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パラレル大回転での失格について語る竹内智香選手と、次がなくなった事の悔しさ

2022年2月11日放送、NHK総合『北京オリンピック デイリーハイライト』での一場面。

スノーボード女子パラレル大回転で1回戦敗退となった竹内智香選手が競技後、相葉雅紀さんのオンラインでのインタビューに応じる様子が放送された。

【以下インタビュー】

相葉雅紀さん「僕もそうだったんですけど、それでそのまま立ち上がって、竹内さんの方が先にゴールしたじゃないですか。あの時は竹内さんも勝ったと思われましたか?」

竹内智香選手「そうですね、確実に勝ち上がったと思いましたし、彼女(同組でドイツ代表のラモナテレジア・ホフマイスター選手)もそういう風に『おめでとう』って『2回戦頑張って』という風にゴールで言ってくれたので、そういった意味では確実に勝ち上がったと思っていました。」
「状況、雰囲気が何か違うなっていうので、彼女(同組でドイツ代表のラムオナ・ホフマイスター選手)も私の方に『何が起きているの?』という風に聞きに来て、で、ずっと抗議が続いていたので、本当にたぶん10分くらい、判定が出るまでに。抗議されて一旦失格って決まったんですけれども、『失格だ』って言われた時には私は自分で映像を見ていないので、もうそれが、そういう風に見えたのであれば仕方ないという風に受け入れていました。」
「ただ、ゴールをしてから、色んな国のコーチや選手達から、あの判定がおかしいという風に、一緒にトレーニングしているスイスチームが、本当に全スタッフが抗議をしてくれて、他の国も『判定がおかしい』という風に声を上げてくれたんですけれども、言われれば言われるほど、逆に辛いというか、であれば、本当に自分がスッキリと負けた方が気持ちが良かったなと思いますし、最後の最後にスッキリしないというか、後味の悪さは今も残っています。」

豊原謙二郎さんのナレーション「後味の悪さは残っていると言う竹内選手。それでも、ドイツの選手に気付かされた事があったと言います。」

竹内智香さん「今日のお昼にも、一緒に対戦したラムオナと会って、コーチ含めて話をしたんですけれども、彼女からは、やっぱり彼女自身も妨害されたとは思っていない、と。同じタイミングで転倒して、純粋に智香が勝ったと思ったって。で、それに対して、やっぱりドイツチームもメダルを持ち帰る事に必死ですし、自分のスタッフがそういう風に抗議をして、こういう結果になった事は申し訳なく思っているという風に言われて、やはり、で、彼女もジャッジが決めた事を、私達選手はジャッジが決めた事を覆す事はできないので、そういった意味では、きっと彼女も気持ち的には苦しいんじゃないかな、苦しいまんまベスト8の次の対戦に行ったんじゃないかなっていう風に今は感じますし、彼女がそういう風に正直に言えるのもたぶん彼女の強さだと思うんですね。それが今彼女が強い理由でもあると思いますし、今は彼女がそう言ってくれて、ドイツチームのスタッフが、やっぱりメダルを持ち帰りたいっていう風に強い気持ちがあるから抗議をして、それを決めたジャッジの判断が全てという風に、今はやっぱり彼女がそういう風に言ってくれた事で、あの…まあ、その、レースを終わった直後よりかは受け入れられるかなという風に感じています。」

豊原謙二郎さんのナレーション「6回目のオリンピックを想像もしていなかった形で終えた竹内選手。」

相葉雅紀さん「この経験というのは、竹内さんは今後競技をやっていく上で、どのような、んー…競技者として、これからはどのように捉えて行こうと思っていますか?」

竹内智香選手「そうですね、まあ、4年前の自分であれば、きっと全く受け入れる事ができなかったんじゃないかなと。特に対戦相手が『妨害ではなかった』っていう風に言ってくれると、たぶん4年前であれば受け入れる事ができなかったと思うんですけれども、でも、やっぱり、これが4年に1度のオリンピックで、皆が必死に、勝ちに行っている、勝ちを獲りに行っている中で、やっぱりコーチも選手も全力ですし、そういった意味では、あのー、『やっぱりこれがオリンピックなんだな』って。だからこそオリンピックに強い選手というのは、そういうのも全て含めて、勝ち上がって行く選手なんじゃないかなって今は思っています。」
「完全燃焼して終われるレースっていうのは一生ないのかもしれないですけども、今はやっぱり若干もう1回オリンピックの舞台に立ちたいなという気持ちはありますね。」

相葉雅紀さん「へぇー…じゃあ、次のオリンピックの可能性もあるかもしれないという事ですか?」

竹内智香選手「まだまだ目指せるのであれば目指してみたいなという気持ちはありますね。」

【以下スタジオ】

杉浦友紀さん「様々な競技で判定が今回クローズアップされますけれども、憶測が飛び交う中で当事者である選手達自身の考えが伝わってくる非常に興味深い内容でしたよね。」

豊原謙二郎さん「そうですね。あのー、中井さん、今日金メダルを獲った平野歩夢選手も2回目の得点、ちょっと納得行かないという話がありましたけども、選手としてはどういうスタンスでいる事が大事だという風にお思いですか?」

中井孝治さん「そうですね、いや非常に難しいなと思うんですけど、まあ、平野歩夢選手の場合は3本目が残っていたので、それを全部滑りに変える事はできたから結果的に良かったとは思うんですけど、竹内智香選手の場合は次がなくなったじゃないですか。で、正直自分はそういう事なった事がないので理解が難しいんですけど、まあ本当に、なんて言うんですかね、悔しいですよね。」

中井孝治 なかいたかはる
1974年生まれ、北海道出身、プロスノーボーダー。2002年ソルトレークシティー冬季オリンピックのスノーボード・ハーフパイプで5位入賞、2006年トリノ冬季オリンピックのスノーボード・ハーフパイプで14位。
【公式サイト】

竹内智香選手とラモナテレジア・ホフマイスター選手のレースをちょうど見ていたが、転倒したタイミングは同時に見えた。竹内選手の転倒がホフマイスター選手の滑走に影響がなかったように思えた。審判団には最終的に両者がレースに復帰してゴールできているのを考慮してほしいと思った。

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