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【妄想話】太郎・32話


「太郎・第32話」

2人の話を聞いていた少年が口を開く。
「おじいさん離婚しそうなの?」
「だから先も言ったじゃろ!…そうなんじゃ。」
「なんで?」
「だからそれも言ったじゃろ!…これは言ってなかったの。簡単でいいか?」
少年はうなづく。
「ばあさんが鬼ヶ島にいる鬼とアバンチュールな恋がしたいんだってさ。」
「なんか分かったような分からんような…なんせ今はおばあちゃんがいないわけだ。」
おじいさんは満を持してうなづきます。
「要するにそうなんじゃ。」
少年の目の色が変わり、おじいさんに近づきます。
「よし!おばあさんを取り戻しに鬼ヶ島へ行こう!」
「…えっ。ホンマか?…てかお前さん誰じゃ?」
カレドショコラを食べていた龍太郎も「なるほど」のポーズで手を叩きます。
「そうや!まだ名前聞いてなかったわ。」
少年は下を向いてしまいました。
そして意を決して、おじいさんと龍太郎を見ます。
「ぼく?…桃太郎。」
龍太郎は食べかけていたカレドショコラを落としました。
おじいさんは最後の指にはめていたイカリングを落としました。


つづく

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