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トンビは赤い服を狙う

先日、日課の散歩をしている時の事。天気が良かったので森林浴でもしようと思って木と川に囲まれた林道(割とお気に入り)へと向かった。人通りがほとんど無い為、日々の喧騒から離れてゆったりとした時間を過ごす事が出来た。

ふと、上を見上げるとトンビが飛んでいた。自分のすぐ近くの空の上でクルクルと回っていてまるで自分の事を見定めているかのようだった。
その日は茶色の帽子を被っていたからもしかしたらスズメか何かに見えたのかもしれない。
もしかして狙われてる…??コレ、食われるんじゃないか、なんて思いながらクルクル飛行するトンビを睨みつけながら散歩を続行した。
トンビには何かと思い出があった。

幼少期の頃、父親と散歩をした事があって、その時も頭上をトンビが飛んでいた。「トンビだー!」と興奮する自分に父は静かに言った。「トンビは赤い物を狙って飛んでくるから食べられちゃうね」と。
父の発言の真偽は定かでないが自分の記憶に今も尚覚えているくらい中々のインパクトを残した事は確かである。何故ならば、その日の服装は真っ赤なTシャツで父の言葉に信憑性を持たせるかのようにトンビがクルクルと自分の周りを飛んでいたのである。まるで獲物を狩るのを今か今かと待つかのようだった。
トンビに食べられる妄想が如実に浮かんでビビりまくった自分は「ぎゃー」と怖がりながらトンビから逃げ帰ったのを覚えている。
元々赤色より青色の服が好きだった自分だが、さらにトンビに食われるリスクを恐れてそれから赤い服はあまり着ていない。

今でも父が何故そんな事を言ったのか分からないが本当に赤い服を着ていると狙われるのだろうか。いつかその謎を解きたいものである。

まぁ、そんな苦い話もあるがトンビは嫌いではない。むしろ好きだ。
歌が好きな自分によく祖母が歌のビデオを買い与えてくれた。その中に「とんび」という歌があって祖母と一緒に歌って楽しんだ記憶がある。何曲も歌が収録されたビデオの中でこの曲は1.2位を争うくらいお気に入りだったのだ。
サビ部分に「ピンヨロー」とトンビの鳴き声を表した歌詞がありそこが好きでトンビを見る度にこの歌を歌っていたし、今でもトンビを見ると歌い出してしまうくらい、印象的な歌である。
今でもハイセンスな歌詞だなと思っている。

無事、トンビに襲われること無く帰路に着いた自分は次なる動物との出会いをする。

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