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健康診断で卵巣腫瘍が見つかった話③-入院・手術編-

こんにちは。Natsukoです。

前回の記事はこちら↓

今回はいよいよ入院当日〜手術までの流れを書いていきます。

大学病院での手術前検査や沢山の必要書類を用意して、遂に入院日がやってきました。
荷物はキャリーケースとロンシャンのトートバッグに詰め込んで、いざ出陣。
入院棟の前まで夫に付き添ってもらいましたが、部屋には入れなかったので入院棟の入口前にある面会ラウンジでバイバイしました。

今回は4日間の入院でしたが、差額ベッド代が気になったため大部屋希望でした。
ですが大部屋の空きがなかったため、差額ベッド代の出る4人部屋になるとの連絡がありました。

私の入院した大学病院は、通院棟は年季が入っていましたが入院棟は今年リニューアルしたとのことでかなり綺麗でとてもほっとしました。
入院する部屋まで案内され、事前に申し込んでおいたレンタル品(パジャマやタオル類、洗面道具一式)を受け取ります。

カーテンで仕切られているので他の入院患者さんの様子はわかりませんでしたが、同じ部屋に他の人がいる状況なため、音を立てるのが申し訳ない気持ちになり、荷解きや着替えに気を遣って静かに進めていきました。

その間にも看護師さんや栄養士さん、麻酔科医の先生が入れ替わり立ち替わり入院棟内の説明や明日の手術までの流れを説明したり体温や血圧測定を実施していきます。
(入院初日はかなりバタバタしていたので細かい流れはよく覚えていません…)

それと、麻酔科医の先生から全身麻酔の説明を受けて同意書に署名するタイミングで知ったのですが、全身麻酔には吐き気や嘔吐の副作用が出る可能性があるのです。
私は中学生の頃から嘔吐恐怖症で、自分が吐くのも、人が吐いているのを見るのもとても怖く、パニックに陥ってしまいます。
(飲み会の席や酔っている人を見かけたり、終電近くの電車に乗るのはかなり苦手です。後まだ未経験ですが、つわりがとっても恐ろしいです。)
乗り物酔いしやすい人やお酒に弱い人は副作用が出やすいようで、私はお酒には弱いので副作用が出るかもしれない…と心配になりました。
先生からは事前に吐き気止めの薬を入れていただけるとのことでしたが、それでも吐き気を感じることすら私にとってはとても怖いので、心配であることを先生には伝えました。
先生からは「ほとんどの方は吐き気を感じても排尿で自然と気分が悪いのは治まるので、あまり気にしすぎないようにしてくださいね」とのことでした。

また、手術後しばらくはシャワーを浴びることができなくなるためこのタイミングでシャワーを浴びました。
浴室の鏡を見ながら、明日にはお腹の中のピノコとお別れするんだなあとか、生まれてから一度も傷がついたことのないこのお腹に傷がつくんだなあとか、大袈裟ですがちょっと感傷に浸りながら思いを馳せていました。

18時に夕食を食べた後、下剤と睡眠剤を処方してもらい、21時には眠りにつきました。
(私は環境が変わると眠れない体質なので、睡眠剤ですぐ眠れたのはとてもありがたかったです)

翌朝、看護師さんが体温と血圧を測定してくれた後、最初の関門として浣腸を実施することになります。
全身麻酔は初めてですが、浣腸も初めての私。
若い看護師さんに処置室に案内されると、横向きになって肛門にあたたかい液体のようなものを注入されました。
看護師さん曰く、あまりに出過ぎて血圧が一気に下がり、貧血を起こす方がいるのでそうなったら必ずナースコールしてくださいとのこと…。
幸い私は大丈夫でしたが、初めての浣腸はお腹への刺激がなかなか強く、しばらく呆然としてしまいました。

そして手術後しばらくは飲水が出来なくなってしまうため、500mlのOS-1を2本、手術の約3時間前までに飲み切る必要がありました。
十分な水分を摂取し、浣腸でお腹がすっきりした影響もあってか、空腹感はかえって全く感じませんでした。

ちなみにこれは余談になりますが、手術直前はSNSやネットニュースを見ることはあまりお勧めしません。(ちょうどこのタイミングで某歌舞伎役者の一家心◯事件があり、ショックでメンタルが多少やられたので手術前に動揺してしまいました。。)
なので持参したiPadで手術前までアニメを見て心を頑張って落ち着けるようにしました。

そうこうしているうちに、看護師さんからのお迎えがあり、自分の足で歩いて手術室まで向かう時間になりました。
足のむくみ防止のため弾性ストッキングを履き、いざ戦場へ出陣です。

手術室はまさに医療ドラマに出てきそうなピカピカの無機質な空間で、執刀医の先生含め10人程度はいたように見えました。
シャワーキャップのような帽子を被り、上半身は裸になって手術台の上に横たわります。

ここでとてつもない恐怖感に襲われました。
いつ麻酔が来る!?いつ来る!?とドキドキする私…。
心拍数の音が手術室に響き渡り、明らかにそれまでより脈拍が速くなっているのがわかります。
麻酔前にに点滴をしてくれたのが私より少し若いくらいの女性の方だったのですが、経験が浅い方のように見受けられたのと、私が緊張しすぎて血管が縮んでしまい、針を通すのに苦戦している様子。
見かねたお局さん的な存在の看護師さんが、「ほら、この子緊張してるから血管縮んじゃってるみたい、私がやるから」と言って手早く点滴の針を入れてくれましたが、私としては自分を若い方の実験台にするより誰でもいいから出来る人がやってくれえええと心の中で叫んでいました…。

緊張する私を見かねた執刀医の先生(診察していただいた先生と同じ方です)が、
「これで半分終わったようなものですからね、あとは寝ていただくだけなので^ ^」と和ませてくれたおかげで、少しリラックスすることができました。

そしていよいよ、「眠くなる薬入りますー!」の掛け声が。
先生から「じゃあNatsukoさん頑張りましょうね!よろしくお願いします」と声をかけてくださったのが最後の瞬間で、その後の記憶は一切ありません。
まるでパソコンが強制シャットダウンされたかのようにブチっと意識がなくなりました。
このとき眠った感覚もないので、死ぬってこんな感じなのだろうかと思うと不思議な感覚ですが、出来るならば二度と体験したくはないです。

こうして私は恐怖心さえも忘れてしまうほど一瞬で無の境地に入り、先生たちは私のピノコの切除に奮闘していただく時間となったのでした。

ダラダラと申し訳ありませんが、次回は④-恐怖の手術後〜退院編-になります。

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