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Nikeエアズームテンポネクスト% 3ヶ月レビュー

前回の記事で「テンポネクスト%購入」と書きました。しばらくスピード練習やトラックレースで使ってみましたので感想をまとめてみようと思います。

その前に改めて説明しておきますと、私は左足が酷い外反母趾で、ヴェイパーフライなどの足細系シューズを履くと左足の拇指球がソールからはみ出てしまい、走行中に痛みが発生します。以下、このシューズについて書くことはかなりポジティブな内容ですが、シューズの足幅に制約がある人のレビューになりますので「それならヴェイパーでいいじゃん」とはならないことを予め承知おき下さい。

まず質量ですが、およそズームフライと同じです。「アルファフライユーザーのトレーニングシューズ」という謳い文句よろしく、かつての「ヴェイパーユーザーのトレーニングシューズ」がペガサスターボであったことと同義で捉えると納得の質量です。

次に足入れ感と足幅について。多くのユーザーが既に書いていますがテンポネクスト%はフライニット構造と同じでシュータンがありません。従って足を入れる空間が手動で確保しづらく、結果として足入れに苦労します。これはカカトのホールドを最優先に考えたのだろうと思われますが、ズームフライフライニットよりやや強めのフィット感と言ったところ。

足幅はズームフライ系と同じゆったり(2E〜3Eあたり)でインソールから拇指球がはみ出ることはありませんし、"アトムニット"と呼ばれるアッパー素材の柔軟性により、拇指球部分がキツく締め付けられる感じもありません。正直、これだけで安心しました。

そして注目のエアズームポッドですが、ジョグの時点で既に効果を実感できます。とにかく跳ねる。これに尽きます。正しくミッドフットを行えば確実にポッドからのリターンを得られるでしょう。無駄なエネルギーを使わずに済むので、疲労感も抑えることができます。裏を返せばヒールストライク走行の方はアルファフライ同様にやはり手強く難解なシューズとなるでしょう。カーボンプレートではなく初代ズームフライのように樹脂プレートが使われていますがこれだけ跳ねてくれれば十分です。

ただし、外反母趾の親指の付け根とプラスチック製ポッドがインソール1枚で接触しているため、少なからず違和感があります。実際はプレートも挟まっているのかもしれませんが、違和感としか思えない感覚です。ここがなかなかやや厄介で、練習後に小さ目の炎症を起こし、湿布で治癒することが3度ほどありました。この靴はインソール着脱式ではないことに注意する必要があります。フォームソティックス入れて何とかなるわけではないのが悩みどころ。足裏とインソールとの相性についてはソックス含めて慎重に見極めていく必要があるでしょう。この点については未だ答えが出ていません。

しかし、タイムとしては既に答えが出ています。トラックレースや長距離の練習メニューで使用し、PBを続々更新したのでまとめますと、以下の通りです。

1500m(OTTセンゴ) ... 5'06" → 5'00"80
5000m(MxK DT) ... 18'36" → 18'25"
ヤッソ800(3'00"設定 10set) ... 2度完走

以前のPBで履いていたシューズは、1500mがターサージール3、5000mが初代ズームフライです。いずれも大幅更新となりました。2年前に出した記録もあるのでシューズだけの効果とは言えませんが、PBが出るのは嬉しいものです。特に今まで1度も完走したことのなかった3分設定のヤッソ800が走破できているのは将来のサブスリーのイメージを再構築できる安心材料と言えるでしょう。

テンポネクスト%はズームフライやペガサスターボでは十分には得られなかった攻めの走りを可能にしてくれるレーシングシューズです。もはやトレーニングシューズの域ではありません。サブスリー〜サブ3.5を目標としていて、足幅が広くヴェイパーフライを履くことに苦労した経験があるランナーにとっては救世主と言えるのではないかと思います。私は今後もスピード練習やトラック&ロードレースで使用していく予定です。

【まとめ】
・テンポネクスト%は足幅が広い人にこそ履いてもらいたい
・エアポッドの反発は想像以上
・レーシングシューズに相応しいタイムが出ます

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