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手ぶらでどうぞ。だいたい15000円で”体験する徳島”

初めて徳島に観光に来た人なら、鳴門の渦潮を間近で見られる観潮船に乗ったり、祖谷のかずら橋を渡ったり、大塚国際美術館に行ってみたりしたのではないでしょうか。


祖谷のかずら橋は四国山地の奥にあって、高速道路を使って徳島市から2時間、そこからさらに一般道(山道)で1時間以上かかります。

鳴門の渦潮は、その日の干潮と満潮の時間を見計らっていかないと見えません。もちろん、それでも圧巻ですが、宣伝写真で見るような大きな渦は、春と秋の大潮の季節しか見られないんですよね。
実は、私も未体験です。


大塚国際美術館は、所蔵する陶板画が多すぎて、全部丹念に見ようとすると1日以上かかっちゃう。入り口近くの古代遺跡のエリアをじっくり見てたら、「モナ・リザ」や「最後の晩餐」にたどり着く前にタイムアウトなんてことも。

そんなこんなで、初めての徳島は、時間との闘いだったのではなかったでしょうか。



長年、徳島の地に住んでいて気づいたのは、徳島は「観光するより、体験して遊ぶのが楽しい」ということです。

そこで、生まれも育ちも徳島の私が、だいたい15000円で”体験する徳島”にお連れしましょう。
手ぶらでどうぞ。

1 藍染体験

あまり知られていませんが、徳島県は江戸時代、阿波藩と呼ばれていて(阿波おどりの「阿波」ですね)、吉野川下流域で採れる藍を使った藍染めの原料「すくも」はとても良いものだったそうです。

現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」で、吉沢亮くんが演じる主人公の渋沢栄一は、藍を栽培する埼玉県の血洗島という村の大きな農家の長男です。彼が、村で採れた藍を見つめながら「阿波藍に負けないりっぱな藍玉(すくも)を作る」と言うシーンがあったんですが、それくらい日本中に阿波藍の品質の良さが知れ渡っていたようです。

この藍染めの体験をしましょう。
工房で売られているハンカチやバッグを染めてもいいですし、綿や麻の布を持ち込んで染めることもできます。

徳島市中心地から吉野川を渡って北西へ車で40分ほど。
板野郡上板町にある「技の館」。


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白い綿のシャツを持ち込んで染めました。
水玉の模様は洗濯ばさみでつまんで付けました。

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こちらは大学生の息子の作。
工房で売られている白い綿のエコバッグを糸で縛ってツートンカラーにしました。

こういう染めの手法も、工房の方がマンツーマンで教えてくださるので、初心者でも大丈夫です。
(注:汚れてもいい服で行ってくださいね)

作業時間は1時間ほど。

染めるものによって違いますが、体験料金は2500円前後(持ち込みの場合は20円/g)


2 大谷焼を作って、ついでに買いましょう

上板町から、吉野川沿いに東へ、車で30分ほどの鳴門市に来ました。

徳島の焼き物で有名なのは「大谷焼」鳴門市大谷という地域で焼かれています。
もともとは、藍を入れる甕のような大物陶器が多かったので、ずっしりと重みのある茶やこげ茶の無骨な器が多かったのですが、最近は藍色や白っぽい色のカップやお皿など日常づかいの器もたくさん作られています。

私がよく行くのが森陶器さん。

こちらで、大谷焼の絵付け体験や、陶芸体験ができます。

小学校の遠足で大谷焼の絵付け体験をしました。四角い素焼きのお皿に、ろうで絵を描いていきました。
お世辞にも上手な出来ではありませんでしたが、「自分だけのオリジナル皿」がうれしかったのを覚えています。

所要時間は、作業によって変わります(30分から2時間)

こちらでは、絵付けなら1000円から2000円程度、陶芸体験は、2500円から4000円程度となっています。

こちらのお店は、日常づかいの大谷焼の器が、求めやすい価格で手に入ります。

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落ち着いた色あいが多いです。でも、和洋中どんな料理にも合います。

こちらで買ったものの中でも、焼酎カップがお気に入りです。

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藍色の釉薬の部分のつるりとした肌触りと、釉薬のない部分は金属っぽいグレーの光沢とざらついた触感、その両方が楽しめます。
真ん中がくぼんだ形状も、手の小さい私でも持ちやすくて。
冬はこのカップに焼酎の湯割りにすだちを絞って入れて、おでんや湯豆腐と一緒に楽しんでいます。

3 贅沢な絵画鑑賞

作るのに疲れたら、見に行きましょう。

鳴門市といえば、はい、どん。

言わずと知れた、大塚国際美術館。

「えー、もう、行ったよー」
という声が聞こえてきますが、別な楽しみ方をしませんか。

それが、企画展。

世界中の名画が揃っている利点を生かして、「フランス名画」や「怖い絵」など、世界中の名画を新しい切り口で紹介してくれるアートイベントに参加すると、面白いです。

現在は「名画でセーヌ川周遊」を開催中だそうです。

私が最後に行った2019年8月の企画展は、「フレンチアート」でした。


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レストランでは、名画にちなんだメニューがあります。
こちらは「ヴィーナスカレー」

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これですね☟

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入場料は、大人3300円。

4 鳴門に来たら、やっぱり魚料理

海に面した鳴門市を去る前に、やっぱり魚料理を食べておかなくちゃ。
しゃちほこばって、堅苦しい料理店より、気軽にお腹いっぱい食べられるお店をご紹介。

それが「びんび家」

私が子供のころから人気店。おススメは、開店当初の午前9時か、閉店前の午後8時ごろ。昼間の行列がウソみたいに空いてます。

はまち定食(1200円)が人気です。
はまちの脂がのってて、切り身の厚みがすごい。わかめがたっぷりのみそ汁も最高です。

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鯛めし(1000円)も美味しい。

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5 クルージングしちゃう?

鳴門市を離れ、徳島市に行きましょう。

徳島市中心部は、縦横に流れる新町川と助任川に囲まれた中州。地図で見ると「ひょうたん」のような形に見えることから「ひょうたん島」とも言われます。

ひょうたん島

このひょうたん島を、ボートでぐるっとクルージングしましょう。


ここは昔、阿波藩の徳島城があったエリア。
緑の多い城跡の横をボートが走ります。以前、noteでも紹介しました。

おすすめは、やっぱり春。
春風に吹かれながら、川沿いの満開の桜を眺るのは、最高です。

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乗船料(保険料)300円。

6 オリジナル遊山箱を作って、徳島を持って帰ろう

前にnoteに書きましたが、徳島は昔から木工業が盛んでした。その木工の技術を生かして作られたのが遊山箱(ゆさんばこ)と言われています。

母に聞くと、遊山箱とは、1人用の3段のお重のことで、お重の上に取っ手が付いていて持ち運びできるものらしい。
女の子たちは、自分用のお弁当箱を持つように、一人一つずつ遊山箱を持っていて、遊山箱に、母親に作ってもらった巻きずしや羊羹なんかを詰めて、遊山に行くのだそう。

母が子供のころは、子供たちが一人一つの遊山箱を持っていて、そこにお寿司やお菓子なんかを詰めて、ピクニックに出かけたらしい。
自分用の小さな塗りの重箱に、好きなものをいっぱい詰めて出かけるって、想像しただけでよだれが出そう。
遊んだ後の高揚感と重箱を開ける瞬間のワクワク感のダブルの楽しみ。

職人さんの遊び心が詰まった遊山箱を作ってみましょう。
といっても、1から作るわけにはいかないので、絵付け体験を。

出来上がった遊山箱を持って帰って、ぜひピクニックに行ってほしいです。

体験料4000円。


7 踊ってみる?

徳島に来たからには、やっぱり見たいのが「阿波おどり」
徳島市の阿波おどりの本番は、夏のお盆の時期、8月12日から15日までですが、一年中みられるスポットがあります。

阿波おどり会館

一日数回、阿波おどりの踊りグループ(連)のベテランの踊り手の方が、阿波おどりを披露してくれます。
さあ、踊る阿呆になりましょう。踊りのベテランが、手ほどきをしてくれます。最後には、一緒に舞台に上がって、踊ります。
もちろん、有名連の精鋭たちの踊りも見られます。

入場料 800円。

以上、締めて、だいたい15000円です。

いかがでしたでしょうか。

残念ながら、徳島県は全国魅力度ランキングが46位だそうです。

確かに、有名な景勝地も少ないし、神社仏閣はないし、ご当地グルメもさほど有名じゃないので、わざわざ行こうと思う地ではないかもしれません。

でも、明石海峡大橋を渡れば、京阪神から車で2時間前後で来られますし、徳島あわおどり空港は徳島の中心地に近いので、飛行機のアクセスもいいんです。
肩ひじ張らず、ふらっと遊びに来るのにちょうどいい時間と距離ではないでしょうか。

この緊急事態な世の中が少しよくなったら、遊びに来てください。
お待ちしています。

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