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山種美術館で・鶴を捕るに。


東京都渋谷区の、日本画専門山種美術館。


ここは現在の東京仕事の帰りに立ち寄りやすいところ。


安田靫彦の字やに。


今回は犬猫特集。


山種美術館のフライヤー。

ほんとは私が好きな動物は鹿と馬です。
この二つを漢字でならべるとびみょーです。
それは置いといて。



まずは
犬編


琳派の祖、俵屋宗達の犬が出迎えてくれます。

フライヤーより。
俵屋宗達「犬図」


山種美術館は、1~2作品、写真撮影可なのですが、
今回の犬編では芦雪が写真可能。


長澤芦雪(ながさわろせつ)「菊花子犬図」
芦雪は後ろ姿の犬も多いです。
後ろ姿からしてゆるい。


人気の若冲の作品も。

フライヤーより。
伊藤若冲「狗子図」


伊藤若冲作品は、箒にはいりこんで遊んでる犬もありました。
箒は寒山拾得の脱俗的な、達観の境地の象徴。


山種美術館の趣味か昨今の需要かわかりませんが、ころころした可愛い系の丸い犬の画がいっぱいありました。


フライヤーより。
西山翠嶂 「狗子」


そんなゆるかわ系全体の空気感を乱すかのように、妙な雰囲気だしているのがやはり川端龍子(かわばたりゅうし)。大田区の龍子記念館からやってきてくれた「立秋」「秋緑」。なんとも色使いが独特で、正直かわいい感じの犬とは、ちょっと違いました・・・(←褒めてます) 
私は龍子大好きです。




続いて
猫編

そういえば涅槃図には猫が描かれることは少なく、日本にも猫のいる涅槃図は数えるほどしかないらしいです。

十二支にも猫はいないし、猫が何かと除外される理由は釈迦の使いである鼠の邪魔をするからだとか?

ただ、絵描きさんやそのパトロンさんたちは猫好きが多かったのかもしれません。「公式」では回避されがちですが、実はみんな好きってことやね。今回、歌川国芳の作品もありましたが、この人も常に5~6匹の猫が家にいて、作品制作中も子猫を懐に入れていたとか。猫入れてたら描きにくくないんか?


竹内栖鳳(たけうちせいほう)「班猫」


「班猫」山種美術館の年パスのデザインにもなっていて、山種の推しの一品のようです。今回写真撮影可能だった絵の二つのうちの猫版はこれ。

沼津の旅館にいた猫を気に入って、もらい受けたらしい。
猫」ではなくて「猫」で正しいらしい。



山種は今回2作品が撮影可能でしたが、どれも撮影可能だと誤解している人も何人かいましたね。ちょっとうまく注意喚起が必要では?と思いました。



小林古径「猫」
一年前のフライヤーより。




そして私が今回初めて出会い、気に入ったのはこれ!
山口晃「捕鶴図」!!
悪い猫たちが鶴を捕ろうと企んでいます。
猫、悪そう。  悪い。  絶対悪い。  気に入ったに!

フライヤーより。
山口晃「捕鶴図」
作品名がまた秀逸。


ということで!
犬派?猫派?をやってるのに、山種のカフェでは鶴の和菓子にしました。

なかは黄緑色の柚子餡でした。


山種美術館のカフェ椿は、季節や展覧会作品にちなんだオリジナル和菓子があるのです。
このお菓子の名前は「鶴寿」。悪猫は鶴捕作戦に失敗したのでしょう。



ミュージアムショップで買ったのは、マグネットです。

速水御舟「翠苔緑芝」


速水御舟(はやみぎょしゅう)「翠苔緑芝」

兎のほうは以前購入してましたので、今回は猫。
ほんものの画全体はもっと大きくて猫と兎の間も距離があります。

ちょうど一年前も同じ場所に展示ありました。これかなり好きな画です。琳派だけども平面的に単純化されてて、なんとも心に残る妙な作品。


さて。私はこの後ひと月ほどの間に東京は静嘉堂、奈良は県立美術館で観たい展示があるので、うまく時間の調整をつけていきたいところです🦌・・・しかし、今日も奈良にいるはずが東京に・・・がんばれ私。




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