「決算書は必ず裏を読め!」の感想

★3

Kindle unlimitedで拝読。
決算書の堅苦しくも重要な内容が漫画で分かりやすく描かれていてよかった。
ライブドアや東芝、オリンパスのような粉飾決算をする企業は世の中に意外と多い。
決算書の内容を信じて読み、そこから優良な投資先を探す個人投資家にとってはたまったもんじゃない。
この本では、決算書をいくつかのポイントに注目して分析することで、企業の裏側を読み取ることができると主張したものだ。
内容は本格的で初心者だけじゃなく中級者にもお勧めできるかもしれない。

#以下メモ


起業が利益を捻出する際に用いるテクニック
・売上を大きく見せるため、本来来期分に乗せるべき売上も計上する
・減価償却・のれん償却期間が異常に短い・長い
・資産を大きく見せる(土地再評価差額金)
・負債を減らす(引当金をなるべく計上しない、引当金を取り崩す)
・利益の上がっている会社を安く買い連結対象とする

決算短信チェックポイント
・会計処理方法の変更はないか
・営業CFはコンスタントに伸びているか
・投資CFは営業CFの範囲内か
・営業CFは営業利益の60~120%に収まっているか
・ROAは伸びているか
→資産化していたらROA下がる
・売上、営業利益、経常利益はバランスよく伸びているか
・営業利益と営業CFの伸びのバランスは適当か
・来期の業績予想は合理的な数字か

経営成績および財政状態チェックポイント
・自社にとって都合の悪いことにも言及しているか
・増収増益を自慢していないか
・新規事業を計画しているか、しているとすれば既存事業のノウハウを活かせるか
・具体的な数字が載っているか

貸借対照表「資産の部」チェックポイント
・売掛金・受取手形の額が膨らんでいないか
・棚卸資産の額が膨らんでいないか
・繰延税金資産はどれだけあるか
・有形固定資産の額はいくらか、定額法か定率法か
・のれん代の額は大きくないか、償却期間は何年か
・繰延資産はあるか、あるとしたら何年か

貸借対照表「負債の部」チェックポイント
・引当金や前受収益などが少なすぎないか
・社債とくに転換社債を発行していないか

貸借対照表「純資産の部」チェックポイント
・利益剰余金は資本金・資本剰余金と比べて小さすぎないか
・純資産の部の大半を評価差額金が占めていないか
・新株予約権が大量に発行されていないか
・少数株主持分が過大ではないか

損益計算書
・営業利益は同業他社と比べて図抜けて高くないか
・特別利益・特別損失の額と項目数は多すぎないか
・法人税は40%前後になっているか

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