小説「よりそう~手帳と万年筆のちょっといいはなし~」第76話
手帳を買おう、そこで自分で納得する名前を書こうという提案をなんとなく受け入れてくれた新田隆史さん。(戸籍的には、若林さんだけど、彼は新田で行くと)
とりあえず一段落した。
お互いに次のステップに進める。。。あれ、なんか忘れている気もするけど。。
手帳の話になったので、LINEで結城さんにも来てもらう。結城さんがやってきて、軽く会釈をする。心なしか緊張気味だ。
なぜか、新田さんの同僚のもう一人のたかしさんもやってきた。
「あれ、たかし。お前もいたのかよ」
「ちょっと気になってな。結城さんにお話を少し話していた。」わりぃと手で誤りがながら一緒の席に座る。
「とりあえず、手帳を買いに行こうってことになりました。」
へっ? っていう音が聞こえそうな顔をしている結城さんとたかしさん。
それをみて新田さんが爆笑する。
「そりゃ、わかんないすよね。俺もびっくりしましたもん。」そういいながら、ことの経緯を俺より上手に説明してくれた。
結果的に二人も話の流れを理解してくれて明日、夕方、結城さんのお店に一緒に行くことになった。
一旦二人と別れて、結城さんと一緒に帰路につく。
駅までの道すがら、外は気持ちのいい夕焼けで、自分も心晴れやかにやったった感を感じて歩いている。だけど、結城さんはうつむきながらやや悩んでいる風。
「結城さん、なんか気になることあります?」とりあえず聞いてみた。
「あのー、私たちが新田隆史さんを探していた目的ってなんでしたっけ?」まったく築いていない俺にイラっとしたのかやや語気強めで結城さんから質問で帰ってきた。
「そりゃ、マスターがお子さんにあいたいから探しに・・・って、
あーーーーーーーー」 立ち止まって、思わず大声をだしてしまった。
他の帰宅途中の人たちもびっくりしてこっちを見ている。
「ど、どうしましょう。。話聞いていたら、全然、忘れていました。。」
「まぁ、隆史さんのお話を聞いていたら、今の状態で、新田さんに会うっていうのはむずかしいのはわかりましたが、、なんて言いましょうねぇ。」
「確かに、そうですよね」ちょっと考え込んで、
「でも隆史さん、新田を選ぶくらいだからチャンスはあると思うんですよね。
タイミングを見て土曜日に手帳買った後に連れていくか、、結城さんのお店にマスターを呼ぶか」と入ってみたものの、
セカンドミッションスタート。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。すこしでも気に入っていただけたら、続編を書くモチベーションになりますので、スキをお願いします。
また、過去の内容を取りまとめ加筆修正したフルバージョンを作りました。ご興味があればちょっと覗いてみてください。(大分本編と開いてしまったけど)
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