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【妄想話】太郎・29話

「太郎・第29話」

おじいさんが急に立ち上がりました。
「そうじゃ。アンコールじゃわ。」
そして、手を叩き始めます。
「アンコール♪ アンコール♪」
少年はため息を吐きます。
「おじいさんだけノリノリやね。」
突然おじいさんは手を叩くのをやめます。
「よし。もう1曲やるぞ!ミュージック スタート!」
「♪ とても大事な キミの想いは」
「♪ 無駄にならない 世界は廻る」
「♪ ほんの少しの 僕の気持ちの」
「♪ 巡り巡るよ〜」
少年はテーブルに頬杖をついて見てます。
「もう、おじいさん1人でやってるやん。」
「♪ くり返す このポリリズム」
「ストップ! ストップ!」
「なんじゃ?」
「おじいさんのカクカクダンスはもうわかったから落ち着いて。ポリポリポリポリ…せんべいでも食べておき。なっ?」
「言いたいことは終わったか?それではミュージック スタート!」
「♪ またくり返す このポリリズム」
「ストップ!ストップ! 話聞いてた?落ち着けって。」
無言の空気が部屋中に流れます。
「ミュージック スタート! ♪ またくり返す
このポリリズム」
「ストップ!ストップ!てかさっきからミュージック スタートって言ってるけど、おじいさんアカペラで歌ってるだけやし。」
そこに龍太郎が割って入ります。
「まぁまぁまぁ。2人とも落ち着いて。なっ?」
「指にイカリングはめて言うな!」
「…。」


つづく

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