく出ているイメージ。
対して、指揮者を毎回変えてコンサートを行うオーケストラは
毎回音色やテンポ、つまりは音楽全てが指揮者によって驚くべきほどに変化するのです。
なかなか機会はないですが、音楽大学の指揮専攻のレッスンを見ると
指揮者の違いでどれだけの変化があるということを実感できるはずです。

「指揮者がいないといけない理由」
オーケストラの楽器が絵を書く画材とした時に
その受け皿となり、客観的に色を作り上げる画家のような存在だと言えるでしょう。
色の使い方や、下書きに変化を与えるのは指揮者でしかできないことなのです。

まとめ

とは言っても、オーケストラを見ない指揮者も存在します。
指揮とは指揮者になっても尚わからないミステリアスな職業です。
醸し出す雰囲気、吐き出す呼吸、腕を振り上げる時の筋肉量など
全ての要因が音に影響するのです。
もしオーケストラの演奏を聴く機会がございましたら、
この記事のことを思い出して指揮を聴くコンサートを体感してもらいたいです。

最後にその指揮者をご紹介して結びとします。

ヘルベルト・フォン・カラヤン

名前を聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
彼の有名な動画。ほとんど目をつむったまま指揮をしています。


Twitter始めました
https://twitter.com/horunyamamoto


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