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うちのねずみの次男の話

長男は自力で生きていける人に育ちましたが
次男は兎に角勉強が嫌いで大学なんてもっての外!
と言う事で
高校卒業後は夫の跡継ぎとして考えていました。
店は次男が生まれた年に開業したので丁度17年目で
その業種では少しは名の知れた店に成長していました。
しかし、夫の外交販売の助けなしでは、店の存続は
なしえなかったでしょう
県外での外交の仕事が大変だと言うことは
長男は学生時代に、次男は高校卒業後に
夫の県外での外交販売の仕事について行って経験していますから
大変な仕事だと分かっています。
こんな大変な思いをして自分達を育ててくれていたんだと言う事が
分かってくれて良かったと思います。

夫は仕事に対しては一切妥協をしない厳しい人です。
(20代後半の時には車を3台買って人を何人か雇って全国を
外交販売していましたが、余りにも仕事に厳しいので
次々辞めていきましたが、
後に自営業で成功した何人かに「厳しく仕込んでくれたから今の自分が有り社長には感謝しています」言われた時には夫も嬉しそうでしたね。

仕事に関しては普段の父親としての優しさはありません。
次男は県外で仕事中に余りにも厳しく𠮟られたことが有り
家に帰ろうと決心して父親の元を飛び出したものの
見知らぬ土地だしお金も余り持ち合わせて無かった彼が
福井の駅で途方に暮れてベンチに座っている所を
探していた夫が見つけて連れて帰った事がありました。
それを電話で聞かされた私は
短気なうちのねずみが人前でもお構いなしに次男を怒鳴った事を
想像して胸が痛くなりました。(後に聞いた話では、次男も負けずに反撃したので喧嘩になりお客さんに止められたとか。流石に次男です)
自分も経験しているので…
まだ18歳の彼には辛い経験だったと思います。
怒ると人のプライドなんか平気でズタズタに出来るひとですから。
瞬間湯沸かし器みたいな人ですが、冷めるのも速く
直ぐに反省して謝る事も出来る人ですが……
それが分かっていても、中々理解する事は難しいです。
特にまだ若くて甘やかされて育った次男には無理だと思いました。

当時夫は年齢も48歳と若く1人でも外交の仕事は出来ますし
彼も内心では大切な息子には自分の様に
家族と離れての寂しい生活はやらせたくないと思っていたようです。
店だけで生活出来るように、してやりたいとの思いもあり
店の経営基盤を盤石にすべく頑張っていました。

次男も色々考えて、悩んでいるようでしたが、
ある日次男が何年か東京に行って色々経験してみたいと言ってきました。

甘やかされて育った次男を遠くにやるのは、
不安で心配でした(親の脛を齧りながら楽しく過ごす大学生活ではないのです)
大都会で働きながら自分の力で生活できるのか…
中々子離れ出来ない愚かな母の悩みは尽きませんでした。

【可愛い子には旅をさせろ】と言う格言もあり
私達は東京行きを承諾しました。

見出しの写真は小学生の次男とうちのねずみです。




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