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8円で、危うく万引き犯になるところだった

ウォーキング中に、コンビニで買い物をした。
耳にはイヤホン。その日は、スマホでTwitterのspaceを聞いていて、いいところを聞き逃すまいと、いけないと思いつつ、イヤホンをはずせなかった。

レジに商品を出し、いつものように腕のスマートウオッチで、電子マネーを呼び出し決済した。
「〇×△◆□」
店員さんが何か言ったようだが、マスク越し、ビニールカーテン越しの上、イヤホンの音が大きくてよく聞こえなかった。
いつもの「ありがとうございます」だろうと、商品を手に取り、体を左に向け、レジから2,3歩踏み出したとき、再び店員さんに声を掛けられた。
どうも店員さんの様子がおかしい。レジを操作しながら、こちらを見ている。ちょっと慌てているような……

「はい?」
踏み出した足を巻き戻し、片耳のイヤホンを外して聞きなおしたら、
「すみません、決済できなかったんで、もう一度……」
え? 決済できなかった?

もしやと、スマートウオッチを画面を見た。
「¥8残高不足ため決済できませんでした」との表示が……。
「すみません、すみません!! こっちで支払います!!」
平謝りしながら、ポケットからスマホを取り出して、別の電子マネーで支払って、事なきを得た。

危なかった……。

「どうも、すみませんでしたー!!」
「レシートは……」
「い、要りません!!」
レシートが出るのも待たず、逃げるようにコンビニを出た。
スマホひとつで買い物ができるようになって、とても便利になった。けれど、重さのない電子マネーは、現金のように小銭や財布の重みや手触りで残高を確認できない。スマホの画面を開いて、アプリをタップし、残高を確認する必要がある。それがついつい面倒で、「コンビニくらいなら、大丈夫だろう」と確認もせずにレジに行ってしまう。

それからイヤホン。
レジでは、「いらっしゃいませ」「ポイントカードはお持ちですか」「〇〇円です」「ありがとうございました」とマニュアルどおりの会話しかしないから、まあ聞こえなくてもなんとかなるだろうと、失礼と思いつつも、つい着けたままスーパーやコンビニのレジに行ってしまう。
このちょっとした横着のせいで、わずか8円で危うく、万引き犯になるところだった。

イヤホンは外してレジに行くこと、電子マネーの残高には十分気を付けることを、肝に銘じた。

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