大食い選手権に出たかったはなし

美容院の前にラーメン屋さんに行くのはすっかり定番化した。家系ラーメンの人気店なので、外には列ができている。今日はなんだかすごくお腹がすいていたので、初めての大盛りを頼んでみた。

やっぱり器はいつもよりずっしりしている。濃厚なスープと麺、たっぷりのもやしと効いてくるにんにく。美味しい。やっぱりラーメンが好きだ。ずるずると食べていくが、やっぱり大盛りとなるとなかなか量は減らない。

小さい頃からよく食べる子供だった。親からよく言われたのは、食べさせがいがあるとの言葉。実際いつももりもり食べていた。遺伝のお陰なのか、食べても太りにくい体質のため横ではなく、縦に大きく成長していった。

土日の朝ごはんのパンは4枚。ごはんはおかわり。3食きっちり食べて、でもおやつも食べる。そんな生活をしている中で、よく観るテレビがあった。大食い選手権。 

父がこの番組が好きで、よく家族で観ていた。どんどん美味しそうな特産品が出てきて、それをあっという間に平らげていく。しかも何皿も何杯も。圧倒された。食べ終わったあとのロケバスで、お弁当を更に食べている映像もあった。なんでこの人たちはこんなに食べられるのだろうか。

私がちょうど見ていたのは、魔女菅原、もえあず、アンジェラ、ロシアンなどが強かった時代。一人一人の大食いにかけるストーリーや思いにも、小学生だった私は感化された。番組の最後には大食い選手権に出たい人募集中のテロップが流れた。私も大きくなったら、大食い選手権に出るんだ。そう家族に宣言をし、その日からももりもりと食べていた。

あれから10年以上。大食い選手権に出たいという夢は消えた。というよりも、自分がそこまで食べられなくなってきた。1日2食が普通だし、なんなら１食の日もある。1番食べられるのは、飲んでいる時な気がするくらい。

小学生の頃の私、ごめんね。でも、今日の家系ラーメン大盛りはしっかり美味しく完食したよ。

やっぱりラーメンが好きだ。でも次からは、普通か中盛りに戻そうと思う。