観察日記(番外編2)おばあちゃん
この世に私がおばあちゃん、おじいちゃんと呼べる人はもう一人しかいません。
この人はもう九十過ぎだというのにハキハキと喋るので100まで生きている予想。おばあちゃんは鹿児島出身、しゃべるとイントネーションがうつってしまう。
なんか雰囲気はトトロにてでくるおばあちゃんに近い笑
いつも電話で、もう来年、あたしはいないかもと言っている。私もばあちゃんも末っ子だから、いつも色んな話をしてくれる。
「あたしは年だからと言って便利なものに慣れなくていいと思っていたけれど、あんたは年取ったときそんなことしなさんなって。」
そのあと、ファミリーマートの名前が出た時は腹を抱えて笑ってしまった。
「年を取ると口になじんだ言葉が出てくるね。標準語よりもかごんま弁をしゃべってしまうね。」
今の若者でも使わない鹿児島の方言が出てくるから流れで何となく想像して聞いている。YouTubeの鹿児島弁の桃太郎が教科書。はじめて聞いてわかったら奇跡。
去年、コロナが来ると誰が予測してたのかわからないけど
兄弟別々に、ばあちゃんのもとを訪れた。
ばあちゃんはレンタカーのナビよりナビだった。
「あぁこの道はねぇ、前までなかったんだよ。
今はここからの方が早いんだよ。鹿児島は私の庭だからね。」
足腰悪くなってから、あまり出かけてないと言ってたけど、ばあちゃんにかなう相手なんているんだろうか。
「あんた達、兄弟は名前で呼び合うけど人前で話す時のためにお姉ちゃん、お兄ちゃんと呼びなさい。」
私が兄弟の呼び名を変えたいのはこれが理由。ばあちゃんと約束できていない唯一のこと。
ばあちゃんは私が電話すると必ず兄弟全員の今の状況を聞いてくる。
だから、私は家族のばあちゃん専用連絡係。
電話すると私の元気をほとんど吸ってしまうばあちゃんだけど、そんなばあちゃんが私は大好き。
ばあちゃん、来年会いに行くからね。
読んでいただきありがとうございました。
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