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RuiKawakami
2020年3月29日 21:11
岬の突端に建つちいさな観測所に私はいて、私の分身はいて、ときどきそのことについて私は(あるいは私の分身は)思いを馳せる。あの夏、灰色霧の集団が空から太陽を引きずり下ろし、夕方がえいえんに続いた夏、岬の観測所にはあなたもいて、そして私たちは、世界に対する反抗のもっとも小さな形について飽くことなく話していた。 私が(あるいは私の分身が)、月の白い横顔を丁寧にスケッチしている傍らで、あなたは(あるい