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「メズマライザー」共通解釈と考察まとめ

絶賛バズり中の楽曲「メズマライザー」。ポップで中毒性のある曲調に反してMVはとても意味深でダークなものとなっている。
YouTubeのコメント等を見ていて色々気になったというのもあり、作曲者であるサツキ氏のことをプロセカNEXT「CIRCUS PANIC!!!」の時から存じていたのもあり、自分なりに共通解釈(主にヘルプサイン)と個人的な考察をまとめてみた。


共通解釈

  • サムネ

ミク身体・バクダン(トゲトゲしてるやつの名前)・テト身体
→「S・O・S」の字になっている

  • 0:36~0:42(1番Bメロ)

テトの手話→アメリカ手話で「助けて」

  • 0:50~0:54(1番サビ)

テトのまばたきの長さ→モールス信号
・・・ --- ・・・ →SOS

  • 1:05(1番サビ)

歌詞「誰か助けてね」
(見落としがちだが、一度ここで直接的に助けを求めている)

  • 1:09~1:18(間奏)

英単語の頭文字(大文字)で「HELP」
(ちなみにPの「Phosphoribosylaminoimidazolesuccinocarboxamide」はプリン体の代謝の途中でできる中間体で、略称は「SAICAR」 。これ自体に深い意味は見られなかった)

  • 1:17~1:18(間奏)

テトの左手(手をにぎにぎしてる所)→「助けて」のハンドサイン

考察

前提

まず大前提として、「そもそもテトは何に対してSOSを出しているのか?」という事を定義しないとそもそもの考察に移れない。
それは「催眠がなきゃやっていけないこの辛い現実」に対してなのか、「催眠にかかることそのもの」に対してなのか。
今回はどちらのパターンも考え、前者は①②、後者は③の考察での前提として話を進める。

ちなみにミクが脆弱性(ぜいじゃくせい)を「きじゃくせい」と読んでいる(作者は意図的なものと公言している)部分については2パターン考えられる。
「き」が違っているので「気が違う」という解釈と、「そもそも間違って読んでしまう程度には知能が一時的に低下している」という解釈がある。

考察①

ミクは催眠にかかって狂ってしまった

深く考えずにMVを見ながら曲を聴いた場合、こちらが思い浮かぶだろう。
しかしこの場合、歌詞全体の意味や「催眠にかかった直後に強制解除されている」という部分等、色々と辻褄が合わないのでこちらの可能性は低い。

考察②

ミクとテトは元から催眠にかかっており、その後ミクのみ解除され狂ってしまった

(1番サビ前「さらば!」のタイミングで現実から逃避するための催眠にかかる)
しかし2番Aメロ(強制解除)では、ミクのみ催眠が解除されてしまった。こちらは歌詞の通り&その直後のグリーンバックで「本当の現実は今まで見ていたハッピーな景色ではなく、何もない(※グリーンバックを切り抜くと透過されるから)ということ」を示している。

そしてテトは催眠に抗っていたのではなく、「催眠の強制解除」の方に抗っていたのだ。
テトの解除中に音楽がフェードアウトからのフェードインになっているのは「解除から逃れようとしている」と考えられる。
その直後のグリーンバックでも、テトのみ抗った一方でミクが解除されてしまったことをテトが察し、冷や汗をかいている。
(ミクは耐性が無かったのか、抗えずにそのまま催眠解除されてしまった。また、催眠解除はミクの身体に合わせて枠が動くのに対し、テトは枠と身体の動きが合っていないから、というものでもある)

ここで一度、歌詞全体を通して読んでみると
「現実は辛いから適度に逃げて生きて行こう」というものである。
そして強制解除で、ミクのみ催眠(=つらい現実から逃げれる手段)が解除されてしまったので、
ラスサビのテトの「現実を直視しすぎると失明しちゃうんだ!だから適度にね」でミクは現実を直視しすぎてしまい、ミクのみ壊れてしまった。
テトは文字通り適度に自分に催眠をかけていたので、壊れずに済んだのだ。
一方で辛い現実に対する助け自体は求めていたので、SOSのシグナルを要所要所で出していた。

さて、今度はサムネのバクダン(トゲトゲしている丸のこと)に注目して欲しい。
よく見るとミクの上にバクダンがあり、バクダンの上にテトがいる。普通のMVならレイヤーミスでしかないが、この楽曲においては意図的なものなのである。
そしてこの②の解釈の場合、このレイヤーの謎は「バクダンは催眠の記号ではなく、催眠解除の方を現わしているものだ」とすると全体の辻褄が合う。

強制解除後に一度グリーンバックになるのは、「明るかった背景(現実)すらもニセモノであった」ことを示唆している。
ミクは催眠が解除されて呆気に取られていて、テトは解除されずに済んだのでこのグリーンバックを見て「こんな無機質な現実を直視することにならなくて(=催眠がかかったままで)良かった…」と冷や汗をかいている。

個人的にはこの②が一番しっくりくる解釈である。
ラスサビでミクの動きがテトより遅くなって全体的にズレている&歌うパートが終わってもひたすら踊り続けているのは、壊れてしまったカラクリ人形のように踊り狂う様を現している。

さて、一旦ここで前提を覆してみる。考察前に記したSOSのサインの意味の部分だ。
そうすると、これまた違った解釈ができるのである。

考察③

テトは催眠にかかることそのものに対してSOSを出している

=1番サビ前から既に催眠にかかってしまっていたので1番Bメロにて手話で助けを求めていた

こちらの場合、②と違って「2番サビ(強制解除後)でテトだけ顔に汗を書いている」の意味が真逆になる。

テトはせっかく催眠解除のタイミングがあったにも関わらず、自分だけ解除されていないことを(解除されたミクを見て)察し、それで焦っているのである。
何故察せたのかは、「サムネでテトがバクダンの上にいる」部分からするに、テトはバクダンという催眠やその催眠の解除に対して元々強い耐性を持っているからと思われる。


これの根拠はお互いの名前にある。「初」音ミクと「重」音テトだ。ミクは初めての催眠経験で、テトはそうではなく過去に経験があったが故の2人の歌だったのだ。
耐性のないミクは催眠によって狂ってしまったが、考察①と違ってテトにも催眠がかかってしまい、しかし抗っている最中に何度かSOSサインを出しているのである。

あとがき

メズマライザーは様々な考察があるので、他の方のも読んで頂けるとこの曲の深さや面白さがもっと伝わると思う。
ここまで読んで下さりありがとうございました。

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