見えないところに気持ちを込める

顔文字を選ぶのが苦手だ。どんどん新しい顔文字はアップデートされていくけれど、私の使う顔文字は増えない。なんなら使わない。1度ともだちの使っていた顔文字が可愛かったけれど、どうやったら出てくるのかわからなかったのでそのままコピペしてしれっと送ってみた。

顔文字ほどでは無いけれど、絵文字を選ぶのも苦手だ。‪ハートくらいは押すけれど、その頻度も少なめ。私の友達はLINEで絵文字や顔文字をよく押すタイプが多いので、いつもきらきらしたLINEが送られてくる。それに合わせたいけれど、どうも苦手なので基本なにもつけずにまっさらな文のみで返す。

今は懐かしガラケー時代はそんなこともなかった。LINEもやっていたけれど、メールの方が主流だった。各文ごとに踊るくまやミッキー、食べ物をつける。送る前に眺めると一斉に動き出していて面白い。そしてよしと、送信ボタンを押す。いつも友達に”るもちゃんのメールって女子力高いよね”と言われていた。メールに動くくまをつけるだけで、高くなる女子力は女子高生にとっては強い。

今や語尾に。をしっかり付けてくる母も、メール時代はデコメを付けていた。そんな母はよく、”前の携帯の時はくまとか動いてて可愛かったのに今は面白くないね”という。それでいて、LINEのスタンプの解釈はよくちょっとずれていて面白い。

もしかしたら顔文字や絵文字が苦手と言うより、動かないもののが苦手なのかもしれない。あとLINEのほうがさくっと送れるので、圧倒的に返信スピードは上がり1文の長さは減った。もう動くくまは大きなスタンプでしかいない。

LINEに顔文字付けないよねと言う友達から、来月遊ぼというお誘いが来たのでありったけの気持ちを込めてあそぶー！と送った。踊るくまは見えないけれど、そのくまの分の気持ちも込めて。