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神に嫉妬する天使たち

Contents エッセイ 暗黒の森 愛しい人 月の灯


こんにちは。
一ノ瀬 瑠奈 / イチノセ ルナです。
来てくれてありがとう。
気ままにエッセイを書いてます。
少しの間お付き合い頂ければ嬉しいです。


とある悩み果てた神さまの話をしてみたい。
神様といえば万能なような気がするが、何でもできる反面何もできない。
そんな不思議な存在を、人間は神様と呼んでいる。

この世界には神様がいる。
信じる人は少ないが、確かに存在する。
神様はこの地上を創造し、魂の修業の場として人間を宿らせた。

自分の化身を作った神様は、魂という核を人間に宿らせて修行させることにしたのだ。

欲の排除――。

人間を地上につくった神様は、とあることに気づいてしまう。
魂と違い、肉体を持つ人間は食べなければ生きていけないと言うことだ。
食べるためには狩りをして、農耕をして、いわゆる食欲は欠かすことはできなかった。

問題は他にもあった。
生身の人間は、生殖活動をしなければ種の保存ができないということだ。
たくさんの化身を修行の場に置くには、それと同じだけの肉体が必要になるためだ。
なので、性欲は欠かせなかった。

欲を排除するために創り出した世界に、欲を与えなければならないという矛盾が、のちに大きな問題を人間は引き起こすことになる。

金銭欲――。

十分な食欲と性欲を満たすために、金銭欲が生まれてしまった。
お金があれば十分な食欲や性欲を満たすことができる。
豪勢な食事と異性は、やがて権力の象徴となった。
権力の象徴として、優秀な遺伝子を後世に残すことができるからだ。

権力者は神、それ以外は従うもの。
平等に創ったはずの人間が勘違いを起こし、従属関係を作ってしまった。
宗教を作り、よき行いを広めているようだ。

神である私が地上に舞い降りたと勘違いしている人間は多いが、わたしが地上に降りることなどない。
優秀な化身である魂が、行っているに過ぎない。

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