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文章は素直さだけではだめ!?読者のために優しい嘘をついてあげる

いい文章を書くために「素直さが大事」と多くの人気noterが言っている。
とても共感する。
でも実は、サービス精神としての「嘘」も大事なんだ。

とある女性アイドルの無料ライブを見た。
ファンがたくさんステージを囲っている。夢中になって声援を送り、ペンライトを降っている。
いくらお金を使っても、ライブに足を運んでも、恋仲になることはない(例外はあるが)。
アイドルは偶像だ。疑似恋愛を楽しませるのだ。

漫画【推しの子】でも
「上手な嘘でファンを楽しませるのがアイドル」
主題歌 yoasobi「アイドル」の歌詞でも
「愛してるって嘘でつむキャリア」
とある。

文章でも嘘をついたほうがいい時がある。
偽情報やでっちあげを書けってことではなくて。
読者を楽しませるための嘘を。

言い換えると、本心と事実だけを書いては退屈な記事になりがちということだ。

例えば僕は、最近とある文章術の本を読んだがイマイチだった。
・テクニックはたくさん掲載されているのだが、具体例がないから実際に活かしにくい
・著者の肩書きや受賞歴は前書きとプロフィールだけでいい。本文に実績が何度も登場して自慢げに感じた
・書棚に置いとくほどの本じゃないのですぐに売ってしまった

この事実と感想をそのまま書評として投稿したらどうだろう。読む人も著者も出版社も不快になるだろう。
(購入を検討している人には、正直なレビューで役立つかもしれないが)
書き手の僕も読者からの印象が悪くなるはず。

だから優しい嘘をつく。

  • とても分かりやすくて、ライティング初心者でも読みやすい(小説や学問書と違い、文章術本は実用書だから読みやすいのは当たり前だけど)

  • いろいろ学びになったけど、皆さんに知ってほしい技が一つだけある(一つしか目新しい情報はなかったけど)

多くのファンを持つ書き手は、多かれ少なかれこのような嘘を混ぜている。
ときには嘘をついて楽しませるのも必要なんだ。
本音と建前。
本当のことばかりじゃやっていけないんだ。

良いふうに言えば「編集する」。
嘘じゃなくて読者のために編集しているんだ。
この気持ちで書けば罪悪感は減る。

真面目に正直に書いても読まれるとは限らない、険しいnoteライフ。
ときには面白くなるなら虚構を混ぜてもいい。
そもそも漫画やアニメはフィクションという嘘を楽しんでいるから。

きっと書き手のだれもが少し嘘をついている。
あの有名な書き手さえも。

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