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鬼とは何か 読書考『化け者心中』

妖怪や化けもの類が好きで手に取った本。
最初は、べらんめい調の文体に読みづらさを感じたが、5ページも読むと慣れてしまい、反対に心地よくなってきた。なんだか気持ちまで江戸っ子になったようで軽快になれる。

江戸随一の芝居小屋「中村座」で鬼が人を喰った。
そして、今、まだ鬼は役者に成りすまして潜んでいる。鬼の正体を、元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎が暴いていく。曲者ぞろいの役者たちから、本物の「鬼」を見つけ、無事退治できるか……。

あらすじ

化けものは……、期待を裏切らず出てくる。
それが心の中に潜むものなのか、姿カタチなのか、生物的なものなのか、読み進めるうちにわからなくなる。

ただ、最後には題名の『化け者心中』の謎が解け、スッキリする。
「よっ、白魚屋」と声をかけたくなる粋な話だった。


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