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#創作大賞2023
居酒屋「よりみち」商売繁盛記〜失敗から始まる新たな人生〜1/5
【あらすじ】
主人公・鈴木ハルカは、就職活動をするものの失敗ばかりで、大学卒業後、やりたいことも見つからずにいた。そんな中、彼女に振られ、白いワンピースを着た女が落としたスマホを渡そうと追いかけて道に迷っている最中、突然目の前が真っ白になった。どうやら彼が飛ばされた先は、異世界のようだった。そこはオニや獣人、魔物が存在する異世界。いきなりオニに狙われ殺されそうになるハルカ。彼はこの異世界である人物
居酒屋「よりみち」商売繁盛記〜失敗から始まる新たな人生〜2/5
ナオトはメニューを考えながら、今日は少し頭を抱えた。
「何かもう一品、加えておきたいなぁ。」
アイデアが思い浮かばないようだった。
ハルカは思わずつぶやいた。
「あのう、参考になるか分からないですけど、僕があちらでアルバイトしていた居酒屋では、『悪魔の半熟煮卵』っていうのが人気でしたよ」
シンヤが驚く。
「魔族の料理が人気だったのか?」
これには、逆にハルカが驚いた。
「もしかしてここには本物の悪
居酒屋「よりみち」商売繁盛記〜失敗から始まる新たな人生〜3/5
3 盗難届
ナオトとハルカが卵を買って店に戻ると、ちょっとした騒動が持ち上がっていた。常連のケンタが店に忘れものをしたと言って探しに来ていた。
「大切なものなんだ」
ケンタが忘れたと言ったものは小さな猫用の首輪だった。
「お客さんから預かったものなんだ」
ケンタは明らかに動揺していた。
「行方不明になった猫を探して欲しいと頼まれて、その猫の首輪を預かったんだけど…。」
ケンタの職業は探偵である。
居酒屋「よりみち」商売繁盛記〜失敗から始まる新たな人生〜4/5
4 炎の魔石
夜中にまちが騒がしくなり、七丁目の空が赤く染まった。
周囲は火事の熱で熱くなり、火の粉が広い庭越しに近隣の屋敷へも飛んできたと言う。
火事はなかなか消し止めることができないようで、七丁目の空は夜通し赤く染まったままだった。
翌朝、シンヤが町会で奥方は大火傷をおったが命はとりとめたようだ、と聞いてきた。
火事が多発しているために緊急で召集がかかったのだ。
町会長の情報によると、奥方は
居酒屋「よりみち」商売繁盛記〜失敗から始まる新たな人生〜5/5
【 エピローグ 】
「まぁ。ミイちゃんには兄弟がいたのね。」
フレイアは驚いたように言って目を細めた。
まだベッドから起き上がれないフレイアによく見えるように赤い首輪をしたトリエグルをハルカが抱き上げる。
おとなしく抱き上げられたトリエグルはそのままフレイアのそばにいきたいそぶりを見せたので、ハルカはトリエグルをフレイアの布団の上に置いた。
今日、ハルカたちはアリサに段取りをしてもらって、コル