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【HADO】オーバータイムマッチで優位を取る立ち回り

総文字数:約3,000文字 想定閲覧時間:約6分

noteを閲覧してくださっている皆様、おはこんにちばんは。
pro esports team 思考行結のHADO部門に所属しておりますRuhiaT(るひあ)です。

今回は、HADOの試合において、オーバータイムマッチ(長いので、以下OTMと略します)を優位に運ぶための情報整理・判断の仕方について記載していきます。それなりにマニアックな内容です。

※HADOを知らないという方は、
こんな動画を見て、そんなスポーツなんだーと知ってもらえると幸いです。

1.OTM準備時間

80秒のプレイ時間でタイになった場合、OTMへ突入します。

その段階で取得すべき情報は以下が挙げられます。
・味方羽枚数
・相手羽枚数
・シールド残数

これらの事前情報を取得・味方と共有した上で、OTM開始に備えます。

具体的には、
・誰を狙うかを決め
・誰が狙われるかを推測
することが重要となります。

2.OTM開始直前

OTM開始3秒前程度になると、相手が攻撃を仕掛けてくるか、それとも、残ったシールドを展開してくるかが、腕の位置を見ると判断が付きます。

例えば、一人が腕を下げていて、二人が腕を上げていれば、
・シールド展開→1人
・攻撃→2人
ということが想定されます。
(稀に開始と共に腕を下げてシールド展開に移行する選手もいますがそれは例外ということで詳述はしません。)

ちなみに、OTM開始後に残シールドを展開する人は多く存在しますが、必ずしも優位を取れる選択ではないため、取捨選択が必要となります。

なぜなら、短期決戦に持ち込む必要があるOTMであるにも関わらず、開始段階で攻撃要員を一人削る必要があるためです。
シールドのチャージには約4.5秒かかりますが、その間に2発前後弾を確保できることは、大きなアドバンテージとなります。

短時間で決着をつける必要があるOTMにおいて、この戦力差は大きなものとなります。とはいえ、残シールドを展開する選択をすべきシーンも当然ありますので、チームとしての方針を固めておくと良いかと思います。

3.OTM開始後

開始後に着目する点は、各プレイヤーの初弾の配球です。
それを見れば、相手がどこに弾を集めようとしているかの推測が出来ます。

先に記載した通り、どのチームも短期決戦に持ち込みたいと考えているため、対象一人に弾を集める傾向にあるためです。

集弾する事自体は間違っていないし、一般的には正しい選択だとも思います。

ここで、集められた人は回避し続けることが必要となりますし、集められてない人はフィールドを大きく使って、相手が嫌がる立ち回りをする必要があります。

では、ここで相手が嫌がるプレイとは何か?という話になります。

それは、端的に言うと、相手の狙い通りに配球させない事です。

プレイヤーA,B,Cがいた時に、Aを狙おうという話になったにも関わらず、Aを狙い続けることが難しい状況に置かれたら、やりづらさを感じると思います。
それが、相手が嫌がるプレイということになります。

具体的には、
・相手のターゲティング先にシールドを展開する
・ターゲティングと逆サイド(センターの場合両翼)が前詰めする
等が挙げられます。

つまり、
・OTM準備時間・開始直前
  →相手の作戦・狙いを先読み
・OTM開始後
  →狙い通りにプレイできない立回りをする
これが、OTMを優位に進めるためのプロセスになります。

4.具体例

上記内容を、HADO MASTERS CUP#18のネメシス戦を例に挙げ、解説します。

■OTM準備時間
①味方羽枚数の確認
この段階で、
《味方》
・おもち丸:2枚
・よね:1枚
・RuhiaT:3枚
《相手》
・IKE選手:2枚
・慈音選手:2枚
・カブト虫選手:4枚
でした。

01OTM準備時間

②試合の振り返り
正確な数値は分かっていませんでしたが、私はプラススコアを取っており、よねがデスしている感覚もありませんでした。
そのため、試合中見る事は出来ていないですが、片サイドのおもち丸のデスが多いと推測しました。

③相手の作戦の推測
これらの情報を元にした結果、私が相手の立場であれば、まずおもち丸にターゲティングします。
また、羽の枚数も相まって、少なくとも私を狙う選択を相手はまずしないと確信を持ちました。
この時点で相手の嫌がること…つまり、前詰めをする選択の確度が高まりました。(私のシールド残数は0のため、シールド展開の選択肢はありませんでした。)

■OTM開始直前
④相手シールドの有無
試合中のシールド使用有無迄は記憶していなかったため、相手の腕の位置を注視しました。
結果、
・カブト虫選手→腕下げ=シールド
・慈音選手→腕上げ=攻撃
・IKE選手→腕上げ=攻撃
つまり、前詰めした私に弾が来ても初弾は最大2発。集中すれば避けれない球ではないため、この時点で「1.OTM準備時間」に想定していたポジションよりも更に前に詰める選択をしました。

02OTM開始直前

■OTM開始後
⑤初動の確認
・カブト虫選手
シールドを張ることは分かっていましたが、想定よりも前方に張ってきました。
これは味方を守れる範囲を少しでも広げるための位置と推測しました。
つまり、カブト虫選手目線だと、自分よりも他2人の味方への攻撃を減らしたい意図があるということになります。
その段階で、カブト虫選手を狙うのをやめました。
※前詰めでプレッシャーかけていたため、緊張して張りミスをしたら攻撃を仕掛けるつもりでいましたが、ここはしっかりとシールドを張ってきました。
・慈音選手
開始直後の攻撃手は慈音選手・IKE選手の2名のみであるため、開始後はそちら側を注視していました。(慈音選手はその視線を警戒し、私の方をしっかり見返していました。)
しかし、慈音選手の初弾は私ではなく、よねの方角に飛んでいきました。
この時点で、慈音選手は私がどれだけ前に詰めても、攻撃を仕掛けない限り反撃を受けることはなく、よねを狙い続けると推測しました。
・IKE選手
開始直後、慈音選手・IKE選手の2名を注視したと記載しましたが、それでもあまりIKE選手の視線が私に向いている感覚はありませんでした。
つまり、私への警戒よりも、おもち丸orよねを先に仕留めることが優先事項にあると推測しました。

これらの情報から、対角からIKE選手のみを狙えば、前に詰めていながら、フリーの状態で攻撃を仕掛けることが出来るという判断に至りました。
(カブト虫選手のチャージが完了すれば、攻撃を仕掛けてくると思っていたので、フリーと言っても2秒程度でしょうか…)

画像3

↑カブト虫選手のシールド展開位置

画像4

↑慈音選手の初弾(中央の赤い弾)

上の画像の状態でIKE選手に狙いを定めているわけですが、80秒間のプレイングで、IKE選手はライン際に寄った後に、ジャンプして中央側に回避する癖があることに気づいていたため、跳ねる瞬間を待っていました。

06OTM準備時間

そして、跳ねた所でフィニッシュという形になります。

OTM準備時間から計測すると、15秒程度の時間ですが、その間には多くの情報戦・心理戦があるのです。
HADOって奥が深いですね!
だからこそ伝えづらい部分も多いのですが、超マニアックな本記事で少しでも面白さを感じてくださる人がいれば幸いです。

テキストで打つの結構大変なので、機会があれば解説動画?配信?とかしてみたいですね。協同者募集!!笑

ではでは、本日はこの辺りで!
閲覧いただきありがとうございました。

written by SK/あひる組 RuhiaT


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