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ナイトルーティーンまでは、ほど遠い #ハッピーになるかもしれない朝エッセイ

今日はいい日だったなあ。

そんなふうに思えたのはいつぶりだろう。
特別何か良いことがあったわけではない。

家事と仕事を終え、お風呂に入って、布団の上でYouTubeを見ながら簡単なストレッチ(一応、ヨガ)をして、ホットアイマスクをつけて、ポッドキャストを聞きながら眠りについた。
ただそれだけなのに、「いい日だったな」と思えた。

モーニングルーティーンとかナイトルーティーンという言葉を最近よく目にする。

日常を切り取ったYouTube動画を見ていると、大抵どこかの回で、その人のモーニングルーティーンとかナイトルーティーンが紹介される。

毎日同じで飽きないのかな・・・・・・?

それが、私の感想だった。

今日は帰ったら何をしよう。

仕事中、考えてばかりいる。
買ったばかりのあの本を読もう。
久しぶりにケーキを焼くのはどうだろう。
編み物がやりたいな。
アマプラで映画を観よう。
いや、いっそ、帰りにレイトショーに行くのはどうだ。
おいしいお酒が飲みたいな。晩ごはん何しよう。
ネイルを変えたいな。
しばらくnoteを書いてないから、書こうかな。
深夜に友達とお茶するなんていいなあ、などなど。

仕事というルーチンを終えたら、とにかく何でもいいから、「ルーチンじゃない」何かがしたい。
何でもいいから、昨日と違うことがしたい。
そうすることで、仕事というガチガチのルーチンで固まった自分の頭と体をリセットしたかった。

でも、いつもだいたい不完全燃焼になる。
時間が足りないのだ。

仕事を終えて帰宅して、夕食を済ませたら午後9時を過ぎている。
それから、片付けをしてお風呂に入ったら、10時。平日は午前5時(最近は5時半)には起きるので、6時間以上の睡眠時間を確保しようとすると、11時には寝なくてはならない。
そう、夜の自由時間はわずか1時間しかないのだ。

ケーキなんか焼けるはずもないし、映画1本見る時間もない。
ギリギリ、テレビドラマ1話分というところ。本ならもう少し読めるかな。
友達と存分におしゃべりするには、ちょっと時間がたりない。
ネイルも乾くかどうか・・・・・・

なので、いつも「やりたいのにやれない」というフラストレーションを溜めたまま眠りにつくことになるのだ。
無理してやって、翌朝寝不足なんてこともある。

でも、何もしない夜を過ごしてみて分かった。

何もしなくてよかったのだ。

ゆっくりお風呂に入って、ストレッチして、眠くなるまでぼんやりするのでよかったのだ。

やりたいことは、週末にやればいい。

もちろん仕事でガチガチの頭をリセットする必要はある。
だけど、何か特別なことをしなくても、リセットできるのだ。むしろそのほうが、フラストレーションを溜めることなく1日を終えられる利点があった。

諦めといえば、そうかもしれない。
平日は仕事と割り切って、それ以外のことをやらないのは、平日を捨てたようなものなのかもしれない。私の人生は週末にあるのだと、1週間の7日のうち5日をないものしているとも考えられる。
65歳まで働くとして、あと17年。ざっと6205日のうち4420日が平日。休日は1785日。少ないといえば少ない。
だけど、諦めとはちょっと違う気がしている。

ルーチンをこなすのって結構難しい。
帰宅時間だって日によって違うし、体調も違う。仕事で気分を害される日もあるし、家族とけんかする日もある。うれしい日も悲しい日もある。
それでも、ごはんを作り、お風呂に入って、歯を磨いて、スキンケアをして、日記を書いて、ストレッチして、眠る。
眠れない日もあるし、お風呂に入りたくない日もある。日記なんてしょっちゅうサボってしまう。
でも、えいやっとやりきれば、布団に入ったときには、どんな日もいつもと同じ「ふつうの日」になる。「今日もふつうの日だったな」と思うことが、頭と体のリセットなるんじゃないかな。

仕事以外に何もないなんてことはなかった。
ごはんも作るし、片付けもするし、ネットも見るし、家族の手助けもする。
ちゃんと破綻せずに暮らしを維持しているだけで、十分やっていると言っていいのでは。
変化が欲しければ、たまにルーチンの中で小さな変化を見つければいいのだ。初めての料理を作るとか、シャンプーを変えてみるとか、片付けの方法を工夫してみるとか。
よく見たら、ルーティーンを紹介するYouTuberもそうしていた。
「新しいスキンケアを試しています」とか、
「今夜は旬のこのお野菜を使った晩ごはん」とか。
だから飽きないのだ。

大事なのは、基本のルーチンを変えないこと。

私にとって、とても新鮮な発見だった。

とはいいつつも、今夜は注文したクリスマスツリーが届くから、夜な夜な飾りたくてうずうずしているし、娘の部屋のレースカーテンが破けたので、娘が帰る週末までに買い換えねばならない。

穏やかなナイトルーティーンまでは、ほど遠い。



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RUMI
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