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【妄想話】太郎・16話


「太郎・第16話」

赤鬼はおばあさんが作ったカレーを一口食べました。
「どうじゃ?」
スプーンを持っていた手が止まります。
「このカレー…」
「このカレーがなんじゃ?」
「このカレー美味しい!リンゴとはちみつの味がするぞ。」
「それがバーモントカレーじゃからな。」
赤鬼はスプーンを皿に置いて、真顔でおばあさんを見ます。
「おい、ばあさん。」
「なんじゃ?」
「ワシに毎日このカレーを作ってくれ。」
「……。そ、それってもしかして?」
赤鬼は一度咳払いをします。
「あぁ。そのもしかしてだ。」
「毎日味噌汁を作ってくれ。の代わり?」
「あぁ。その代わりだ。」
「…。いやいやいや無理じゃ。」
「赤面しながらも真剣に言っておる。わからんと思うけど。」
「いやいやいや。そもそも歳の差がこれくらい離れておる。」
「そんなのは全然気にせん。ワシは年上が好きだからのぉ。これでも鬼界でも1.2を争う熟女好きだ。」
「知らんがな!」
2人の間に沈黙した時間だけが流れます。
その重苦しい空気の中、おばあさんが口を開きます。
「…わたしゃも年下好きじゃ。年下なら法律ギリギリまで…いやそれ以上でもオッケーじゃ。」
「法律は守れよな。」
「お前さんが言うな!」
「…。」


つづく

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