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誰かの家から聴こえてくる食器の音


スマホは家に置いていく。
家の近くを散歩するときは、たまにそうしている。
いくらスマートなフォンとはいえ、ポケットに入れて歩くのは重すぎると感じてしまう。せっかくの散歩を板状のかたまりひとつで足取り重いものにしたくない。散歩は軽さが大事だと思ってる。

「せっかくの散歩」というくらい僕は散歩が好き。気分転換や運動不足の解消になることは言わずもがな、「誰かの家から聴こえてくる食器の音」がとにかく好きだから。寒い冬はどこの家も閉め切っていて聴こえない。照りつけ始める太陽が窓という窓を開け放ちまくる初夏は、食器の音をフルで楽しむにはもってこいのバチバチのオンシーズンなのだ。冷房をつける程ではない気温の今がチャンスだから、今わざわざ書いている。

実は、偉そうに書いているのに「誰かの家から聴こえてくる食器の音」がなぜ好きなのかは自分でもまだ説明できない。旬なのは間違いないんだけど、魅力を説明できないまま出荷します。

カチャカチャ。
食器やカトラリー。

運がよければ、ジュージュー。
フライパンで調理する音。

同じ地域に住む同じ人間だから、同じようなものを食べているとは思うんだけど、きっと一生覗くことのないどこかの家庭の食事風景を音から想像する。生きていて最も心地よい音のひとつ。

それがなぜ僕を幸せな気持ちにさせて、僕の散歩の楽しみであるのかがいまいち分からない。ただ心地よい、微笑ましいということなのかな。食器の音には他の生活音と違うものを感じる。

幸せな気持ちになるだけだったらこんなに身近にある。ノイズキャンセルしないで、スマホで体を重くしないで、ぜひ盗み聞きしに散歩に繰り出してみてほしい。他人の幸せな時間をおすそわけしてもらったような気分になるって言ったらいいのかも。

もしやってみた方がいたらコメントで教えてくれると嬉しいです!

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