中高年フリーターでもよいのでは?
世にいう就職氷河期の頃、
一部メディアでは新しい生き方として「フリーター」がもてはやされた。
「会社に縛られない生き方」などど謳い、
なによりも「自由」な生き方を強調していた。
時代の波に飲まれ、就職できなかった当時の人々にとっては
とても聞こえがよかったのかもしれない。
ちなみに現在では「フリーランス」と呼ばれる働き方が注目されている。
最近はそのような働き方の人々を守る「フリーランス新法」なるものも制定されたため、国もその働き方を後押ししているようにも見える。
しかし日本には(もしかすると「世界的には」かもしれないが)
若いうちはまだよくても、ある一定の年齢を超えてフリーターはよくない。
という考え方が根強く残っているのも事実だろう。
遅くても30歳までには正社員に。そう言われるのはよく聞く。
転職もいわゆる「35歳限界説」なるものが存在している。
少子化が進む日本でどこまでこの説が通用するかはわからないが、
一定の説得力はあるだろう。
少し演繹的に話を勧めるのであれば、
35歳付近までフリーターならば、それから一生フリータであり、
正社員になるのは無理である。
そこからは体力も衰えてきて、
月収が多くても十万円台前半で止まってしまい、
一生その金額で、そしておそらく65歳以降も働かなくてはいけない……
ということをいいたいのだろう。
では、それの何が問題なのだろうか?
私は就職する前の学生時代、いくつかの小売店で働いていた。
コンビニとスーパーがそれぞれ1店舗ずつだが、
どちらも日本を代表する大手企業。
コンビニもフランチャイズではなく直営店だった。
そこには、特にスーパーの方には、
高校(それ以上の学校)を卒業してから十数年パートで働いている……
という方々が少なからず存在していた。
もちろんその方の実家で暮らしているのだろうから、
生活費はかからない。
仮に実家に生活費を入れていたとしても、一人暮らしをするよりかは
はるかに少ない金額だろう。
確かにこれは恵まれた事例かもしれない。
中には実家を頼れない方々もいるだろう。
ここで1番になってくるのは、なんといっても住まいだろう。
フリーターに部屋を貸してくれるアパートは少ない。
特に都会ならなおさらだろう。
ただし、これが地方だと、貸してくれる大家さんの数は
少しだけ多くなる。
地方は人口減少が深刻であり、一部の地域ではアパートが余っている。
その結果築浅のアパートに人気が集中し、築古のアパートは競争に負けて空室の場所もある。
親切な不動産屋にあたれば、そのような部屋も紹介してくれるだろう。
では、仕事はどうだろうか。
ここに関しては、少し飛躍するが
「生活レベルを落とす」ということを意識すれば問題ないと考えられる。
普段から節約を心がけ、ムダを見直すことができれば、
月に10万円かからない程度に暮らすことは可能であろう。
もっともここも家賃をどこまで下げられるのか?
という所が重要になってくる。
我慢が必要だが、安い築古の場所ならばそれだけ競争率も低い。
ちなみに私は家賃・光熱費・食費などを合わせて、1番安い時で7万円かからないくらいの金額で生活していた。
私の場合は趣味が図書館で本を借りる・インターネットの動画サイトを見るといったお金がかからないモノであり、
普段はアルコールを口にしないからであろう。
ちなみに外食は月に数回していたが、ここに落ち着いた。
断っておくが、ライフスタイルは人それぞれである。
人には快適な生活方法があるのも承知している。
それでも「生活レベルを最低限まで落とす」という努力さえできれば、
最低限の暮らしは可能である。
たしかにこの暮らしでは車は持てないだろう。
豪華な家にも住めないし、高級な家具も買えない。
しかし生きていくことはできる。
あとは自分の心の持ちようである。
何が言いたいのかというと、結局のところ、
フリーターであっても、最低限生きていくことはできるのでは?
ということだ。
「稼ぎたい」「お金持ちになりたい」
というのであれば、この生活はできないだろう。
「生きてるだけで儲けもの」ともいうように、
質素な趣味を謳歌するのも悪くはないのではないだろうか。
だとすれば、そんなに悲観するようなことではない……
と考えられる。
もちろんここで触れたこと以外にも課題はたくさんあるだろう。
しかし、少し見方を変えてみる……というのも大事なのではないだろうか。