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【山雅2022レビュー】vsいわき|J3第18節

ただただ、よく耐えたな、という試合だった。
この試合における、ロングボールの際の、お互いの陣形の作り方と、山雅はなぜ圧倒されたのか、ということについて振り返る。


2022.8.7
J3 第18節

いわきFC
×
松本山雅FC


※第20節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。
前回の対戦:【山雅2022レビュー】vsいわき|J3第14節

~スタメン~

いわき(赤):4-4-2
山雅(緑):5-3-2

~試合展開~

前回の対戦と、試合内容はよく似ていた。
そのため、前回の対戦を軽く振り返った後、この試合についても振り返っていく。

前回の対戦振り返り

お互いに、とにかくロングボールが多い試合となっていた。
そんな前回の対戦をざっくり振り返る。
(より詳しい内容は、前回対戦のレビューを読んでいただければと思います。)

フォーメーション
山雅:5-3-2
いわき:4-4-2

ロングボールを蹴るとき、いわきはボランチが縦関係になり、SHは中央に寄ってくることで、4-1-3-2のような形になることが多かった
一方、山雅は5-3-2で構えるが、IH菊井の位置が高いことが多かった

いわきはSH岩渕・山口が中央に絞り、4-1-3-2のような形。
山雅は5-3-2だが、菊井が高めの位置で待つ。

いわきの方が、ボールがこぼれるエリアで上手く密集地を作り、セカンドボールを拾っていた。

菊井が高い位置を取ることにより、いわきのSH(特に右SH岩渕)がフリーになることが多かった。
そのため、セカンドボールを拾った後、いわきはSHを起点に攻撃を展開し、山雅のゴールを何度も脅かしていた。

今回

ここから、今回の対戦を振り返る。

・山雅GK・DFからのロングボール

まずは、山雅側がロングボールを入れる場合を振り返る。

山雅は5-3-2の形でセットし、小松にロングボールを放り込む。

一方のいわきは、前回のような4-1-3-2ではなく、4-4-2のフラットな形で、MFの選手たちは少し低めの位置で構えていた。

山雅がロングボールを放り込む時の、選手の立ち位置

4-4-2にするメリットとして、山雅の早い攻撃に対応しやすくなる、ということがある。

仮にボールが横山へ渡ってしまって、サイドの深い位置で起点を作られそうになった時、SBが基本的に対応する。

その時、4-1-3-2ではなく4-4-2で、MFの選手たちが低めの位置を取っていたことにより、SHがすぐにSBのサポートに行けるので、横山に対して二人で対応することができる。

また、他のMFの3人も、すぐに帰陣することで、ゴール前を堅く守ることができる。

いわきのMFの選手たちが素早く戻ることにより、山雅の速攻を防ぐ。

例えば、24:55~のシーン。
小松が逸らしたボールを横山が拾い、左サイドの深い位置で起点を作る。
このシーンでは、SH岩渕は、横山と対峙する右SB嵯峨へのサポートには行けていないが、それでも、いわきのMF4人が素早くゴール前まで戻ることで、強固なブロックを築いていた。

このようにして、山雅の絶対的なエースである横山を封じ込めていた。

・いわきGK・DFからのロングボール

次に、いわき側がロングボールを入れる場合を振り返る。

いわきは、SB、SHが中央に絞り、2-4-2-2のような並びになる
中央により密集させることで、セカンドボールを拾いやすくなるようにしていた。

一方、山雅は、先ほどと同じく5-3-2の形を取る。
IHの菊井や安東は、いわきのボランチを見るのか、SHを見るのか、場面ごとに変わっていたのでなんとも言えないが、少し高い位置を取っていわきのボランチを見ていることが多かったと思う。

いわきがロングボールを放り込む時の、選手の立ち位置

そうなると、前回の対戦と同様に、いわきのSH岩渕・山口がフリーになり、攻撃の起点となっていた。

いわきSH岩渕・山口がフリー。

山雅のDF陣は、裏を狙ういわきFWや、上がってくるSBをどうしても見ないといけないので、SHに対しては寄せに行くことがなかなかできていなかった。

いわきSHに対して寄せに行きづらい。

~試合結果~

いわきFC  0

松本山雅FC 0

~ハイライト~


~変わらない試合展開~

なぜか無失点

シュート数は山雅が4本、一方のいわきは、なんと23本
終始圧倒されていた試合だったが、奇跡的に無失点で、勝ち点1を持ち帰ることができた。

CB陣が必死に体を投げ出してシュートをブロックし、GKのビクトルが必死にゴールを守ってくれたからこそ、なんとか無失点で終えることができた。

圧倒された原因

このような圧倒された試合展開になったのは原因がある。
それは、いわきのSHをフリーにし続けてしまっていたということ。

後半途中でボランチを1人から2人に増やすことで、多少マシにはなったが、それでも十分ではなかった。

変わらない戦い方

問題なのは、前回のいわきとの対戦でも、同じように相手のSHをフリーにしていたということ。

SHをフリーにさせておくとまずいというのは、前回の対戦で痛いほど分かったはず。
いわきと再戦するに当たって、山雅の最重要課題だったと思う。

にも関わらず、SHへの対策はこの試合では見られなかった。
そして案の定、山雅はいわきの攻撃に苦しみ続けていた。

改善案

5-3-2で戦うのであれば、どう守れば良かったのかを考えてみる。

いわきのSHを抑えつつ、ボランチにもある程度プレッシャーをかけるため、ロングキックの際の、選手の立ち位置を修正したい。
変更点は2つ。

  • IHの菊井と安東に、いわきのSH岩渕と山口をマークさせる

  • FW小松に、いわきのボランチ2人を見させる

菊井、安東、小松の立ち位置を修正したい。

こうすることで、まず、セカンドボールを拾える可能性が上がる
また、仮にセカンドボールを拾われたとしても、SHをしっかりマークしておくことによって、いわきの攻撃を遅らせることができていたのではないかと思う。

~終わりに~

前回と同じようにSHを自由にしてしまい、同じように圧倒される試合になってしまった。
前回勝ったから、同じ戦い方で今回も勝てるだろう、という考えだったのだとしたら、少し不安である。



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