コーチBOX

試合中のビデオ撮影アングル

サッカーやラグビーといった屋外で、かつ広いフィールドで行われるスポーツをビデオ撮影する際、どこから撮影していますか?

だいたいフィールドのセンターラインあたりから横向きで撮影することが多いのではないでしょうか?
なぜならカメラをパーンさせれば攻守ともに撮影でき、撮影アングルに偏りがでないからでしょう!
ただし・・・スタジアムやソコソコの観客席設備のあるグラウンドでないと真横から目線での撮影になり、あまり見易い映像とは言えないですよね!
そんなときは 以前ご紹介したB-iRodを使用して高さを確保しましょう!
(※B-iRodのご購入をご検討の方はこちらから 株式会社ルミカ)

では 高さがある程度確保できることを前提にお話にします

■真横からのアングル(基本アングル)

このアングルは基本 ほぼすべてのフィールド競技において撮影されるアングルでしょう!フィールドのセンターライン付近から、左右ともに攻守のすべてを撮影できるため、必須アングルになるでしょう
下図の赤い四角線で囲んだ場所がビデオ撮影塔です!

ドローン_ビデオ位置

この会場の場合、工事用の足場を組んだ仮設のビデオ塔になりますが、ビデオカメラの位置は約8mくらいの高さからの撮影となります。
ただし、この場所からの撮影は、カメラを2台使用し、2アングルの撮影をしています

▶Normal-View(ノーマルビュー)

ビデオカメラのズーム&ワイド機能でコントロールして、試合の流れに合わせ、ボールキャリアを基準にプレー場面に寄ったり引いたりして撮影した基準アングルです。密集もに参加している選手も並んで立っている選手もだいたいわかるように撮影します(すべての試合の基準アングルになるので、コーチや選手に配付する映像になります)

画像2

▶Wide-View(ワイドビュー)

もう1台はワイドビューといって、ノーマルビューを撮影しているカメラの横や上に搭載し、ズーム&ワイド機能を最大限ワイドにして、なるべくフィールド全体が入るように撮影します
(※1つの三脚で2台のビデオカメラを付けるにはコチラを!種類もいろいろあるので、好きなモノを選んでください)
(※多くの皆さんは横に並べて搭載させますが、アングルに拘って上下の搭載もあるので、上下の場合はコチラ少し改良して使用!)

画像3

上図はノーマルビューと同じ試合シーンのワイドビューのアングルです。
確認できる範囲が随分広くなり、ノーマルビューでは映らない手前サイドも確認することができますよね

■ん~なんか物足りない… 
 もっと選手一人ひとりのポジショニングを知りたい

てなことで、こんなコーチングスタッフの要望を叶えるがために、撮影アングルを増やしてみました

▶End-View(エンドビュー)

Hポールのうしろからグラウンドを縦に撮影し、選手一人ひとりの立ち位置や広さ、空いてるスペースなどを確認するのに見やすいアングルです

ドローン_ビデオ位置 - コピー

上図でビデオ撮影塔とは別に、右端にある赤い四角のある場所からの撮影となります
撮影者やビデオカメラに余裕がないとできませんし、高さがない場合は脚立を設置して座って撮影したり、先ほどのB-iRodなどを使用して撮影しないといけません

画像4

このようなHポール裏からの縦映像になります

基本的にこの3アングルがチームで試合中撮影をして、分析やレビューに使用するための試合映像になります

ビデオ位置

※赤線:ノーマルビューの映像範囲
※黄線:ワイドビューの映像範囲
※青線:エンドビューの映像範囲
この3アングルの撮影では、録画ボタンを押すタイミングを揃えると、あとでレビューする際に再生時間がそろって見やすいですよ!

■トップリーグでは

上記3アングルは自前のビデオカメラで撮影します。
(使用するビデオカメラは前回のスレを参考に!→コチラ
これに協会から提供されるTV放送用の映像が共有され、計4アングルで確認することができます
ただし、TV放送用の映像はスイッチャーで撮影カメラが変わってしまうので、プレーを連続的に追うにはちょっと不便も感じます

■その他のアングル撮影

海外のプロリーグなどでは、これにドクターのケガの確認などにも使用するメディカル用もあり、計6アングル以上になるそうです

あとは、トレーニングマッチなどでは特にFWが、両サイドからスクラムとラインアウトのセットピースだけを撮影したりもします


そして・・・

■ドローンの登場

すでに一番初めのビデオ塔の位置を説明する画像でお気付きの方もおられたかもしれませんが、近年ではドローンという撮影機材が出てきました
しかし、連続撮影もバッテリーの関係で20分程度しかできませんし、墜落落下した場合に危険ですので、公式戦などでは使用できません
トレーニングマッチで両チームの了承を得た上で、使用することがあります

ドローン1

(上図は、ノーマル/ワイドビューの試合映像と同じタイミングです)


この映像があったら、グラウンドに立つすべての選手を把握できてしまいますね!立ち位置、幅、深さ、スペースなどすべて確認できますね
(初めて見たときは驚きとワクワクで ウイイレかぁ!ってなりました)
近いうちに100分くらい継続飛行できるドローンが発売されれば、常にこういった映像を撮影することできるでしょうね


個人やチーム単独ではできないけど・・・

■スパイダーカム

ワールドカップなどで見たことある映像かと思いますが、大きなスタジアムを使用する試合ではこのスパイダーカムでの真上からの映像が撮影可能です

非常に見やすく、臨場感に溢れ、刺激的な映像を入手できますが、簡単に設置し、撮影できるものではありません。 もちろん費用も・・・

■これからのスポーツをより刺激的に

ITの進化により、より刺激的で観戦者を興奮させる映像の見方もできるようになってきました。それが360度アングルです
すでにアメリカではアメフト(NFL)やバスケ(NBA)などでは採用され、ネット配信で試合を見ている人へのサービスや会場の大型ビジョンなどで映し出し、使用されているそうです。
昨年のラグビーワールドカップ日本開催でもキヤノンさんが同じようなシステムを採用し、盛り上がりましたね

スタジアム全体にカメラを設定し、何アングルもの映像を処理して360度どこからでのそのシーンを見ることができます!


■その他

今ではいろいろなカメラが出てきています
アクションカム、IPカメラ、AIカメラ。。。技術の進歩はすごいです!
特にAIカメラは、設定でボールだけを自動で追いかけて撮影してくれたり、選手の体の向きや走るスピードなどもソフトウェアと連動して測定できたりするそうです


では 次回はドローンビューの映像があったからこそわかったプレーの幅について書きたいと思います

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