転職推奨派に振り回されてはいけない

令和2年の厚生労働省の調査では転職してよかったと感じている人は、転職挑戦者の50%強と約半分だ。
「成功者が50%もいる!」と受け取るか、「転職挑戦者の半分もの人が失敗している」と受け取るかは人それぞれであるが、冷静に考えて成功率50%は高いとは言えないだろう。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-r02-2-03.pdf

加えて、マイナビの調査によると、転職して収入が上がった人の割合は、4割弱。2割の人は、前職よりもむしろ収入が落ちている。

収入が下がってでも労働強度が低い会社に転職したいといった動機であれば良いが、多くの場合で収入は最低でも現状維持したいと考えているだろう。

このように、多大な労力を割いて転職を試みても、現実はこんなものだ。

どこで働いても勤め人(サラリーマン)である以上は、そこまで大きくは変わらないわけだ。

もちろん、諦めずに納得いくまで何度も転職活動してみるのであれば、そのうち理想の会社にたどり着くことはできるかもしれない。

しかし、何度転職しても成功しない人も当然いるだろう。

こうした実態がある中で、転職を推奨している人というのは、転職に上手く言った側の人である可能性が高い。

また、転職市場は非常に需要が高く、アフィリエイト報酬目的の提灯記事も無数に存在する。

一方、転職に失敗している人は、わざわざ公の場で自身の失敗について発言する必然がない。
故に世に放たれる転職関係の情報は、多くの場合成功した側の発言だ。

私自身は20歳の時に一度転職を経験している。新卒入社した会社が比較的厳しい環境だったため、労働強度を下げることを目的に転職をした。

その結果、収入はほぼ変わらなかったものの、労働強度はむしろ上がった。

私はこの時、サラリーマンにおける転職の無意味さを悟り、その後は転職活動をしていない。

もちろん、私の事例はあくまで私の事例であって、誰もが同じになるとは限らない。

最後に

転職の動機が「今の会社が嫌だから」「給料が低いから」という消極的理由であるならば、転職という選択肢は徒労に終わる可能性が50%程度はあると私は思う。

それならば、今の会社で自身の考え方や立ち振舞を変えることで、状況を改善するという選択肢も視野に入れておくことをおすすめしたい。

先述したように、私は転職に失敗している。

それゆえに、転職の運要素に振り回されるのは御免であると考えており、そのために様々な書籍を読み込み、自身の思考や行動を変えることで、会社を変えずとも肯定的に働き続ける術を身に着けることができた。

人は考え方一つ変えるだけで、自分の置かれている状況を幸にも不幸にもできる生き物であり、どうせ労力をかけるのであれば、そういったことへの挑戦に力を割いてはいかがだろうか。

転職を考えるのはそれからでも遅くはない。

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