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VGBL担当パート解説 ④「Anything Goes!(序盤、終盤)×ゲーム天国」

↑の裏話です。
説明が必要な動画だと思うので、自パートの解説をしようと思います。
解説①「USED TO ROCK’N’ROLL×メタルウルフカオス」
解説②「Popcorn(後半)×魔導物語」
解説③「バトルモード・アリーナ×鈴木爆発」
解説④「Anything Goes!(序盤、終盤)×ゲーム天国」←今ここ!


使用ゲームはジャレコより発売された、自社要素盛りだくさんのお祭りシューティングゲーム「ゲーム天国」。
および、これを主軸にした「ジャレコオールスター」にしました。一番アツくなるであろう所でジャレコのオールスターってなんだよ、という空気を出したかったので。

株式会社ジャレコ(JALECO LTD.)は、かつて存在した日本のゲーム開発会社。

https://gameparadise2017.com/about.html

アーケード版(1995)のヒットを受け1997年に登場したセガサターン版ゲーム天国!
ジャレコ往年のキャラたちと、人気声優を多数起用したオリジナルキャラとの競演!
まさに時代を先取りしたキャラクター重視のコミカルシューティングゲームの誕生!!
さらに、人気漫画家の「そうま竜也」先生をキャラクターデザイナーに起用!!
フルボイスによる寸劇や4曲のオリジナルテーマソング、そしてアニメーション!!
シューティング部分に関しても多くのシューターを唸らせた手応えある出来栄え!!
いわゆる「キャラゲー」にありがちなゲーム本編の手抜きは一切無し!
今なおファンが多く移植リメイクの声が非常に多いタイトルです!

これは参加者にジャレコというメーカーが大好きなシゲさんが居たから思いついたことです。「自分ゲーム天国はめちゃくちゃ遊んでいたので、この際一緒にオールスターみたいなことをやりませんか!」と、企画で一緒になったの初めてのくせに強めに持ち掛けてしまいました。スミマセン。。。
かつて存在したメーカーを題材にするっていうことと、「ゲーム天国」というタイトルのゲームがここに来る構成に、妙な自信があったんだと思います。もちろん以前からシゲさんの動画がツボだったのと、知見と人柄による信頼が大きかったというのが一番ですが。

そんなわけでシゲさんとの合作内合作です。
このパート、ちょっと特殊な分担の仕方をしています。こんな感じです。

合わせた際の最終mixは音合わせのバランスを弄りながらやれた方がいいよね、ってことで自分の方で担当しています

シゲさんは力強い音声が特徴の方なので、最初に台詞と全編に渡るキックの音をお願いしちゃいました。ここが軸になるように、ほんのりと裏音を取っていく…みたいなイメージ。
ここに限らず他の3パートもシゲさんのすぐ後のパートを担当しているので、他の方とのやりとりが多かったこの合作の中でも特に相談する回数が多かったです。ありがたい…。

他パートと違って、キャプチャだけでなくしっかり編集の方で時間を掛けたパートだったので書けることは結構多いかも。画像ペタペタ貼っちゃいますが、重かったらこっそり教えてくれると嬉しいです。

音声に関して

↑自分が担当した部分のBGMなし音源です。
提出ファイルはこれに上記シゲさん担当分のパートを追加して更にmixしているので、動画内の音量バランスとはだいぶ異なります。

メニュー画面とアレンジモードステージ1~8のBGM、ゲーム天国の効果音、個人的に好きなジャレコのゲームの効果音、会社ロゴの音…家庭用という定義に当て嵌まる範疇で馴染みのあるものを詰め込んでいます。
使用素材を全て説明するとキリがないので割愛しますが、使っている音ごとに分けて管理しているため、音合わせだけで100トラックを超えてしまいました…。
フォルダ機能を使って類似音をまとめてVST掛けたりしているのでプロジェクト自体は重く無かったのですが、量が膨大だったので把握が大変でした。楽しくもありましたが。

メイン人力は、このゲームに登場するキャラクター「みさと(CV:こおろぎさとみ)」ちゃんが歌唱する「ラブリースター」という曲から切り貼りで生成しています。ラブリースターそのものについての説明は映像部分でも語りたい事があるので、後述します。

↑みさとちゃん

前半はみさとちゃんオンリーの歌唱。カラオケ音響っぽくしたくてディレイを適当にインサートで掛けたらいい感じになりましたが、こんな事して良いのか?とも思いました。もっといいやり方ありそうすぎる。
後半はハモリ部分をみさとちゃんのお姉さんである「みき(CV:高橋美紀)」さんで作り、姉妹での歌唱パートとして構築しています。こちらもラブリースター歌唱音源があるので、そこから切り貼りで作っています。
このゲームでも4面までは自機が「みき」、それ以降は「みき&みさと」となるので、そこの表現のつもりです。

↑みきさん

一曲だけ(しかも1分半ぐらいしかない)縛りで人力をやるのってこんなに大変なのか…と、途中から気が狂いそうになっていました。原型を崩さないようにこおろぎさとみさんっぽい抑揚をつける事を心掛けました。
むしまるQのこおろぎさとみさんが歌う曲がみさとちゃんと歌い方がかなり似ていたので、比較用にずっと聴き比べながら作っていました。こうしないとゲシュタルト崩壊を起こしそうだったので…。
この曲も抽出して混ぜたら制作だいぶ楽になるのになぁと何度も思いましたが、ここまで拘ってきた意地もあったのでなんとかラブリースターオンリーで制作し切ることが出来ました。人力のクオリティ自体にはあまり自信はありませんが、音声に苦手意識を持っている自分なりにはやれる範囲では頑張れた…と、思います…。

あんま手込んでないように見えちゃいますけど、ここ作るだけでも半日ぐらい掛かっちゃいました…。

あ、主人公の由紀さんにはコーラスになってもらったり合いの手を挟んでもらったりしています。

↑由紀さん。この人ちょっとしたメニュー選択のときも喋るので、セリフ収録量が異常です。

ガラッとした声が特徴なので、広がりのある音に使いたかったんですよね~。
自機を動かしているゲーム外のプレイヤーという設定なので、画面越しにこの世界を包み込んでいるようなイメージを持たせたかったんですよね。
歌唱素材も台詞素材も豊富なのでもっとメイン張らせても良かったっちゃ良かったんですが、あくまでこの構成では俯瞰した立場で居させたかったのでこの形に落ち着きました。

映像に関して

序盤と終盤に分かれているので、それぞれ説明しますね。

・序盤

最初のシーンチェンジ+ロゴ

一瞬過ぎて絶対気付かれていませんが、OPの「GAME」が流れている所を黒抜きして使用しています。全体的になるべく馴染みのあるサターン版を使用するようにしているのですが、このOP文字に関しては綺麗な解像度で黒抜きしたかったのでSwitch版をキャプチャしました。

OPの1カット。これに限らず、この時代のゲームOPってこういう表現するのが好きなイメージがあります。

ゲーム天国のロゴは、サターン版極楽パックに付いてくるOVAのVHS外箱をシゲさんに撮影して頂き、それを切り抜いて使用しています。紙の質感が残っていて気に入っています。

みさとちゃん歌唱

ゲームではこんな感じ。アレンジモード4面のカラオケワールドというステージなのですが、このアレンジモード自体が家庭用にしか収録されていないものなので、歌ってるしインパクトもあるし使わない手はないだろ!!!ということでチョイスしました。
さっき触れたラブリースターは、このステージで歌っている曲ですね。

で、これ頑張れば立体的に動かせるんじゃね?って思って実行したのが自分の序盤パート。具体的にどういうことをやったかというと…

①セガサターン版に鑑賞モードを呼び出せる裏技コマンドがあるので、それを使ってみさとちゃんをキャプチャ。

この裏技コマンドはシゲさんに教えてもらいました。サターン版相当遊び倒してたのに鑑賞モードの存在知りませんでした…。

②有志の方が上げてくれていたBB(sm28412543)を参考にマスクしながら補完切り抜き。ドアップになる構図なので、なるべく粗が見えないよう境界線の調整は拘りました。

1ループ分の切り抜きを連番pngで書き出して、気になるフレームをPhotoshopとAsepriteで調整しました。
かわいい~

③上の鑑賞モードで、みさとちゃんが表示されるまでのラグがあるので、その箇所の背景をトリム。

このラグが無かったら重なっていない部分を別フレームから見つけて継ぎ接ぎするしかなかったので、助かりました。

④AIで拡大しアプコン、ゲーム天国の家庭用版ポスターをコラして色を整える。

止め絵で見るとポスターの色味エグいんですけど、明度を統一しないともっと違和感が生まれてしまうのでこれで妥協。

⑤3Dレイヤー上に配置し、元ステージ風にした文字を出す。位置が決まったら、モーションブラーを追加してカメラで動きをつける。
ライトレイヤーを配置して影も作成。ドット絵は平坦な明度にしたかったので、オブジェクトそのものは光の影響を受けないようにしています。

黄色→白っぽいピンクにグラデーション。フォントはPopジョイで代用していますが、今思うとこの文字数なら作字しても良かったな…。

⑥グロー、色調補正、ダスト系のパーティクルを追加。色合いを見ながら、変動する軽めのブラーとグレインを調整レイヤーにぶち込んで手打ちで管理。この作業が映像やってて一番楽しい!!!!

ほんのちょっぴり色収差させてから変動するブラー掛けるのはこれに限らずよくやる。

⑦補正エフェクトをフェードアウトさせて、歌唱モードから素に戻す。都合よく右を見る困惑した表情があって助かりました。左右のコマはシゲさんが漫画版から切り抜いて動きをつけてくれました。(というか厳密にはここからシゲさんパートが始まっています。)

元でも歌い終わるまでに歌詞を100文字撃破出来ると部屋が爆発してこの表情になるので、状況としては同じ。このおっさんなんでカラオケに襲撃してんの?

序盤はこんな感じです。やってる事自体は多くないので、ほぼ全部さらけ出せちゃいました。自機とかふよふよ浮かせようかな、とも思ったんですが画角的に入る余地がなかったのでそこは終盤までお預けになりました…。


・終盤

加速ついて

直前のクラリスカーアップから、CruisinMix Special(PS4、Switch版)のDLCにて追加された自機も含めて全員登場。(そもそもクラリスカーがCruisinMix SpecialのDLCキャラ)
これ、プレイ動画から弾幕やエフェクトが重なっていない部分から動きを見つけて切り抜く以外に手段がなかったので、まずアニメーションに必要なフレームをかき集めるのがしんどかったです。
特にジェネシス3(左から二番目のUFOみたいなやつ)が12枚アニメーションしていたので、ブレがない箇所を見つけてくるだけでも大変でした。
先に作業が終わって余裕があった方々に切り抜きを手伝ってもらって、なんとかなった部分です。頭が上がらないです…。

背景に散らばっているパッケージ群はジャレコが家庭用ハードに出したゲームたちです。

全175本、ものすごい勢いで飛ばしています。

ジャレコゲーのいい感じのリストがネット上に転がっていなかったので、自分よりも間違いなくジャレコに精通しているシゲさんに作成をお願いしました。
出来上がったリストに基づき、パッケージ画像を収集。
この収集に関してもシゲさんに協力してもらっています。マジでシゲさんが居なかったら絶対成立していないなこれ。頭が上がらないです…(2)。

「加速ついて」の一文字ずつ点滅しながらプルプル動いているのはバトルドームリスペクトのつもりです。フォント違うので伝わらなそうですが。

止められなくて

選考基準が意味不明な、ジャレコのゲームのキャラがいっぱい横切っていきます。
全員説明するとキリがないんですが、絶対的に欲しかった要素としてはオーズの曲なんだしバイクに乗っているキャラが中央で陣取っていてほしかったんですよね。
探し始めても全然バイクに乗っているキャラが居なくて途方に暮れていたんですが、偶然シゲさんが動画で発見した「ピザポップ」というゲームの二面で主人公が宅配バイクに乗っていたので採用しました。
この時自分とシゲさんだけ熱狂していたのが今でも忘れられないです。

マジでこの2人しか盛り上がってなかった

この後もずーっと探していたんですが、他に見つけれたのがバニシングレーサーに出てくるザコ敵ぐらいだったので、ピザポップをこの時期に発見出来て本当に良かったです。
ピザポップという全然知られていない(なんなら自分もシゲさんも知らんかった)ゲームが大盛りあがりの場面で中央陣取ってんのもこの合作らしいですし。

歴代ジャレコロゴゾーン

当初は立体的にパチンコみたいな映像にしたかったんですけど、ロゴとゲーム画面が極小になりすぎて見せるべきものがブレてしまうな…と思い、背景いっぱいにジャレコゲーを配置しその上をロゴが動き回るという構図に落ち着きました。妥協した、とも言えますが…
背景の2Fごとに切り替わるゲーム画面はシゲさんのキャプチャが大半を占めています。頭が上がらないです…(3)。

歴代ジャレコロゴはPCCW含め全部出しています。2010~のロゴはシゲさんすら認知していなくて合作最終盤に発見して本気で焦りました。ジャレコの最後のゲームソフト、「ワイズマンズワールド」でのみ確認できるロゴです。気付いてよかった~~~

このメーカー波乱万丈すぎる

最後のカットは、かなり分かりづらいですがファミコン版「シティコネクション」のクラリスカーが突入してメーカー「シティコネクション」が完成する、という構図にしています。ジャレコの遺伝子は今でも生きているということを示したかったので、無理矢理でもいいからねじ込みたかったんです。

これが
こうなって
こうなる。

本当はもっと派手なエフェクト掛けたかったんですけど、次パートが一瞬で来るので尺の猶予が全然無かったんですよね…もっとやりようあったかな~っていう後悔が未だにあります。良いアイデア思いつかないけど…。


やたら長くなってしまいました!こんな感じですかね!!
こんなゲームを出すメーカーがかつてあった、ということを知ってもらえると嬉しいです。
ゲーム天国は、「ゲーム天国 CruisinMix Special」としてシティコネクションからPS4、Switch、steamにて発売されているのでかなり遊びやすいです。

難易度はそれなりに高いですが、オプション設定が細かくいじれるのでシステム面にとっつきにくさはないはず。ノリ自体はかなり人を選びますが。声優ゲーな側面もありますし。
90年代のノリが好きで、パロディウス系STGが好きな方に是非!自虐的なエッセンスも多く、ジャレコというメーカーの苦悩および向き合い方が随所に滲み出ております。