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【妄想話】太郎・27話

「太郎・第27話」

部屋中に重苦しい空気が包む中、少年が口を開きます。
「イカリング美味しかったね。」
それを聞いたおじいさんが手を叩きました。
「そうじゃ!キミは踊りを見ながら食べたいのじゃろ?」
少年は困った顔を浮かべます。
「そうだけど…ここには乙姫さまいないから無理でしょ。」
するとおじいさんは目を輝かせて答えます。
「なんじゃ。簡単なことじゃ。」
「簡単?」
「ワシらが踊ったらいいことじゃ。」
「なんで?さっきまで話聞いてた?…ってワシらが?」
「そうじゃ。せっかくなんじゃ、3人で踊ろう。」
「なんのせっかくなの。…って僕も?」
「そうじゃとも。3人じゃ。」
「おじいさんは無理しない方が…」
話をずっと聞いていた龍太郎が2人の会話に割って入ります。
「3人で踊るなら、アレしかないな。」
おじいさんもうなづきます。
「そうじゃ。アレしかない。」
少年はテーブルに手をつき、前のめりになって聞きます。
「アレってなに?」
龍太郎はイカリングを再び指にはめ、それを天井に向け答えます。
「perfume!」
おじいさんも龍太郎に習ってイカリングを指にはめ、答えます。
「パフュームじゃ。」
少年は唖然とします。
「なんで?…またイカリング指にはめてスイッチONになってる!」
龍太郎は指にはめたイカリングを食べながら答えます。
「じゃあ、誰が誰をやるか決めようぜ。」
おじいさんもイカリングを食べながらも答えます。
「そうじゃな。…じゃあワシは、かしゆかにしようかの。よく似てるって言われるしな。」
少年はたまらず言葉を遮り、間に入ります。
「待て待て待て!ちょっと待て!」
おじいさんは不思議そうな顔をして少年の方を見ます。
「なんじゃ?」
少年もおじいさんを哀れむように見返します。
「おじいさん…狂ってるのか?」


つづく

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