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ラッキーデーには、あのトーストを

去年から高校生の子供たちに便乗して、私も弁当を持って行くようになった。
それによって、昼の弁当用のご飯を毎朝炊くようになった。(前夜にタイマーオン!だけどね)
このご飯の量がとても中途半端。1合ではほんのちょっとだけ余るのだ。だけど、朝ごはんに食べる分と合わせて2合だとちょうどいい。そんな理由で、朝に炊くご飯の量は2合と決まっている。
そうすると自然と朝ごはんは、「ご飯と味噌汁」となり、パンの入る余地がない。

たまに、このご飯の需給バランスが変わる日がある。
例えば、私のお弁当がいらない日(友人と外食ランチするとか)と、夫の朝ごはんがいらない日が重なった時。そんな日は、ご飯を1合炊いて、弁当分と冷凍分にする。そして……朝ごはんに、食パンを食べられるのだ。
それを密かに「ラッキーデー」と呼んでいる。

もちろんご飯は好きなので、毎日でも全然苦じゃない。味噌汁には具をいっぱい入れれば、野菜とタンパク質が一気に取れて、栄養バランスもバッチリ。
でも、たまには、あの背徳的で悪魔的な朝ごはんが食べたいのだ。

「分厚い食パンもいいねえ」
パンが苦手な娘が、先日、喫茶店のモーニングサービスで出された、4枚切りを半分に割った食パンをいたく気に入っていた。
パンの厚みで噛みごたえがあって、外はバターがしみてジュワッとカリッと、中はふんわりなこの厚切りパンがいいらしい。
家でも食べたいというので、4枚切り「超熟」食パンを買って、冷凍庫で来るべきラッキーデーのために、スタンバイしておいた。

弁当をリニアモーターカーの速さで作る。(メインはナースあさみさんの十八番料理「ハンバーグ(冷凍しておいた)」)こういう日の私、めっちゃ手際がいい。

冷凍の4枚切り「超熟」をオーブントースターにセット。スイッチオン。
その間に、チーズオムレツを作る。
娘と二人分、卵2個(3個入れたかったけど、明日の弁当用にセーブ)をボウルに割り入れ、塩コショウ、牛乳を投入、とろけるチーズを一掴みばさっと追加、ぐるぐる混ぜる。フライパンを熱して、バターを溶かし、卵液を投入、またもぐるぐるかき混ぜて、「いい加減チーズオムレツ」完成。

と、同時に「チン!」とトースターからお呼びが。
こんがりきつね色に焼けた「超熟」食パンを取り出して、半分にカット(三角形か台形にカットしたら、おしゃれっぽい)

トースト、チーズオムレツをワンプレートに盛る。ちょっとあまりに黄色と茶色しかないので、カイワレ大根でも飾っておこう。(見た目より味で勝負)
ミルクティーでもあればいいけど、時間がないので、アイスミルク(ただの牛乳だよ)でいいや。

食卓について、娘と、
「はい、いただきます」
え? どこが背徳的で悪魔的かって?
ふふふ、ここからですよ。

用意したクリームチーズをたっぷりと、パンの表面が真っ白になるくらいたっぷりと塗る。
それから、その上に柚子ジャムを、これでもか、これでもかと塗りたくる。
クリームチーズと柚子ジャムで、こんもりと山ができている。
そして、食べる!

「うまーい!」
クリームチーズの塩けと酸味、柚子ジャムの甘さと酸味の組み合わせが絶妙。
全身からハッピーオーラがでる。脳からハッピーホルモンがでる。
血糖値爆上がり。曇り空が晴れ渡るよう。
私は、この瞬間を待っていた。まさに、ラッキーデー。

ここでいい味を出すのは、やはり柚子ジャム。
本当のことをいうと、私が食べているこれは柚子茶の素。ロシアンティーが紅茶にジャムを溶かして飲むように、柚子茶はお湯に溶かして飲むためのもの。

もちろん、イチゴジャムやブルーベリージャムでも、相当美味しい。
ただ、この柚子ジャム(柚子茶の素)の甘さと酸味がいいのだ。
イチゴやブルーベリーのジャムが夏だとすると、柚子ジャムは秋。控えめな甘さの奥にある、落ち葉のような重厚な深い味、単純な渋みともまた違う、柚子の旨味みたいなものがある。
本当いうとお湯に溶かして柚子茶にして飲むより、チーズのような濃厚なものを混ぜて食べた方が、より美味しさを感じる気がする。

ああ、至福の時間。
あっという間に私も娘も完食。
朝だけの特権、カロリーを考えちゃいけないよ。
少年Bさんのセーフ教のルールに従えば、「これだけハッピーオーラを出したらカロリーを消費するので、実質カロリーゼロの食べ物。セーフ!」っていうことになると思う。

一つ心残りは、ミルクティーにしなかったこと。牛乳より味のある飲み物が飲みたかった。

というわけで、今、スタバに来て、スターバックスラテを飲みながら、脳内でもう一度、あのトーストを食べているところ。


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