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2021年1月 BrexitとVISAの前に撃沈

昨年の11月ごろにワーホリを早めて帰国しようかな。というnoteを書いたんだけど、その旨を会社に伝えたら、「1か月ほど帰省するのは構わないけど、もし会社がVISA出せたらあと3年いますか?」というオファーをもらった。そのこともちゃんと記録しておけばよかった。何故なら、もうそれは過去のものになってしまったから。その時の感情や、変な優越感や、努力(という努力はしていないけど)が報われた感慨深さ、今後3年間の計画も、今となっては薄れてしまっているから。

(ヘッダーの写真は、こんなことになるともつゆ知らず、友達の家でワンちゃんと戯れていた時のもの)

あらすじ

今働いている会社は2019年の5月から2020年6月までの産休カバーで働いていた。だけど、コロナ諸々あって、食品業界だから忙しくなって人手が足りなかったのと、まあまあ社長一家には気に入られてそうなので、今のワーホリが終わる2021年の3月まで延長してもらった。途中「ハラスメント!!」と騒いだけど、とても快適な職場ではあったし、好きな服を着て仕事できるし、何よりも必要とされていると感じたので、満足はしていた。そしたら、昨年の11月に「会社がVISAを出せたら残りますか?」という話が出た。VISAというのはなかなか厄介で、私のように独身者でイギリスに残ろうとする場合、Skilled Worker VISA (昨年の12月まではTier2 VISAと呼ばれていた)を取得しなくてはならない。で、それだけでなくて、勤務先がスポンサーシップというものを持っていなくてはならない。イギリスにある多くの会社は、このスポンサーシップを持つことに積極的ではない。コストがかなりかかるのと、なんだかんだで(日系企業なら)現地の人と結婚して永住権を持っている日本人が見つかるからっていうのが、大体の理由だと思う。うちの会社はまだスポンサーシップを持っていないけど、まずそれを取得してから、私のVISAを取得するように弁護士に相談してみるとのことだった。ほぼ前例がなく、私の為だけに会社が動いてくれてるっていうのが、嬉しかったんだよね。

ハラスメント↓

VISAに翻弄される身分

2021年の1月から本格的にBrexitの影響がで始めた。2月に入った今も、物流やサービスが止まっているし、見通しがないものも多い。例えば、Neuhausっていうベルギーチョコのブランドは”一時的に”イギリスへの輸送がストップしている。今のワーホリビザから次のビジネスビザ(ここでは便宜上そう呼ぶことにする)に切り替えることはできなくて、一旦日本に帰ってから申請するって聞いてた。だけど、Brexit然りコロナ然りで、人の出入りが難しくなったせいか、日本に帰らなくてもイギリス滞在中にビジネスビザ申請ができそうだと聞いていた。1月3週目のことだった。自分でも政府のWEBページを確認してて、どういう条件が必要か確認してたら、ビジネスビザを取得できる最低年収が11月は£30K(今日現在432万円)→12月は£28K→1月は£25.6Kと低くなっていってて「多分余裕だな」と思っていた。

ちょっと話はそれるけど、イギリスがEUから離脱してしまったから、それによりVISAを必要とする人(主にヨーロッパ出身の人)が増えて、でもいうて£30K以下で働いていてて会社には必要な存在なんてゴロゴロいて、だから個人の条件は緩くなっていったのかなと思う。その分、新規スポンサーシップ申請をする会社に対しては、規制を厳しくしたんだろうか。。。


1月26日火曜日。(こういう象徴的な日は覚えておくようにしているから日付も書いておく)。「VISAの進捗について話がある」と言われた。嫌な予感がした。実はその前の金曜日に予兆があった。人事とマネージャーがなんかこそこそ話してて、「私のことだな」と直感的に思った。
早い話が、「予想以上にスポンサーシップにコストがかかるので、会社として取得を断念する」とのことだった。

はっはっはっは
わかりました
今まで忙しい中、時間を費やしてくれてありがとうございます

本当にそう思ったからそう言った。Brexit関連の細かな条約が全然決まってなかったし、貿易の会社だからかなり痛手を受けていて、輸出入は大混乱。マネージャーは1日中役所みたいなところと電話しているし、土日も働いている中で、私のVISAの手続きもしてくれていたっぽいから、それには感謝している。

「本当にコストだけなのか?」とか「今の今までわからなかったのか?」「金の話は大体最初にやるんじゃないのか?」とか「やりとりを私も確認していいですか?」とか、「具体的にいくらなんだ?」とか、そういうことを言えたかもしれない。でも知らない方がいい気もして、追求はしなかった。そんなに嘘をついているとも思えなかったし。多分だけど、Brexit関連で出費がかさんで、私のVISAの優先順位が低くなって断念したんだろうな。と思っている。

11月にVISAの話がきて「あと3年」と言われてたから、ライフプランもそのつもりで考えていたし「信頼されてビジネスビザ取れて偉いわたし⭐︎」と酔っていたし、今はどうせコロナで動けないからと思って、全然ロンドンライフを充実させようなんて思ってもなかった。なのに!急展開!私の今のVISAは3月18日まで。残り1ヶ月ちょっと。帰らなきゃいけないじゃん。次の仕事も探さなきゃいけないじゃん。いやちょっと急すぎるだろ。

急展開に笑うしかなかった。


ビジネスビザにこだわりたかった

自分でも意外だったんだけど、VISAが取れなかったことはショックじゃなかった。多くの在英日本人は結婚したりパートナーを見つけたりして、「パートナービザ」を取得したのち永住権を取っている人が多い。それが悪いとかは全然思ってなくて、ただ、私にはそういう人がいないから、今回ビジネスビザの話が出たことは、「自分の力だけで勝ち取った」っていう気持ちがすごく大きかった。それはとても誇らしかった。

でも結果的にVISAが降りなかったのは正直ちょっと悔しい。
それは個人の力ではどうにもならなかったことと、やっぱり外国人で独身者は立場的に弱くて、大きな構造には抗えなかったことが悔しかった。

でも私よりも、周りの友達や同僚の方がショックを受けていたっぽい。怒りや悲しみが少なかったのは、もともとケセラセラーって生きてるっていうのと、自分が責任を取るべき家族もいないし、イギリスでの蓄積もないし、特に何か大きなものを失う訳じゃないからなのかもしれない。

さて、仕事探し


私は何がしたいのか?

あと3年は今の会社と思っていたから、一旦ライフプランを考えることを中止していた。「自分は何をしたいのか?」とか「どう生きたいのか?」そして「そのためには何が必要なのか?」とか考えることをここ半年ほど怠っていた。


1. 「サステナブル」で食べていくことへのパッションが減った
これを本業にしていくっていうよりも、副業できたらいいなって感じ。本当はロンドンに来たばっかりの時は、サステナブル ファッションで働きたいと思ってたけど、私はデザイナーでもないしなんでもないので、お金が尽きてしまいそうになる前に、違う分野で働き始めた。Vegan食品を扱う会社だから、扱うものが服から食になっただけで興味の範囲内として2年弱働いてみた。そしたら案外平気だったし、精神的にも楽だった。私の場合は、サステナブルファッションに興味があったとしたら、自分で何か立ち上げるくらいの熱量で働く、もしくは、全く違う分野で働く、っていうのがいのかもしれないと思っている。逃げと言われたらそうかもしれないけど、日本で働いていた時みたいに、中途半端に携わるっているのが一番辛いのかもしれない。(テイストの違いとか、思想の違いとか色々あるから)
留学してた7年前(7年も前!)はロンドンが一番大きなマーケットだと思っていたけど、今はオランダドイツの方が盛んな気もする。リサーチ不足かもしれないけど、イギリスはあまりブランド間の横のつながりがなさそうだっていうのと、日本のサステナブル 界隈では出遅れちゃったなっていうのがある。
イギリスに来る前までは、割と本気で「いつかおばあちゃん達が働く場所をつくりたい」って思ってたんだけど、自分のおばあちゃんに何もできない無力感も相まって、その野望も無くなってしまった。


2. ロンドンにいたいのか?海外にいたいのか?日本に戻るのか?
たった2年だけど、東京で働いていた時の感覚を忘れつつある。
何かが苦しくてずっとロンドンに来たいと思ってたんだった。
留学中の「あの時」のことを清算したかった。それは確かだったし、それは昨年の1月のある日ふとわだかまりが消えたのを確認した。
それとは別に、何かぼんやり「合わない」ってのがあったんだけど
それは前の会社がそうだったのか?それとももっと大きな「日本の同調圧力」的なものだったのだろうか?それもよくわからない。

あの時

3. 2月は海外で仕事探し
今は1ヶ月間海外の求人をメインで仕事を探してみようと思っている。一度日本に帰ってしまったら、また外に出にくい気がするから。日本にはいつでも帰れるし、でも海外にいる今だからこそできることがあると思ってる。


何かのサインなのか?


「今の会社であと3年」ってのは、ちょっと置きに行こうとしてたのかもしれない。特にエキサイティングな毎日ではないから、だれか神様的な人が「いやいやまだ若いんだし、挑戦しなきゃでしょ。ここで安定しちゃうのかい?方向転換しなきゃでしょ」って言ってくれたのかもしれない。それで物理的に今のだらだら生活を断ち切ってくれたのかもしれない。
(いや本当はコスト面で仕方なしにVISA延長できないだけなんだけど)そう思うしかないよな。



普通ワーホリで残り1ヶ月とかだったら、色々締めくくりの期間でまとめの作業に入ると思う。お世話になった人に会って、懐かしい場所を巡って。なのに、なんか私1人急に慌てて人材会社に登録したりとかして、なんか滑稽だなとも思う。「いいじゃん私っぽいじゃん」と思った。ハプニングとネタ多めがいいじゃん?


絶賛迷子。

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この写真は、昨年末に「日本に帰るかも」と言ったから、友達カップルが用意してくれたものらしくて、それを1月の終わりに受け取って「でもあと3年いるんだけどね笑」って話してたら、その2日後にこの事態が発生。いやー本当に人生って。。。って感じだよ。




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