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『少年時代』を聴くと…

暑くなってきました。
暑くなると聴きたくなる曲があります。
井上陽水の『少年時代』です。

この曲を聴くと、切ない気持ちになる人は
少なくないでしょうが、私もその一人です。

世代では無いけれど、
夏休みに祖父に会いに行く車内で
よく流れていたので、知っていました。

大好きな祖父に会った帰りに
この曲が流れると、小学生の私でも、
しんみりとしていたのを覚えています。

大人になって、この曲を聴くと、
祖父と過ごした夏休みを思い出します。

8月は私の誕生日。
祖父は、一緒にお祝いをしてくれて、
花火大会や、バーベキュー、川遊び…
一緒にいろんなことをしてくれました。

祖父は、
いつも、優しい目で私を見つめ、
頭を撫でてくれました。

大人になっても、
それは変わりませんでした。

そんな大好きな祖父の癌が進行し、
コロナ禍で妊娠中だった私は、
会いに行けずにいました。

私の誕生日、祖父は昏睡状態。
いつ亡くなってもおかしく無い
状態だったそうです。

妊娠中の私の気が動転しないように、
母はそれを黙っていることにしたそうです。


息子と旦那くんが先にお祭りに行って
私は後で合流することに。

一人でお祭りの会場に向かって
歩きながら、
井上陽水の『少年時代』を聴きました。
聴きながら、歩いていると、
花火が上がりました。

その瞬間に、祖父との夏の思い出が
走馬灯のように流れてきて、
涙が止まらなくなってしまいました。

あの時の花火は、
とても美しかったです。

祖父が

「泣かないでいいんだよ。
沢山思い出をつくったね」

と、言ってくれてるようでした。

次の日、祖父は静かに家族に見守られて
亡くなりました。

私の誕生日を悲しい日にしないために、
1日、一生懸命に生き抜いてくれた
のかもしれません。

おじいちゃんは、
最後の最後まで優しい人でした。

自分のことより、
祖母がひとりぼっちになることを
心配していました。

おじいちゃん、ずっとずっと大好きです。

私がおばあちゃんになって、
その時が来たら、
きっとあの優しい笑顔で
お迎えに来てくれるでしょう。

その時までおじいちゃんが繋いでくれた
この命、大事にします。



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