見出し画像

【妄想話】太郎・22話

「太郎・第22話」

少年はおばあさんと別れ、再び浜辺を歩き始めます。
すると、砂に埋もれた銀色のコインが光に反射しています。
50円玉か?はたまた100円玉かも?
少年は一目散に銀色に輝くコインに近づき、それを取ります。
それは50円玉でも100円玉でもなくメダルゲームのコインでした。
「チェッ。」
少年は海に向かってアンダースローで投げました。
その投げるフォームは美しく、令和のサブマリンのようです。
サブマリン投法から放たれたコインは海面を魚のように飛び跳ねました。
足元にあった明治のアーモンドチョコレートの空箱を同じように海に投げようとしましたが、風に押し戻されてその場に落ちました。
少年は空箱を踏みつけ再び歩き始めました。
浜辺をしばらく歩いていると、少年たちが輪になってました。
何かを囲むように集まってます。
少年はニヤリとします。
このシチュエーション。絵本で見たことがありました。
ニヤリとしながらも足元に落ちていた棒を拾い上げ、輪になって集まってる少年たちに近づきます。
「おい、早く出てこいよ。…。…棒を振りかざして近づいてくる男の子がいるぞ!」
「コ、コラー!!」
「やべ。蜘蛛の子を散らすように逃げるぞ。せーの。うわぁぁ。」
「あいつら。蜘蛛の子を散らすように逃げやがったな。」
少年たちが囲んでいたのは大きな亀で、その大きな亀を助けるたら竜宮城に連れていってもらえて、ご馳走を食べながら乙姫様の踊りを見れると本でも見たことがあるし、そうなると思ってました。
で、少年たちを追い払ってそこにあったものは…
大きな大きな桃でした。


つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?