小説 万テチョライフでレベルアップ 4 ~よりそう Season2 ~

部長に新規プロジェクトの立ち上げメンバーに誘ってもらった俺。

勢い半分受けてしまったけど、今の仕事とかはどうなるんだろうか。そんなことを考えていたら、すぐに午後のアポの時間に。何とか乗り切って、このまま直帰するとチームメンバーにメッセージを送り、一日の仕事は終了。

今日はこのまま富士屋へ行って、ひさしぶりに結城さんとお話しできたらなと思っていたのだが、なんかすごく疲れたな。どうしようかなとおもって、駅近くの本屋さんに入った。

とはいえ、特に決まった本が見たいわけではないので、さらっとコミック売り場を眺め、ビジネス書あたりをうろついたが特に気になるもの見つからなかった。さてさてと、店の出口に向かうと雑誌コーナーが目に付く。

最近、雑誌とか見なくなったなぁ。なんて思いながら、ビジネス系雑誌といわれる雑誌コーナーを眺めていると、よくある『できるビジネスマンの50の習慣』と銘打っている雑誌を棚に見つけた。思わず手に取って読み込んでいると、

・早起きの習慣
・筋トレ
・登山
・1日30分の読書 などなど。

たしかにできればすごいよなぁと思うことが並んでいた。(まぁ、俺は無理じゃねって思うことなんだけど)

そんな中で一つ気になったことが書かれていた。『毎日の気づきを書き留めて、定期的に見直す』というものがあった。

これなら今の手帳でできることかも。思わず気になってその記事を読み込んでみる。

事実を客観的にとらえ、他の時でも使えるように抽象化することで学びとして、それを定期的に確認していつでも引き出せるようにしておくという、話としてはよくあるものだった。

うん、これも毎日続けられるかが問題だ。一番は続ける習慣だなぁとおもって本屋を後にした。。

いつもの富士屋。外は暗くなってきたが入り口は明るい照明で迎え入れてくれた。いつものシステム手帳などが売っている階へと向かう。

結城さんはまだいるかしら。ちらちらと周りを探しながら、見慣れたシステム手帳のバインダーの棚を眺めていく。

部長と新プロジェクトかぁ。せめて足を引っ張らないようにするにはどうしたらしいんだろうかなぁなんて考えながらなんと無しに手帳を見て歩く。今までより自分でいろんなことを考えないといけないんだろうなぁなんて歩いていると

「今日はいつもより早いですねぇ」 聞きなれた声に振り向くと結城さんが声をかけてくれていた。

「今日は外回りだったので早めに切り上げてきました。」そういうと、

「何か探しものですか?いつもより真剣に見てらっしゃいましたけど」

「真剣? そう見えました? ちょっと考え事をしながらというか、、、実は・・・・」

言いかけたところで、

「すみませーん」 後ろの方からお客さんの声がかかる。

「あ、ごめんなさい。ゆっくり見ててください」そう言って結城さんは言ってしまった。

凄いタイミングだな。。と思いながら何とはなしにバインダーをみて、リフィルの方へ歩く。プロジェクトマネジメントというようなリフィルや蛇腹式のガントチャートリフィルなども置いてある。

今まで自分には関係ないものだったので全く見向きもしなかったのだが、意識が変わると見えてくるものも変わるものだ。


※このアイキャッチは「視界」というキーワードで見つけたみんフォト画像を使わせていただいています。

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