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0歳の魂、17まで #ハッピーになるかもしれない朝エッセイ

娘の育児休業中の話。
息子は2歳。
0歳児の世話にかまけていると、2歳児が退屈そう。それで、0歳児を連れて、週に一度、息子と音楽教室に通うことにした。

おもちゃのチャチャチャを、おもちゃのチャチャチャ「チャ」と歌うくらい、歌に頓着しない息子。案の定、リトミックもお歌も、それなりにやるけれど、心底楽しんではくれなかった。
「音楽教室よりテレビを見ていたい」と泣かれたこともあった。

一方、当時0歳児だった娘。
兄の音楽教室で、一番楽しそうだったのが娘だった。
流れる音楽に「あー」と声を出し、みんなが踊れば、体をゆする。まん丸い顔に笑顔いっぱいで私や兄を見る。そのうれしそうな顔が今でも忘れられない。

1年間の音楽教室の終わりに、発表会があった。
大きな文化ホールの舞台で、音楽教室の生徒とその保護者が一緒に歌って踊った。そこに娘も参加させてもらった。
教室の先生が、「娘さんもぜひ一緒に」と誘ってくださったのだ。
息子と娘と私と3人分のおそろいのTシャツを用意して、出場。舞台の大きさやライトに圧倒されて娘が泣いたらどうしようと心配したが、杞憂だった。娘は一緒に体をゆすって楽しんでいた。(むしろ息子以上)

あれからもう16年がくる。

3月生まれの娘はもうすぐ17歳。

今朝も朝から鼻歌を歌い、今夜はダンスレッスン。
来月末の、高校生活最後のピアノの発表会の練習にも励んでいる。
勉強よりずっと熱心に、楽しそうに。

0歳の魂、17まで。いや、きっとこれからもずっと生きていくのだろう。
なくさないでほしい。




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