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【仕事の愚痴】Give me 具体例②~喧嘩売るならブツをくれ

ブツって証拠のことね。
仕事だけじゃないと思うんだよね。例えばあなた浮気してるでしょ?って時もLINEや写真を抑えてから言うだろうし、犯人を捕まえる時も現行犯逮捕か逮捕状が必要だし。


もう時効だから言うんだけど、2021年1月4日仕事始め、イギリスで働いていた時、日本人の上司からいきなり「あなたの言動で不快に思ってる人がいます。複数名です。そして最近抜け漏れが多い気がするので注意してください」的なメールが送られてきた。


は?何のこと?
まじで心当たりがなかった。



日本語で会話するときではなく、英語でのコミュニケーションで私が高圧的になるらしい。私はその時はYMS(ワーホリ)ビザがもう少しで切れるから、会社からSkilled worker visaの打診をされていて(結局ダメだったけど)、まさか?はにゃ?って感じだった。マネージャーは認めてくれてるし、メールの送り主(以下Aさん)からもオブラートに包んだ忠告とか今まで全くなかったのに。なんなら「いつも遅くまで頑張ってくれてありがとう」的な感じで言われてると思っていたのに。


地位が低いのはだいぶ嫌だったから尖ってた

さっき心当たりないと言ったけど、そういえばあった。


私は最初1年間の産休カバーで働いてて(最終的に2年弱働いた)、私以外はイギリスで永住権を持っている人だったし期間限定の雇用じゃなかったから、イギリス社会においても会社の雇用においても私が一番弱者だった。


日本でいう営業事務 / 貿易事務の仕事をしていて、営業の人の方が力が強いっていうか、客>>>>>私みたいな構造だった。営業(イギリス人&在英外国人)がマネージャーに「ヘーイ。私新しい注文ゲットしてきちゃった☆」みたいに言って、でも本当は在庫がないし今から発注しても最速で2ヶ月後みたいな時、または注文から1-2週間発送にかかる時とかに、いきなり「イケルヨネ?」みたいに聞かれて、無理だとお答えすると「ナンデ?ワタシメチャガンバッタノ二。セッカクノチャンスガ!!!」みたいに責められることがしばしばあった。(でも欧米って、仕事での衝突はポジションとポジション間であって、個人への攻撃や個人を否定している訳ではないんだって。結構時間経ってから理解した。。。)


働き始めて数ヶ月経った頃、本当は構造的な問題だったのに、私が初心者だとか、英語がパーフェクトではないとか(日本ではまあまあできるキャラだったからこれも結構きつかった)、そんな理由で勝手に私のミスだと決めつけられたことが続いて、かなりストレスフルだった。だから単なる質問でも責められてると思っちゃって、で、いつでもどこからでも攻め入ってきてもいいようにデータ管理による完全武装をしていた。メールではSEOライティングを心がけて笑、いつでも検索して証拠をすぐ出せるようにしていた。ある日を境に一気に気が強くなったのは認める。


性格悪いから、他の人にリサーチしまくる

2021年1月といえば、イギリスはロックダウンの真っ只中。Aさんとは1年弱顔を合わせずに、私は出勤してAさんは在宅勤務で働いていた。また、イギリスのEU離脱が本格的に始まった時期でもあって、貿易に携わる様々な業界が、毎週のような法改正に振り回されてキャパオーバーだった。みんな余裕がないときに、この事件が起こった。


メールを初めて見たとき、ついさっきまで新年の挨拶をにこやかに交わした後だったし、「あー会社に認められてあと3年いるんだわー」って感慨に耽っていたから、その落差がすごかったし、ショックすぎて指先から一気に血の気が引いて行ったのを感じた。


「他の人も」っていう部分がすごく気になって、「何?これ連名の嘆願書なん?誰に相談できて、誰が地雷なん?」って意味わかんなくなって、その日はなんとか何事もなかったように業務をこなしたけど、帰宅してから怒りが爆発した。と言いつつも、冷静な部分もあって「悲しみ→怒りとか、心理学的フローにちゃんと沿っているじゃん」などと他人事のように観察している自分もいた。


前置きが長くなったんだけど、「他の人も」って言うもんだから、まじ誰???ってなって、「私の言動で不快に思っている人々がいるとお聞きしました。もし不快感を与えたならごめんなさい。で、自分でも振り返って見たいから、お手数だけど、そのメール転送してもらえませんか?」ってその日中に、秘密裏に、関係部署ひとりひとりに連絡した。いつか話し合いがあるだろうと思って、こちらでも準備を進めておいた。まあまあ狂気。




最悪の3部作という意味らしい

本当に英語の問題?

とある非イギリス人の営業の人(喋るのは私よりも上手だが、英文法はぐちゃぐちゃと私は思っている人)から、返信が来た。実際のメールの転送や添付はなくて、彼の回顧録だった。「君はたまに客の要望に対して、Noと強く突き返す事がある。最初は英語の問題だと思ったけど今は少しマシになった。あと、君の説明の仕方が機械的で高圧的に感じる。」と言う旨の長文メールだった。(まあこれも私の回顧録)



まずこの会社のルール的に、インボイスを出すタイミングが微妙に他と違くて、それを毎回説明する必要があった。「他の会社はすぐインボイス出すと聞いているけど、ちょっと難しくて、今〜〜の段階で、XXの段階になったら出せるから、それまで待ってください」と言う旨を毎回、毎回、送っていて、それをこの営業が「要求に対して頑なにNoしか言わない」という印象を持った原因でもあった。



で、さっき回顧録と言ったけど、彼のメールの文章は、絶妙に私の原文とは違くって、「Noしか言わないやつフィルター」がかかってパワーアップした英文になっていた。何が言いたいかと言うと、私のNoレベルが5だったとしても、彼の記憶の中ではいい感じに醸成されててNoレベル8くらいになっていたのだ。実際の証拠を見返してないからだ。


SHOW. ME. THE. PROOF

Aさんが「抜け漏れが多くなった」と言っていたのも、腑に落ちなかった。いつの何のこと?


このメール事件の後、1週間くらいしてからやっと、Aさんとお話をする時間ができた。で、「すいません、抜け漏れっていつのことですか?ちょっと心当たりないんですけど」って聞いたら「いつってことじゃないんだけど〜モゴモゴ」みたいな感じだった。


は?

そっちから爆弾仕掛けるんだったら、証拠用意してくれるかな?
確固たる証拠がなくても、せめて〜の件のやつ〜みたいなのを提示してほしかった。こちとら全面武装でやってんのに、「ざっくり抜けてるキャラ」とかめちゃ心外なんですけど???
結局これに関しては最後までわかんなかった。


多分きっかけは勘違いだった

最初のメールで、Aさんが一個だけヒントをくれていた。それはAさんの仕事を手伝ったときのこと、 仕事のフロー的にABCで完結するとして、Bで止まってた時の私のメールが「Aさん、Bで止まってますよ。間違ってるんですけど!!」と強い言い方だったと受け取ったらしい(そしてAさんは意図的にBで止めていたし、私は意図があるんだろうなと思っていた)。これは私も「あの件だ!」と思ったから、自分で該当メールを転送して返信した。割と原文に近いんだけど、"A san, it seems that this order has not finished C, so I'll leave as it is." (Cやっていなさそうなので、そのままにしておきます。)確かに「あえてBで止めていらっしゃるとお察しするので」とは書かなかったけど、間違ってるんですけどって糾弾もしていない。私が証拠を提示して、一緒に見てもらった。シンプルに勘違いと被害妄想だった。多分この辺から「こいつ英語の時キツくね?」疑惑が実体験となり、確信に変わったんだと思う。


個人の問題にするから本質が見えない

会社のルールとコミュニケーション不足

上記にも述べたけど、欲しいときに在庫がなくて出荷できないのも、インボイスすぐ出せないのも、私の性格や英語力のせいなの?
表層に見えているものだけでしか問題を把握できていないうちは、根本の原因にたどり着かない(しかも別に性格も英語力も問題ないしな)

在庫の状況を把握できていないのは、営業部署と物流部門(どちらも私の部署ではない)がお互いの仕事を理解していなくて、コミュニケーションが十分にできていなかったから。インボイスをすぐ出せないのは会社のルールであって、それを会社が他に合わせるか、合わせないなら営業が契約時に客への説明が必要だったと思う。なぜ私のパーソナリティの温厚化wだけが解決策とされたのだろうか。


私の例だけじゃなくて、多くの問題はミクロではなくてマクロの視点が必要だと思う。個人努力や個人の改善とかよりも、仕組みを理解することで問題点が浮き彫りになって、そして新たな仕組みによって問題解決したほうが、結果的に多くのことを網羅することができる。
私は学生の頃に「コミュニティデザイン」という本にハマっていたから、いつもこう思っている。
(他の例だと、定時17時の会社で、16時にお迎えが必要なママさんがいる。効率よく働く努力が必要とか、17時定時の会社で働いているのが悪いとかじゃなくて、可能なら時差出勤とか在宅勤務を可能にするとかそういうこと)



実績を残したい私と、平和に過ごしたいAさん

この事件を数ヶ月後に振り返ったときに、「あーこういう可能性もあるな」と思ったことがあって、それは今でも気をつけなくちゃと思う。


私の雇用形態は、1年間の産休カバー→延長してもう1年→(Visa更新してさらに3年かも)という感じだった。1年で辞めるかもしれないから、1年後の自分の転職活動のために、そして次の人のためにも「私はどうせ去る身だからサンドバッグになって、このデコボコ道を綺麗にする!」という変な責任感があった。躍起になっていたことは否めない。で、実際、ある程度は頑張りを認めてもらった。


けどAさんの事情は違った。


この会社で定年まで迎えようとしているから、構造的に理不尽なことがあったとしても適当に受け流して、無駄に対立せずに平和に過ごしたい、という感じだったのではないかと推測する。だからわざわざ問題を解決する必要がないし、そういう発想がなかったんだと思う。
他の日本人の同僚たちも今まで同じような感じだったから、私が「これ変えたほうが良くない?」って言うのが、(日本人から見た)外国人もちょっと面食らったというか、都合良くなかったんだと思う。



まだ今の会社で働いて2ヶ月なのにこういうことを言うのはアレだけど、多分またいつか転職するときのために「この会社で何をしたか」ということを意識して数年過ごすのは変わらないと思う。私は今ロジスティクス部門で働いているから、何か形を伴った実績とは「何か仕組みを変えること」である可能席が高い。(別に売り上げとか数値的な成果がないから)仕組みを変えることは、(例えそれが時代遅れで非効率だったとしても)誰かの日常を変えることであるから、提案の仕方とか進め方とかをちょっと工夫する必要があるかもしれないなと思った。



合理性と流儀とリスペクト

ちょっと話が逸れたな。普段の会話で「その根拠は?」とか連発するのは、逆にあほらしいと個人的には思うんだけど、でも喧嘩を仕掛ける時は十分な証拠を持ってきてほしいね。
殊更仕事なら、確固たる証拠と議題すべき点を提示した上で、相手にも準備する猶予を与えて、MTGなり1on1を設定するまでが、妥当だと思うな。尊敬という意味のリスペクトではなくて、尊重・思いやりという意味でのリスペクトがほしい。



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